秋葉原補聴器リスニングラボ移転のお知らせ

補聴器の効果が出ない片耳難聴にはクロス補聴器を。補聴器との違いと、価格や試聴ができるかなどをお教えします。

補聴器の効果がないと医師に判断された難聴でも、クロス補聴器なら効果があります。
クロス補聴器の価格や、試聴、貸し出しやリースなどが可能かなど詳しく説明してまいりますね。

こんな方にクロス補聴器は向いています。

  • 片耳難聴で治療や、補聴器の効果が出ないと判断された人
  • 両耳難聴だが、片耳のみ補聴器の効果がない(スケールアウト、明瞭度が40%以下)とされた方

このような難聴の方です。
片耳の全く聞こえない、又は補聴器の効果が出ないと判断された方に、しっかりと効果があったとのお話をいただきます。
この記事を読み進めることで理解が深まればと思います。

そもそも補聴器の効果が出ないのはなぜ?

片耳の難聴を患っているが、補聴器を使っても効果が出ないと医師に言われた。
なぜなのか。子どものころに診断されて今現在そう疑問に思っている方もいらっしゃるでしょう。
まず補聴器について知りましょう。

補聴器に関する簡単な説明

難聴による聴力低下を補助するための医療器具
元ある聴力を最大限生かすために、周りの音や、人の話した声を難聴でも聞こえる適切な音量に音を増幅してあげて聞こえさせてあげるのが目的の機器になります。

ですから、

  • 難聴が重い耳の聴力測定結果が、反応なし計測不可(スケールアウト)
  • 言葉の聞き取りの測定(語音明瞭度測定)で、片耳のみ40%以下の結果

など、音を伝達する器官自体がない場合や、聴神経の疾患や異常、音を伝達するまでで異常があるとき、又は言葉を聞いても理解できない場合など、聴力の機能自体が問題がある時には、補聴器を使っても十分に効果を発揮できないのです。

片耳難聴になる病気について

このような音の伝達自体がうまくいかない原因にはこのような病気が、片耳難聴では関係していることがあります。

突発性難聴

片耳が聞こえない人の発症例でいえば突発性難聴が一番多いと言われております。患者数は推定35,000人、2014年は40,000人に急増しています。人口100万人あたりでみると275人が突発性難聴として治療を受けていています。
数年前は50歳~60歳に多い病気でしたが、近年は若い方にも多く、性別や年齢の偏りはありません。
発症してから1週間以内に病院へ行って治療をすれば回復する可能性もあります。
原因についてはストレス、ウイルス感染、血流障害だと言われていますが、現在の医療をもってしても原因不明のことが多いです。突発性難聴は内耳を悪くして発症するので感音性難聴の部類に入ります。

ムンプス難聴(おたふく風邪、流行性耳下腺炎)

ムンプス難聴は、流行性耳下腺炎(おたふく風邪)の原因であるムンプスウイルスによって発症した難聴のことをいいます。
片耳で軽度~重度程度の感音難聴をもたらします。合併症で重度の難聴になると片耳がほとんど聞こえなくなります。
小児での稀な発生ケースでは、両側高度感音難聴の例も報告されています。
昔は1万5000人に1人程度とされておりましたが、近年はもっと多く報告されており184~533人に1人とする調査結果があります。
国立感染症研究所は2001年の1年間の全国のムンプス難聴の受療患者数を調べたところ 650人と推計しております。
3~4年周期で流行する病気でもあり、ワクチンの接種で予防できます。

中耳炎

片耳だけ中耳炎を患い、そのまま治療をしないで片耳だけ難聴で聞こえなくなる。
鼓膜の奥の中耳に耳垂れが出て、鼓膜を破ったり、中耳の耳小骨に悪い影響を及ぼすこともあり難聴度も高くなります。治療が不十分ですと、慢性中耳炎になってしまいますので、十分に治療することが必要です。
音の伝わりが悪い病気なので伝音性難聴の部類に入ります。

感音性難聴

感音性難聴は耳の中の内耳神経の有毛細胞が無くなって発症する難聴です。年齢と共に起こる難聴ですが両耳とも一緒に悪くなる方が多いです。しかし中には片耳だけ難聴が進行して悪くなることもあります。また年齢と共に悪くなる難聴ですが、年齢に関係なく難聴になることもありますのでご注意ください。

先天性難聴

生まれつき片耳が全く聞こえない方。
または耳自体の発達、形成ができていない状態

事故による後遺症

外傷的な事故の治療や手術で聴力を失ってしまうこともあります。

などいろいろな理由があって、今の状態で補聴器を着けても効果が出ないし、耳の手術などをするなどしても回復が見込めないということがあるのです。

片耳が聞こえなくて困ることって?

