「補聴器を買ったのに、うるさいだけで声がぜんぜん聞こえない…」そんなお悩みを抱えて、当店リスニングラボに相談にいらっしゃる方は、じつはとても多いんです。
補聴器がうまく使えないのは、補聴器そのものが原因とは限りません。実は、補聴器を上手に使いこなすために知っておきたいポイントが2つあります。この記事では、その2つをわかりやすく解説します。ぜひ最後までお読みください。
たろうくん補聴器をつけ始めたんだけど、音が大きくてうるさく感じるんだ😟 せっかく補聴器をつけたのに、聞きたい声がうまく聞こえなくて……。このままで大丈夫なのかな?
みみちゃんそれは心配になるよね。でも、補聴器をつけて『うるさい』『聞き取りにくい』と感じるのには、いくつか理由があるんだよ💡 補聴器の調整だけじゃなくて、音に慣れていくことも大切なんだって✨
たろうくんそうなんだ!じゃあ、うるさく感じるからって、すぐに使うのをやめないほうがいいのかな?🤔 でも、無理してつけ続けるのも心配だな……😟
みみちゃんもちろん、無理はしなくて大丈夫だよ✨ まずは補聴器を自分に合うように調整することと、少しずつ音に慣れる装用訓練がポイントなんだって💡 詳しく見てみよう!

補聴器をつけてすぐ効果が出る人と出ない人の差

お友達から「補聴器を買ったら孫の声がよく聞こえるようになったわ」と聞いて、同じお店で同じ補聴器を買ったのに、自分にはあまり効果がなかった——そういうご経験、思い当たる方はいませんか?
これには明確な理由があります。補聴器の効果には「個人差が出やすい2つの壁」があって、それを乗り越えられているかどうかで大きく結果が変わるんです。
その壁がこちらです。
- ① そもそも補聴器の効果が出にくい聴力の状態である
- ② まだ「補聴器の効果が出る体」になっていない
順番に説明していきますね。
① そもそも補聴器の効果が出にくい聴力とは?「語音明瞭度」の話
聴力検査には2種類あります。ひとつは皆さんもご存知の「ピーピー・プープー」という音を聞く純音聴力検査。もうひとつが、実際の言葉をどれだけ正確に聞き取れるかを測る語音明瞭度測定(語音聴力検査)です。
この語音明瞭度の数値が、補聴器の効果を大きく左右します。
たとえば、こんな結果が出たとしましょう。
| 声の大きさ | 測定音圧 | 語音明瞭度(回答率) |
|---|---|---|
| 小さな声 | 50dB | 50% |
| 普通の声 | 60dB | 65% |
| 少し大きな声 | 80dB | 80% |
この場合、最高語音明瞭度は80%です。補聴器のフィッティングを適切に行えば、小さな声でも80%程度の言葉が聞き取れるようになる可能性があります。
ところが、この最高語音明瞭度が40%を下回る場合は状況が変わります。音は耳に届いていても、言葉として理解する力が低下しているため、補聴器で音を大きくしても「音がうるさいだけ」になりやすいのです。純音聴力検査の結果が中度(40dB前後)でも、語音明瞭度が低い方はこの状態に当てはまることがあります。慎重に確認しておきたいポイントです。
② 語音最高明瞭度が低くても、あきらめなくていい理由
語音最高明瞭度が40%を下回っていても、「だから補聴器は無意味」ということにはなりません。以前より聞こえやすくなる実感がある方も多いです。ただ、「完全に聞こえが取り戻せる」という期待値の調整は大切で、そのうえで後述の「聞こえのリハビリ」を続けていただくことが重要です。
また最高語音明瞭度が80%以上の方は、補聴器の効果が十分に引き出せる可能性があります。この場合は、次に説明する「脳のリハビリ」がカギになります。
測定したことがないという方は、ぜひ一度、語音明瞭度測定を受けてみてください。詳しくは店頭スタッフへお気軽にお問い合わせください。

