難聴の種類や原因について

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難聴に関して知りたい
難聴には種類があり、原因もそれぞれ異なります。

人それぞれの難聴の種類が異なります。ここで載せるものは難聴の特徴であったり治療に関してなどを掲載しますが、あくまで症状の一例や、症状は同じでも種類が異なることがあります。
こういった情報をお読みになったからといって個人での判断は行わず耳鼻咽喉科でしっかり診断を受けてください。
有効な治療を受けることができたり、補聴器に関する見解を出していただけます。

まず難聴の分類をご紹介します。大まかに3つの難聴に分かれます。

  • 伝音性難聴
  • 感音性難聴
  • 混合性難聴

それぞれ音が脳に伝達されるまでのところで何かしらの障害が出てしまった状態です。
発生した部位によって上記の3つの難聴に分類されます。

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1.伝音性難聴
外耳から中耳にの障害で起こる難聴です。音の振動を伝える機関の障害により音が聞こえない、もしくは聞こえづらい状態になっています。
音量に対する感度が悪くなりますので小さい音が聞こえにくくなります。比較的音量を大きくとることで聴こえることが多いです。
症状と原因に関しての細かな分類は以下のようになります。

  • 外耳道閉鎖
    症状:外耳形成不全 外耳道が骨性、又は軟骨部組織によって閉塞、狭窄している。小耳症、中耳奇形を伴う例が多い
    難聴の程度は60dB程度
    原因:先天性発達障害によるもの
    治療:外耳道形成術ただし内耳以降は正常なので骨導補聴器を用いできるだけ早期から言語を入れることが望まれる
  • 外耳道異物
    症状:外耳道に異物感が生じる。外耳道炎、耳漏、耳痛に至る場合がある
    原因:外耳道に石、虫、綿等の異物が進入し、残存する
    治療:耳鼻科にて摘出する
  • 耳垢栓塞
    症状:耳垢が水でふやけて耳道を塞いだ状態。耳閉感、耳鳴りを伴う例もある。完全に塞ぐと30dB~40dBの難聴になる。自覚症状がない場合が多い。
    原因:耳垢は剥脱した外耳道皮膚、耳垢腺の分泌物、塵埃などが混ざって形成されます。これらが固まって外耳道を閉塞します。
    治療:耳鼻科にて耳垢薬で耳垢を軟化させて取り出します。
  • 耳管狭窄症
    症状:耳管が開きにくくなり中耳腔が気圧調整障害、換気障害、排泄障害を引き起こすものです。中耳腔内部が酸素を吸引し減圧するので耳がツーンとしてきこえが悪化します。耳閉感を伴います。
    原因:鼻やのどの疾患による咽頭扁桃腺肥大、耳管扁桃腺肥大など
    治療:疾患の治療が第一。慢性化したものには上咽頭から耳管に空気を入れる耳管通気治療があります。
  • 急性中耳炎
    症状:発熱、耳痛があり膿性耳漏が出ます。難聴は軽度で高音障害が多い
    原因:インフルエンザウイルスが耳管を通じ中耳腔に入り感染する
    治療:抗生物質の投与。鼓膜切開で膿を抜き細菌検査をする例もあります
  • 滲出性中耳炎
    症状:痛みはありません水の音が聴こえる例もある。聴力の低下は40dB程度までですが。聴力型は様々になります。耳閉感を伴う場合もあります。
    原因:中耳腔粘膜から出た粘液が中耳腔にたまってしまう(通常は耳管を通じ咽頭に流れ出る)貯留が慢性化し粘性が増すとにわか耳になります。
    特徴:耳管が水平な3~8歳児に多く見られます。いこ王は身体の発達により自然に治ります。
    治療:鼓膜を切開し、粘液を通して留置します。耳管通気、内服液で済む例もあります。
  • 慢性化膿性中耳炎
    症状:難聴と耳だれ。鼓膜に穿孔があるため増悪しても耳痛はない
    原因:急性中耳炎が完治せず慢性化したもの。また緑膿菌などの細菌感染。耳小骨連鎖が溶けてしまう例もあり
    治療:鼓室形成術を行い、病巣を除去後耳小骨連鎖を再建します。補聴器の装用は外耳道からの通気を止めると病気が治りにくくなるため、耳鼻科医の相談が必要
    真珠腫性中耳炎
  • 症状:初期は軽度難聴。痛みはないが悪臭のある耳だれが出る。白いカス状のものが出てくる例もあります。
    原因:鼓膜周辺に袋状の穴ができ、中に角質化した鼓室上皮が溜まって真珠腫という塊になります。進行すると炎症を引き起こし周囲の骨や耳小骨を破壊し顔面神経麻痺、脳膜炎、脳腫瘍を起こします。
    治療:鼓室形成術。病巣の除去後
  • 外傷性鼓膜穿孔
    症状:耳鳴、耳痛、出血、耳漏などを伴います。
    原因:耳かき、平手打ち、爆風で起こります。難聴の程度は軽度が普通ですが、障害が耳小骨や前庭窓に及ぶと中~高度になり漢音障害を伴うようになります。
    治療:代用皮膚材でのパッチ、鼓膜形成術
  • 外傷性耳小骨連鎖離断
    症状:スポーツ、事故、暴力等で生じます。難聴の程度は50dB~60dBです
    原因:頭部外傷による耳小骨連鎖の離断。キヌタ~アブミ骨間の離断が多くみられる
    治療:鼓室形成術(人口アブミ骨、キヌタ骨と前庭窓をピストンでつなぐ等)
  • 耳硬化症
    症状:耳鳴りと難聴が徐々に進行します。両側性。聴力型は多くが水平又は、低音障害型になります。
    原因:アブミ骨底版周辺が周辺の骨と固まりアブミ骨が動きにくくなります
    特徴:30~40代の白人女性に多いですが、日本人では1万人に一人と少ないです。妊娠、授乳、更年期に進行することが多く遺伝性です。
    治療:アブミ骨手術で聴力の劇的な改善が見込まれます。