片耳が聞こえないとこのようなことが悩みの種になります。

  1. 片耳が聞こえないと、音の方向感がわからない
  2. 全ての音が片耳から入るので音を聞き分けられない。
  3. 一般の人に比べ聞き返しが増える
  4. 騒がしい場所、会議など集団での会話が聞き取りづらい
  5. 早口で話されるとうまく聞き取れない。
  6. 聞き返して相手に嫌な印象を与える。
  7. 聞き落としによる仕事のミスが多くなる。
  8. 集中して話を聞くので精神的に疲れる。
  9. コミュニケーションをとうまく取れずストレスの原因になる。

特に一般的な難聴に比べると、片耳だけ聞こえない難聴は、一見すると普通の健常者と変わりませんし、静かな場所や1対1の会話は普通にコミニケーションが取れることが多いのです。
しかし騒がしい場所や集団での会話や色んな方向から話しかけられると、聞き取れなかったり、誰に話しかけられているか、話しているかなどがわからなくなってしまうこともあり、とてもストレスを感じるようになります。

補聴器とクロス補聴器の違い

補聴器の効果がないって言ってるのに、クロス補聴器が効果あるってどうゆうことなの?
そうお考えでしょう。補聴器とクロス補聴器は全く考え方が違います。
その説明を行っていきます。

クロス補聴器とは

クロス補聴器とは聞こえる耳(健聴耳もしくは難聴が軽い耳)に受信機となる補聴器を着け、聴こえない耳(難聴耳)にはクロス送信機を着けます。この状態がクロス補聴器を指します。
要は聞こえない耳側の音を聞こえる耳に送って音を聞かせるという仕組みになっているのです。
この仕組みなので全く聞こえない耳につけても効果が出るのです。

バイクロス

難聴が軽い耳(軽~中等度)に補聴器を着けて、難聴が重い耳にクロス送信機を着けて使用することでバイクロスと呼ばれる使用もあります。
難聴の重い耳の方向の音も拾えることで聴える範囲がぐっと広がり、使いやすくなります。

クロス補聴器の価格に関して

クロス補聴器は補聴器とクロス送信機をセットで購入する必要があるため、必ず両耳での購入が必須になります。
まずクロス補聴器単体での種類と値段についてです。

ビロングシリーズ専用(受信側の補聴器はB30から対応可能)※2017年3月現在最新のモデル 耳かけのみ 

耳かけ型 フォナッククロスB ¥95,000-(税抜)


筐体形状はPR41 (312)電池対応のコンパクト型と、PR48(13)電池対応のボリューム付きで選択できる
※筐体サイズの違いでの値段の違いはありません。
使用時間 PR41電池タイプ 46~58時間 PR48電池タイプ 77~96時間

ベンチャーシリーズ専用(受信側の補聴器はV30から対応可能)

耳穴型 フォナッククロス カスタムⅡ ¥115,000-(税抜)


シェルの形状は、カナル型 PR41(312)電池対応とハーフシェル/フルシェル型 PR48(13)対応型で分かれる
※シェル形状の違いでの値段の違いはありません。
使用時間 カナル型(PR41) 53~76時間 ハーフ/フルシェル型(PR48) 88~126時間

耳かけ型 フォナッククロスⅡ ¥90,000-(税抜)

筐体形状はPR41 (312)電池対応のコンパクト型と、PR48(13)電池対応のボリューム付きで選択できる
※筐体サイズの違いでの値段の違いはありません。
使用時間 PR41電池タイプ 46~58時間 PR48電池タイプ 77~96時間

ベンチャーシリーズのクロス補聴器は、クロス送信機と補聴器の形状が違う場合は送信できません。
耳穴型補聴器は耳穴型クロス、耳かけ型補聴器は耳かけ型クロスで使用できます。

クエストシリーズ専用(受信側の補聴器はQ50から対応可能)

耳穴型 フォナッククロス カスタム ¥110,000-(税抜)