加齢性難聴が長く続くと、脳も変わっていく
補聴器の問題ってじつは「耳だけの話」じゃないんです。
加齢性難聴は、ある日突然悪くなるわけではなく、何年もかけてゆっくりと進行します。その間、脳に届く音の情報が少なくなり続けるので、脳が音に反応する機能も少しずつ低下していきます。
補聴器でいきなり音を大きくしても、長いあいだ「静寂」に慣れた脳はパニックになります。声と雑音の区別がつかない、突然の音が怖い、言葉の聞き間違いが増える——こういったことが起こるのは、脳がまだ「音のある生活」に対応できていないからなんです。
補聴器をつけてすぐ「うるさい」と感じるのはなぜか
補聴器をつけた直後にうるさいと感じるのは、補聴器が壊れているわけでも、調整が間違っているわけでもありません。それはある意味、正常な反応です。
長年聞こえていなかった音が一気に入ってくるわけですから、脳が驚くのは当然のことです。いきなり暗い部屋から明るい屋外に出ると、まぶしくて目が開けられないのと同じような感覚です。それが耳で起きているんです。
だからこそ、「うるさい=失敗」ではなく、「うるさい=リハビリのスタートライン」と捉えてほしいのです。
補聴器装用訓練ステップ【具体的な進め方】
では実際にどうリハビリを進めるか。店頭でご説明している、標準的なステップをご紹介します。
| ステップ | 目安期間 | やること |
|---|---|---|
| Step 1 | 最初の1週間 | 音量を目標の70〜80%に設定。装着時間を30分→1時間→2時間と段階的に増やす |
| Step 2 | 2週目〜 | 1日中つけられるようになったら、散歩や買い物など外出先でも装用 |
| Step 3 | 慣れてきたら | うるさくない程度に音量を少し上げてもらう(1回あたり最大10%程度が目安) |
| Step 4 | 繰り返す | うるさくなければさらに音量を上げる。これを繰り返して目標音量を目指す |
| Step 5 | 約1か月後 | 補聴器の音に慣れ始める。個人差はありますが3か月でほぼ安定することが多い |
この訓練期間中、テレビのニュースをつけながら内容を意識的に聞き取る練習をすると、リハビリ効果が高まりやすいです。
一番大切なのは「あきらめないこと」です。 少し長い道のりかもしれませんが、補聴器をつけてどんな生活がしたいか、具体的なゴールを思い描きながら続けてみてください。
生活音がうるさいと感じても、音を下げすぎないで

