補聴器の購入に利用できる補助金や助成金について解説しています。お住まいの市区町や地方自治体で申請できる補聴器の助成金・補助金制度は、対象者や金額が決められており申請には注意が必要です。当店では補聴器の購入時に使うことのできる補助金や助成金制度の申請についてもサポートしています。
補聴器の補助金・助成金制度は、自分が該当するかどうかのとか補助金がどのように支払われるのかなど制度のしくみや申請方法もイマイチわからないという人がおおいです。また未成年はご自身のみで申請できるかや、高齢で役所に向かうのが困難な場合はどうすればいいかわかりませんよね。
しかしわからないからと言って申請しないのはもったいないです。
この記事を読んでいただければどのようなものかをご理解いただけるかと思いますので参考にしてください。
補助金・助成金の対象者
補聴器の補助金・助成金制度の対象者は主に3種類に分かれます。
- 障害者手帳の交付対象の難聴者(障害者総合支援 厚労省施行)
- 65~70歳以上の高齢者(地方自治体の高齢者支援)
- 18歳未満の就学児(軽中等度難聴児支援事業)
この3つの支援が基本的な補助金・助成金制度です。
どの制度も耳鼻科の医師が難聴と診断をうけて補聴器を必要と判断したばあいに補助をうけられます。
そのうち障害者総合支援は下記の条件に該当している場合に障害者手帳の交付をうけてから申請できます。
等級 | 条件 |
---|---|
2級 | 両耳の聴力レベルがそれぞれ100dB以上のもの |
3級 | 両耳の聴力レベルがそれぞれ90dB以上のもの |
4級 | (1)両耳の聴力レベルがそれぞれ80dB以上のもの (2)両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が50%以下のもの |
6級 | (1)両耳の聴力レベルがそれぞれ70dB以上のもの (2)一側耳の聴力レベルが90dB以上、他側耳の聴力レベルが50dB以上のもの |
また高齢者支援事業や中等度難聴児支援は両耳30~40dB以上の難聴であることが条件です。
自治体によって補助をうけられる難聴の基準が異なりますのでお住まいの地域の福祉課にお問い合わせしてくださいね。
補助金・助成金の対象者にならない場合
補助金助成金制度で対象外になってしまうかたもいらっしゃいます。下記に該当する方は支援を受けられません。
- 所得割46万円以上の方
- 労働者災害補償保険法やその他の法令で補聴器購入費用の助成を受けている場合
- 定められた所得制限を超えている場合
カンタンにいえば補助を必要としない所得の人は対象外になり、複数の補助金制度は併用ができないということですね。
補助金・助成金の流れ
補助金・助成金の申請の流れはこのようになります。
障害者総合支援法を利用されるかたは事前に手帳の申請が必要となるので、障害者手帳申請の流れもあわせてご紹介いたします。
補助金の申請手順
役所で申請書・意見書の用紙をもらう(自分で申請しない場合は委託状も)
役所で指定された医師の診察をうけて意見書を書いてもらう
補聴器専門店で補助金や助成制度に対応した補聴器の見積もりをもらう
役所で申請用紙(委託状)・医師の意見書・見積もり書を提出
30~60日審査待ち
決定通知が届き役所より補助券・助成券が交付される
補助支給券・助成券を補聴器専門店に持っていくと補聴器を引き渡しする
障害者手帳の申請手順
役所で申請書・意見書の用紙をもらう(自分で申請しない場合は委託状も)
役所で指定された判定医の診察をうけて意見書を書いてもらう
役所で申請用紙(委託状)・医師の意見書を提出
30~60日審査待ち
役所で障害者手帳が交付される
なお障害者総合支援法の補助を利用される場合は、手帳の取得も併行して申請できますので役所で相談してみてください。
細かな流れについてはこちらから
身体障害者手帳をもらうための手続きについて
補助金・助成金の申請に必要なもの
補聴器の補助金や助成金の申請に必要なものは下記の通りです。
- 補聴器購入費用給付申請書
- 指定医師が記入した補聴器購入費用給付診断書・意見書
- 代理人委任状(未成年・自分で役所に行けない人)
- マイナンバーがわかるもの(戸籍謄本・マイナンバーカード)
- 補聴器の見積書
- 印鑑
- 障害者手帳(障害者総合支援法のみ)
各自治体のHPはこちらから確認できます(外部リンク)
https://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/syogai/madoguchi/13_list.html
補助金や助成金で購入できる補聴器と金額について
助成金で購入できる補聴器と金額は、総合支援法・高齢者支援・中等度難聴児支援で金額が異なるため分けて説明してまいります。
補助金や助成金は申請後には直接わたされるわけではなく、助成券や支給券がとどきますのでそれを補聴器のお店にわたしてください。
対応した補聴器と交換したり、補助金分をわりびきして補聴器を購入することができます。
障害者総合支援法の補助金額について
総合支援法では基準金額をもとに、所得によって全額交付と1割負担で補助金を受けることができます。
また医師の検査結果に基づき交付される補聴器の補助金額が決定されることを理解しておきましょう。
基準額はこのようになります。
補聴器の種類 | 1台当たりの補助基準額 | 付属品 | 備考 |
---|---|---|---|
高度難聴用ポケット型補聴器 | 43,200円 | イヤモールド 電池 | イヤーモールドを追加する場合は9,000円加算 |
高度難聴用耳かけ型補聴器 | 52,900円 | イヤモールド 電池 | イヤーモールドを追加する場合は9,000円加算 使用する場合は250円加算する |
重度難聴用ポケット型補聴器 | 64,800円 | イヤモールド 電池 | イヤーモールドを追加する場合は9,000円加算 |
