個人個人の耳型に合わせた自分専用のイヤホン「カスタムIEM(イヤモニ)」をこれから作るのに自分の耳のことは気にかけていない。そんなもったいないことしてませんか?
カスタムIEMの耳型(インプレッション)を採取をする前に4つのことをしていただくしっかりとした耳型が採取できるのです。
しっかりした耳型を採取する上で守って欲しいことは以下の4つです。
- 耳鼻科で事前に耳の中に異常がないか確認してもらう
- 耳掃除は2日前までに行う。当日に行うことはなるべく避ける
- 前日になるべく早めの就寝をする。飲酒はほどほどにするか控える
- 当日はなるべくカナル型のイヤホンもしくはカスタムIEMを使用するのを控える
以上のことをしていただくと確実かついいコンディションで耳型採取が可能です。
皆さんも実践していいカスタムIEMを作ってください。
では詳細の説明していきますね。
カスタムIEMは自分の耳型に合わせた製品なのに、自分の耳のこと無頓着で大丈夫?
カスタムIEM(イヤモニ)は耳型をとって個人専用のイヤホンを作るオーダーメイドの製品です。
そんな自分専用のイヤホンなのに、自分の耳のコンディションを整えないで耳の型を取ってしまったらとしたら。
なにかもったいない気がしませんか?
音質にこだわってカスタムIEMにたどり着く方、装着感にこだわってカスタムIEMにたどり着く方、理由は様々でしょう。
しかし製作前に自分の耳に無頓着だったら、人間の体にはコンディションがありますから、いいものが作れないかもしれません。
耳型採るときにああすれば…。とならないように採取前に自分の耳のことを知りましょう。
耳型採取する前の確認事項
耳型採取前には禁忌8項目というものを確認しております。
該当する場合は耳型の採取は行えません。
すみやかに耳鼻科医に相談すべきことに当てはまることでもありますので、事前に確認しておきましょう。
禁忌8項目
- 耳の手術などによる耳の変形や傷がないか。
- 中耳炎などで過去90日以内に耳漏がなかったか。
- 過去90日以内に突発性または進行性の聴力低下がなかったか。
- 過去90日以内に左右どちらかの耳に聴力低下がなかったか。
- 急性または慢性のめまいがないか。
- 耳あかが多くないか。
- 外耳道に湿疹、傷みまたは不快感がないか。
- 500、1,000、2,000Hzの聴力に20dB以上の気骨導差がないか
以上のことが当てはまると、診断が必要であったり、治療が必要であったり、医師の立ち合いの元で耳型採取する必要がある方です。
禁忌に該当する項目がある場合、採取はお断りさせていただきますのでご了承ください。
上記にありませんが、このような方も採取には注意が必要です。
- スポーツ、格闘技をされていて耳が大きく変形してしまっている場合
- 外耳道(耳穴)が極端に細い場合
- 耳掃除などで耳の中を触った際にくしゃみが出てしまうまたは咳き込んでしまう場合
このような方は採取中、カスタムIEMの製作の際に問題がでる場合が多いので、しっかり相談しながら採取の可否を決めていきます。
耳型採取できずに病院に向かってもらう人が10%~15%程度いる
カスタムIEMを購入しようと考えて当店にお越しの方でも耳型採取ができず、またの機会に来ていただくか、そのまま病院をご案内する場合が、全体の10%~15%程度の方に該当します。(リスニングラボの月間来店数から換算)
主な原因が
- 耳穴が耳垢で塞がっている
- 耳に湿疹や、傷、出血がみられる
これが圧倒的に多いということがあります。
ひどい状態だと外耳炎になっていたりします。
事前に耳鼻科に行くべき理由は耳に異常がないか、耳垢が詰まっていないかなどを確認してもらい、自分の状況を把握するためです。
耳垢栓塞(耳垢詰まり)で症状がある程度までなら一週間ほどで採取できる状態になります。(耳垢の固着状態によっては採取可能な日取りは変わります。)
外耳に異常があって、治療が必要な場合は治療を行い完治してからの採取になります。
耳穴が塞がっている状態は、特に自覚できない症状です。
耳掃除しているつもりが、奥に押し込んでしまっていたなんてこともありますから、自分は大丈夫であろうと思わずにできる限り受診してくださいね。
採取前に採れない状態がわかると二度手間になってしまいますし、遠方からお越しの場合採れなかったり、採取店と病院を行ったり来たり、ハードスケジュールになってしまいます。
ですからスムーズに採取するならば、事前に耳鼻科で診察していただくことをおすすめします。
耳掃除ができる限り2日前までに!