ここが多くの方が陥るポイントです。ぜひ慎重に読んでください。
補聴器を使い始めた頃、「新聞紙をめくる音がうるさい」「流し台の水の音が刺激的」という声をよくいただきます。そのたびにその音を下げる調整をしてしまうと、じつは逆効果になってしまうことがあります。
高音域を下げると声の明瞭さが失われる
紙のくしゃくしゃした音、金属的なキンキンした音は高音域(4kHz付近)が原因です。ここを大きく下げると、「カ行・サ行・タ行・ハ行」のような子音の聞き取りが低下します。子音が聞き取れないと、言葉の意味が聞き分けられず、会話が突然わかりにくくなります。
低音域を下げると、声が細く聞こえることがある
低音域は、声や音の厚みや音量感を感じるうえで重要な役割を持っています。そのため、補聴器の低音域を下げすぎると、音の響きや厚みが失われ、「声が細い」「迫力がない」「音が遠く感じる」といった違和感につながることがあります。
特に人の声では、低音域を下げすぎることで、男性の声などが軽く聞こえたり、話し声全体が薄く感じられたりする場合があります。
うるさいと感じたときは、特定の帯域を大きく下げるのではなく、全体の音量を一段階下げてリハビリをやり直すという対処が基本です。詳しくは認定補聴器技能者に相談してみてください。
雑音を抑えながら、きこえを保つ4つの方法
「雑音を減らしつつ、声はちゃんと聞きたい」——これは多くの方の本音ですね。じつはこれ、以下の4つを組み合わせることで大きく改善できる可能性があります。
① リハビリを継続することが大前提
電車に乗っていると、最初はうるさく感じた走行音が、しばらくすると気にならなくなった経験はありませんか?あれは脳が「必要のない音」として選別してくれているんです。補聴器でも同じことが起きます。リハビリが進むと、脳が雑音と声を自動的に仕分けてくれるようになります。これが一番の解決策です。
② 両耳で補聴器を使う(両耳スケルチ効果)
両耳に難聴がある場合は、両耳装用が基本です。理由はふたつあります。
両耳スケルチ効果:人間は両耳で聞くことで、無意識のうちに聞きたい音を優先し雑音を抑える能力を持っています。これを「両耳スケルチ」と呼びます。片耳だけの装用では、この能力がうまく発揮されません。
音情報の補完:音が片側から聞こえてきた場合でも、左右の耳にはそれぞれに音の情報が届きます。脳は左右の耳から得られた情報を統合して音を認識するため、両耳で聞くことで、音の方向を把握したり、騒音の中で会話を聞き取ったりすることに役立ちます。
③ 高音・低音を理想値から5dB程度抑える
適切なフィッティングが終わった後の「微調整」として、高音域と低音域をそれぞれ目標値から5dB程度抑えるだけで、雑音の不快感がやわらぐ方も多いです。やりすぎると声の明瞭さが落ちるので、5dBが一つの目安です。個人差がありますので、補聴器店スタッフと相談しながら進めてください。
④ 雑音抑制・突発音抑制機能のある補聴器を選ぶ
現在販売されている補聴器の多くには「雑音抑制機能」が搭載されています。これは継続的・断続的に流れる環境雑音(エアコン音・交通騒音など)を抑える機能です。リハビリが途中の方でも快適さが増すのでいいですね。
ただし、紙のくしゃくしゃした音・食器のカチャカチャした音など、瞬間的な突発音には対応しきれないことがあります。こうした突発音は、継続型の雑音抑制とは別の機能が必要です。上位モデルの補聴器ではこの突発音抑制機能を搭載しているものがあります。
📣 補聴器の調整や聞こえのご相談は、お気軽にどうぞ
秋葉原補聴器リスニングラボでは、認定補聴器技能者が無料で聴力測定・補聴器相談を承っています。他店でご購入の補聴器の調整も可能です。2週間の補聴器無料レンタルも実施中!土日・祝日も営業していますので、お気軽にご来店ください。
📍 東京都千代田区外神田4-7-1 新東ビル eイヤホン秋葉原店本館内 6F
🚃 JR秋葉原駅 電気街口より徒歩5分/地下鉄銀座線 末広町駅1号出口より徒歩1分
📞 フリーコール:0800-777-3341 / 03-5298-5573
🕐 営業時間:11:00〜19:00(月曜・火曜定休)

雑音・突発音に強い補聴器|2025〜2026年おすすめモデル
「どうせ選ぶなら、雑音に強い補聴器を選びたい」というのは当然の気持ちですね。ここでは私がとくに注目している2つのメーカーの最新シリーズをご紹介します。製品情報は2025〜2026年時点のものです。詳細仕様や価格は変更になる場合がありますので、最新情報は店頭でご確認ください。
フォナック インフィニオシリーズ(Phonak Infinio)

フォナックは長年、当店で多くのお客さまに自信を持ってご提案してきたメーカーです。以前はベンチャー・ビロングシリーズが主力でしたが、現在はインフィニオシリーズへと世代交代しています。
フォナック独自のAutoSense OSという自動環境認識機能により、静かな室内・賑やかなレストラン・屋外など、周囲の環境を自動で判別して最適なサウンドに切り替えてくれます。耳に入れるだけで対応してくれるので、操作が苦手なシニア世代の方にもおすすめです。
上位モデルでは以下の機能も利用できます。
- 突発音抑制機能
扉がバタンと閉まる音、トイレを流した音などの瞬間的な雑音を軽減 - ステレオズーム
両耳装用時に正面の声を優先して聴き取りやすくする機能 - 360度サウンドモード
車内や講座・教室など、さまざまな場面に対応
高音域の聴力が大きく低下している方向けに、高い音を聴こえる音域に変換する周波数圧縮機能も搭載。カ行・サ行・タ行が聞き取りにくくなっている方には特に効果を感じていただける可能性があります。

※カタログ掲載価格を表示しています。リスニングラボの特別価格は、店頭にてご確認ください。
シグニア IXシリーズ(Signia IX)