2.感音性難聴
内耳~聴神経~脳の障害で起こる難聴  神経系の障害で言葉の理解力が悪化します。治療や手術による聴力改善は非常に困難です。
単に小さな音が聴こえなくなるばかりでなく、音の強弱に対する間隔異常、耳鳴り、音は感知するが言葉の意味がわからないなどの障害を伴ないます

  • 騒音性難聴(職業性難聴)
    症状:プレス、鉄工、道路工事作業者など騒音にさらされている人の多くに発症します。聴力の状態は初期に4kHz付近のみが悪化し(C5ディップ)進行に伴い2kHz,8kHzも悪化、さらに全域の障害へと進みます。騒音から離れれば進行は止まります。
    原因:騒音により有毛細胞が徐々に破壊される。
    治療:根本的な治療法はありませんが、ビタミン剤、ステロイド、血管拡張剤等を投与する
  • 音響外傷
    症状:鉄砲、爆発等強大音で生じます。耳鳴りを伴い難聴の程度は高度となります。聴力型に特定の傾向はありません。以前は戦争帰りの老人に見られましたが、最近ではライブハウス、クラブ通いの若者や、車のエアバック(瞬間の音圧は150~170dBSPL)でも見られます。
    原因:強大音による内耳有毛細胞の破壊や、蝸牛構造の損傷
    治療:有毛細胞が破壊されると、根本的治療はないとされている
  • 蝸牛窓破裂症。
    症状:強大音など内耳への急激な圧力印加。潜水や逆立ちなどでも起こるケースがある。
    原因:耳に大きな圧力が加わり蝸牛窓が剥がれるため
    治療:安静にして自然治癒。または生体ボンドを用いて内耳窓閉鎖術を行う。ほぼ聴力は回復する
  • 突発性難聴
    症状:朝起きたら聴こえなくなっていたなど突然聞こえなくなるものです。一側性が多く、難聴の程度は多くが中から高度の水平型となります。耳鳴りを伴う場合があります。
    原因:ウイルス感染説、血流障害説等がありますが詳細は不明です。肝臓やすい臓の病気で生じる例ではそちらを直せば回復します。
    特徴:40~50代に多く見られる
    治療:安静にすること。早期治療が必要になります。発症後遅くとも10日以内に何らかの処置を行わないと回復の見込みが極めて低くなります。血管拡張薬やステロイド投与、ビタミン投与といった薬剤によるものや高酸素室での高気圧酸素療法などがあります。
  • 心因性難聴
    症状:思春期に多く見られます。聴器の働きは正常ですが聴こえたことを認識できません。
    原因:様々なストレスと考えられますが、詳細は不明です。
    治療:心因性原因を除きます。聴力検査結果を見せて説得するなどがあります。
  • メニエル病
    症状:めまいと耳鳴りが発作的に起こり同時に聴力が低下します。発作が治まると聴力も戻ります。聴力型は初期は低音障害ですが発作が繰り返し進行すると高音も障害されます。
    原因:内リンパ腫により内耳の中のリンパ圧が上がり、基底板の動きが鈍るため
    特徴:大きな音に過敏で不快レベル(UCL)が健聴者より低い例が多くある。また女性のほうが男性より発症者が多いです。
    治療:対ストレスの生活指導、職場指導。利尿剤や鎮静剤や向自律神経薬の投与など
  • 薬物中毒による難聴
    症状:発症時は高音域に障害が現れ、進行と共に低音域に及びます。聴力型は多くが高音漸傾です。聴力はまれにろうまで悪化します。両耳性、左右対称。耳鳴りを伴う場合もあります。
    原因:結核の薬であるストレプトマイシン、カナマイシンの継続投与による中毒。内耳の有毛細胞が破壊されます。投薬中止で進行は大抵止まりますが、戻ることはありません。
    特徴:自身の発生に影響が出ます。
  • 妊娠中の感染による難聴
    症状:先天性。両耳性で多くが高度難聴
    原因:母体が3か月以内に風疹にかかると風疹ウイルスにより9割の確率で子供が難聴になるといわれています。
    治療:母親の風疹予防が第一。発症後の的確な治療はありません
  • ムンプス難聴
    症状:小児の一側性難聴の一つです。おたふく風邪発症後におこり、難聴の程度は軽度~重度です。
    原因:流行性耳下腺炎
    治療:予防接種が第一です。軽度なら改善しますが、高度では改善が困難です。
  • 老人性難聴、加齢性難聴
    症状:加齢により徐々に聞こえが低下します。まず高音域、次第に低域まで聴力が低下します。初期には自覚症状がなく障害が会話音域(500~2kHz)まで及んで自覚します。
    原因:加齢による聴器全体の老化
    特徴:内耳~大脳皮質の感音系も老化するので聴力だけでなく言葉を理解する能力も低下します。男性のほうが女性より発症が早いといわれています。難聴の程度は個人差が大きくまた聴力レベルが同じでも聞こえ方は人により異なります。両側性、左右対称、高音漸傾型が一般的です。
    治療:老化現象ですので治療法はありません。

さまざまな原因があって難聴となるのですが、根本的な治療が可能なこともあります。
治療が不可能な難聴も、原因がわかっていることでより効果的な補聴器を選択することができます。

よく知って向き合うことが聴こえを改善させる第一歩です。

きこえに異変を感じたら、耳鼻科での診察を受けてくださいね。