シェルの形状は、カナル型 PR41(312)電池対応とハーフシェル/フルシェル型 PR48(13)対応型で分かれる
※シェル形状の違いでの値段の違いはありません。
使用時間 カナル型(PR41) 25~35時間 ハーフ/フルシェル型(PR48) 48~58時間

耳かけ型 フォナッククロス ¥85,000-(税抜)

筐体形状はPR41 (312)電池対応のRIC型と、PR48(13)電池対応の標準オープン型(H2O)で選択できる
※筐体サイズの違いでの値段の違いはありません。
使用時間 PR41電池タイプ 25~35時間 PR48電池タイプ 42~52時間

クエストシリーズは、クロス送信機、補聴器の形状が異なる場合も、耳穴型、耳かけ型関係なく組み合わせできます。

クロス補聴器のみの価格と種類に関しては以上です。

クロス補聴器購入でのオススメの組み合わせ

聞こえ優先で使用するなら


ビロングシリーズ オーデオB70-13(¥350,000- 非課税)とフォナッククロスB-13(¥95,000- 税抜)希望小売金額の合計¥490,000-(税抜)

ビロングシリーズは、ベンチャーシリーズからマイクの位置の関係の見直し、小さい音を再生する能力の改善がされています。
音の定位間(方向感、立体感)に優れているので、聴こえを優先して行くことができる組み合わせです。
フォナックのクロス補聴器の場合アドバンスドクラス以上(B70,V70,Q70以上)のモデルはプログラムに45度に入るの音を優先的に聞こえさせることのできるステレオズームと非常に騒がしい場所での効果的な雑音抑制がかけられるようになります。
ボリューム付きの13(PR48電池)の筐体タイプを選ぶことで、使用時間を伸ばし、さらに本体のボリューム調整と、補聴器とクロス送信機の音のバランスを自身で調えられるようにしています。
騒がしいところ~静かなところまで、仕事で使う、飲み会などでも使いたいなどあれば、この組み合わせが聴こえを優先しながら使い勝手のいい組み合わせになります。

初めてのクロス補聴器なら


ベンチャーシリーズ オーデオV30-312(¥150,000- 非課税)とフォナッククロスⅡ-312 (¥90,000- 税抜) 希望小売金額の合計¥240,000-(税抜)

とにかく価格を抑えても、音が悪くては意味がない。なおかつコンパクトで、という初めての方にぴったりの組み合わせです。
ベンチャーシリーズはビロングシリーズの母体となるチップを搭載しており、聞こえも新しいビロングシリーズに比べて平面的ではあるものの、静かな環境での会話は十分な性能で、雑音を抑える力に関してもほぼ同等です。
312(PR41電池)の筐体を選ぶことで、より小さく目立たない筐体にすることが可能で、着けていることがわかりづらいのもいいところです。
静かな環境~すこし騒がしいところまで対応します。
クロス補聴器がどのようなものか使ってみたい初めての方、家の中で使うのが主な使用条件、値段を抑えて聴こえも確保したいという方にお勧めです。

※基本的にクロス補聴器は片耳の聴力を生かしながら使用する補聴器の使い方なので、耳穴型クロスを選択したい場合は、中等度難聴があるバイクロスなどで使用することがお勧めです。

値段はわかった。ひとまず試したい。リースってあるの?

補聴器には、月額の支払いをして長期間使用できるリース契約は基本的にありません。
その代わりに購入前に使用環境で試していただくよう一定期間のレンタルは可能です。

リスニングラボでは14日間無料(以降2週間まで延長可能 /延長料金3000円)でレンタルが可能となっております。最長一か月までレンタル可能です。
ひとまず試すにはレンタルで行っていただき、今の生活環境で必要かなどの判断をしていただけるかと思います。

貸し出し状況の確認が必要な場合があるので、貸し出しを希望の場合は事前にご連絡いただくのがいいかと思います。

効果がないといわれても諦めないで!

補聴器の聞こえの形も少しずつ変わってきています。
片耳の難聴でもし補聴器の効果がないと診断時に言われたとしても、クロス補聴器ならあなたの聞こえる範囲を拡げることができますよ。
少しでもコミュニケーションへの不安や、ストレスを減らしたい。そうお思いでしたら、お試しでもいいのでしてみてください。

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