シグニア(旧シーメンス)の最新世代がIXシリーズです。このシリーズで特に注目したいのが、世界で初めて搭載された「ロックオン(Lock-On)」機能です。
この機能は、両耳の補聴器が連携して特定の話し手の声を追尾し、騒がしい環境でもその人の声を明瞭に聞き取れるように働きます。複数人での会話が多い方、カラオケや食事会に行くことが多い方には、ぜひ試していただきたい機能です。
また、自分の声が補聴器を通して不自然に聞こえる問題を解消するOVP(自声処理)技術も進化しており、装用時の違和感が少ないと感じる方が多いようです。

※カタログ掲載価格を表示しています。リスニングラボの特別価格は、店頭にてご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 補聴器をつけてもうるさいだけで声が聞こえないのはなぜですか?
補聴器をつけてすぐにうるさく感じる理由は主に2つあります。①語音明瞭度(言葉の聞き取り力)が低下していて、音は入ってきても言葉として理解できていない場合、②長年の難聴により脳が音を処理する機能が低下していて、声と雑音を区別できなくなっている場合です。どちらも「聞こえのリハビリ(装用訓練)」を継続することで改善できる可能性があります。まずは認定補聴器技能者に相談し、語音明瞭度測定を受けることをおすすめします。
Q. 語音明瞭度とは何ですか?補聴器の効果はどのくらいから出ますか?
語音明瞭度とは「言葉の聞き取り力」を数値化した検査結果です。純音聴力検査(ピーピー音の検査)とは別に測定します。語音最高明瞭度が最大でも40%を下回る場合、音を大きくしても言葉の理解度が上がりにくく、補聴器の効果が限定的になる可能性があります。40%以上あれば、適切なフィッティングとリハビリにより補聴器の効果を感じていただける可能性があります。
Q. 補聴器の装用訓練(聞こえのリハビリ)はどのくらいの期間かかりますか?
個人差はありますが、補聴器の音に慣れ始めるまでおよそ1か月、ほぼ安定するまで約3か月が目安です。最初の1週間は装着時間を30分→1時間→2時間と段階的に増やし、慣れてきたら終日装用を目指します。音量は目標の80%程度から始めて、10%ずつ少しずつ上げていくのが基本です。途中でリハビリをやめてしまうと改善が止まりやすいため、あきらめずに使い続けることが最も重要です。
Q. 補聴器は両耳につけた方がいいですか?片耳だけではダメですか?
両耳に難聴がある場合は、両耳装用をおすすめします。理由はふたつあります。①「両耳スケルチ効果」:両耳で聞くことで無意識に雑音を抑え、聴きたい声を優先する能力が発揮されます。片耳だけでは左右の音量バランスが崩れてこの能力がうまく機能しません。②「音情報の補完」:片側から音がなっていても、両耳装用により言葉の明瞭度が上がります。
Q. 補聴器の雑音抑制機能とは何ですか?突発音(紙をめくる音など)にも効きますか?
現在の補聴器の多くに搭載されている「雑音抑制機能」は、主にエアコン音・交通騒音など継続的・断続的な環境雑音を抑える機能です。ただし、紙をめくる音や食器のカチャカチャした音のような「瞬間的な突発音」には対応しきれない場合があります。こうした突発音に対応する抑制機能は、上位モデルに搭載されています。詳しくは店頭スタッフへお気軽にお問い合わせください。
Q. 秋葉原補聴器リスニングラボではどのようなサービスが受けられますか?
認定補聴器技能者による聴力測定・語音明瞭度測定・補聴器相談、2週間の補聴器無料レンタル体験、フォナック・シグニアをはじめとする世界主要7メーカーの試聴・フィッティング対応を行っています。他店ご購入の補聴器の調整・アフターケアも可能です(他店購入補聴器に限り、再調整楼を頂戴しています)。障害者総合支援法による補装具費支給制度にも対応。営業時間は11:00〜19:00(月曜・火曜定休)、土日祝も営業中です。フリーコール:0800-777-3341 または 03-5298-5573 までお気軽にどうぞ。