耳掃除をして綺麗にしておくことで正確に耳型が取れます。
しかし耳掃除のしすぎもあまりよくないのがホントのところです。
耳掃除は綿棒、又は耳かきでやることが一般的ですね。
耳掃除は思っている以上に耳に負担がかかることをご存知でしょうか。
綺麗に取ろうと考えると力が入りがちです。
力強くやることで耳に傷ができ出血してしまったり、耳自体が腫れてしまう可能性があります。
直前にやるとしても2日前までにやってしまうのがいいでしょう。
耳型採取前には耳鼻科に必ず行き、2日前までに耳掃除は済ませること。
当日は軽く全体的に掃除してお終い。という状態がベストです。
意外と知らない耳は浮腫むということ
耳の中は浮腫むということをご存知でしょうか?
例えば朝にイヤホンを使ったときはきつめに感じたのに、昼もしくは夜にイヤホンを使ったはちょうど良かったりして、あれ?装着感が違うな…なんて思ったことありませんか?
それは耳が浮腫みが関係していることが多いのです。
顔と同様に耳の中も浮腫むことがあります(個人差が大きいです)ので、耳型採取の前日は身体が浮腫みやすいことは避けたいですね。
このことから、
- 前日は必ず早めに寝て睡眠不足を無くす、疲れをとる。
- 前夜の飲酒はほどほどに。又は避けることが望ましい。
浮腫みは疲れや、睡眠不足でもおこります。疲労がたまることで血流に滞りが出てしまったり、睡眠不足はホルモンバランスが崩れてしまうので、できる限りはやく休養を取ることで避けておきたいですね。
アルコールは利尿を促してしまうので、後から水分を必要以上に取ってしまい血中の水分量が増えてしまうことや、血流が良くなることで血管透過性が亢進されむくみが起こりやすくなります。
顔のむくみのほとんどがアルコールです。アルコールの摂取はできるだけ控えるのが吉でしょう。
なおむくみは朝が最も多く、昼頃には落ち着く傾向にありますが、なるべく早く寝て早めに起きて体を起こしておくのがいいでしょう。
ここまできたら徹底的に。採取の当日はカナル型イヤホンもしくはイヤモニの利用を控える
カナル型イヤホンや、カスタムIEMは外耳に刺激がかかることがありますので、できれば採取前は控えたほうがいいです。
耳穴に対するイヤーピース又はステムのサイズがあっていない場合、耳穴を押し広げるような形になってしまいます。
カスタムIEMや三段フランジイヤーピースなどの耳の奥にはめ込むようなものは第二カーブ付近の皮膚が薄い刺激に弱い部分や、神経が近い部分を刺激しやすいです。
腫れの原因や、神経が過敏な状態になって採取時に痛みを伴ったり、咳込みなどの防御反応を誘発しやすくしたりします。
できる限り採取当日は控えていただくのが妥当です。
ですから採取の日までのところで試聴機はしっかり聞いて製作するモデルを決めておく、又は採取後に確認程度に聞く程度の試聴で決めれるように絞っておくなどしておくといいでしょう。
ここまで徹底すればよほどのことがない限り、いいコンディションで耳型採取を迎えることができます。
まとめ
こうして耳のいろいろなことを知っていくことで、カスタムIEMを作るから耳型採取する。と簡単に考えずに、
しっかり自分の耳の状態を把握して調整してあげる必要があるのかな?と考えてもらえればこれ幸いです。
せっかく高価なオーダーメイド品を作るのですから、後からああすれば…。何てことが無いようにできたらいいですね。
ではみなさんカスタムIEMを作る前に耳のこと考えてみてくださいね。
耳型採取は年間3000人以上の実績のあるリスニングラボにお任せください。
採取の相談や、耳のことに関するお問い合わせも受けておりますから、疑問、質問があればご連絡またはご来店ください。