重度難聴用耳かけ型補聴器 | 76,300円 | イヤモールド 電池 | イヤーモールドを追加する場合は9,000円加算 ダンパー入りフックを使用する場合は250円加算する |
耳穴型(レディメイド) | 96,000円 | イヤモールド 電池 | |
耳穴型(オーダーメイド) | 137,000円 | 電池 | |
FM受信機 | 80,000円 | 重度難聴者で医師から必要とされた場合に申請可能 オーディオシューが必要な場合は5,000円を加算する |
|
FMワイヤレスマイク | 98,000円 | 重度難聴者で医師に必要とされた場合に申請可能 |
実際に購入する金額の9割支払われるわけではないので注意しましょう。
例えば高度難聴用の耳掛け補聴器ならば、52,900円のうち47,610円が補助される金額です。
障害者総合支援法対象の補聴器について
障害者総合支援法の補助金を申請したときだけ購入できる福祉補聴器というものがあり、障害者支援法がさだめた基準額で購入できるようになっています。
かつては難聴に必要最低限の機能や性能のものが多かったのですが、最新のものは高性能で扱いやすいものが増えてきました。
当店取り扱いのもので最新の多機能モデルはこの3つです。
フォナック | GNリサウンド | オーティコン |
---|---|---|
ナイーダB30-SP/UP | ダナロジック・アンビオ | エクシード3 SP/UP |
東京の自治体がおこなっている高齢者支援の金額
東京都のお住まいの区によって高齢者向けの補聴器の補助金があります。
自治体によって補助金額や対象の年齢・条件が異なりますので、それぞれの金額を表にまとめました。
自治体(区) | 補助・助成金額 | 年齢制限 | 条件 |
---|---|---|---|
中央区 | 35,000円 | 満65歳以上 | 前年の総所得が2,572,000円以下の方(扶養家族一人に付き38万円加算) |
大田区 | 20,000円 | 満70歳以上 | 消費税非課税世帯のみ |
豊島区 | 20,000円 | 満65歳以上 | 住民税本人非課税(介護保険料所得段階が1から5)のかた |
墨田区 | 20,000円 | 満65歳以上 | 住民税非課税の方 |
千代田区 | 25,000円 | 年齢制限無し | 前年の総所得が3,604,000円以内(扶養家族一人に付き38万円加算) |
葛飾区 | 35,000円 | 満65歳以上 | 住民税非課税世帯の方 |
江東区 | 現物支給 | 満65歳以上 | 前年の総所得が2,572,000円以下の方(扶養家族一人に付き38万円加算) |
新宿区 | 現物支給 | 満70歳以上 | 補聴器(「耳かけ式」又は「箱型」のどちらか)を支給 *障害者の制度で支給されている方は除く。 *利用者負担2,000円 |
支援対象になるかはお住まいの自治体にてご確認ください。
東京都の軽中等度難聴児支援の補助金額
東京都在住の18歳未満の児童が受けることのできる補助金です。
基準金額は一律13万7千円で、所得によって全額または1割負担で補助を受けられます。
障害者総合支援法に該当する場合は利用できませんので注意してくださいね。
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/smph/shougai/nichijo/chutoudo_nanchouji/chutoudo_nanchouji_oshirase.html
補聴器購入の補助金・助成金でよくあるお問い合わせ
Q.助成金が支給されるまでの申請待ちの期間 A.基本は30~60日 申請内容によってはもっと長いかもしれません。
Q.次の助成金が支給されるまでの期間 A.再申請は補聴器の耐用年数5年に合わせて申請できますが、修理ができる補聴器は修理を優先する自治体もあります。
Q.助成金で購入できる補聴器 A.補助金専用の福祉補聴器を購入するか、通常の補聴器を差額購入いただけます。
Q.助成金で購入できる補聴器で十分か? A.助成金だけで購入できる福祉補聴器は、聞こえの改善に一定の効果のあるものが選ばれています。ただし機能面は最小限におさえてあるので便利な機能をお求めの場合はものたりないかもしれません。
Q.助成金をプラスして補聴器を購入することができるか A.助成金の金額を超える補聴器でも補助金にプラスして支払えば購入できます。
Q.助成金の申請はやってもらえますか A.助成金の申請のサポートはいたします。しかし申請の代行は行なえません。
Q.お店に行かなくても申請できますか A.申請内容の確認や適応する補聴器の判断が必要なため、必ず補聴器専門店で相談をしてください。
Q.補聴器費用の9割が補助されるのですか A.購入する補聴器の価格の9割補助される制度ではありません。基準の金額の9割なので注意してください。
Q.補助で購入した補聴器が壊れたときはどうすればいいですか A.障害者総合支援法を利用して購入した補聴器は、修理費用も申請すれば補助対象になります。その他の補助制度では自費で修理可能です。
補聴器の補助金・助成金お気軽にご相談ください
補聴器の補助金・助成金制度では補聴器の見積もりが必要であることや、補助金の利用して購入できる補聴器の説明をうけられるため補聴器専門店でお気軽にご相談ください。
医療費控除に補聴器の購入費用を申請することもできるようになりました。申請手順などのご案内もできますのでお問い合わせくださいね。
補聴器の購入費を医療費控除に申請する方法【わかりやすい解説】
まとめ
補聴器の補助金についてご紹介いたしました。補聴器の補助金や助成金は対象になる方は限定されているのですが、購入時の負担を減らすことができますね。
補聴器を購入することで難聴による社会的な活動の参加しにくさを解消して、充実した生活を送ることができるでしょう。