
ご自身で一側性難聴の疑いを感じられたなら、放置をせずにすぐ耳鼻科医師の診察を受けるようにしましょう。片耳難聴にはさまざまな症状があり、ある日突然聞こえなくなってしまうことだってあるんです。生活に支障が出てお悩みになられているのであれば補聴器の装用がおすすめです。補聴器は難聴の悩みを改善させてくれる医療機器です。今回は片耳難聴でお困りの方におすすめできるクロス補聴器をご紹介していきます。
一側性難聴になると以下のような悩みが出てくるかと思います。
一側性難聴の悩み
一側性難聴になると片耳が聞こえなくなるので当然生活の中で不便を感じることが増えてきます。片耳難聴は相手になかなか理解してもらえないことがあり、悩みとなることが多くあります。あなたも以下のようなことでお悩みではないでしょうか?
片耳難聴でよくある悩み
コミュニケーションをとるうえで聴覚はとても大事です。もし片耳だけでも聴力低下がおきるとさまざまな困難が出てきます。- 仲間との飲み会などザワザワした環境では話しの内容がわからないので楽しめない
- 街中で話しをされると声が聞きとれず聞き返しをすることが多い
- 聞こえない方向から話しかけられても方向感がわからず反応できなくて無視していると勘違いされる
- 片耳が聞こえていないということを会社や学校など周囲の人になかなか打ち明けられない
- 片耳だけで全部聞くことになるので集中して疲れが出てストレスがたまる
一側性難聴とは

一側性難聴の種類
一側性難聴の中でもいくつか種類があります。- 突発性難聴
- 先天性難聴
- ムンプス難聴
- 外傷性難聴
一側性難聴の症状
片耳難聴の症状は聞こえないこと以外にも厄介な症状がでることがあります。難聴の症状で多いのが高度から重度の難聴となり、ほとんど聞こえない状態になってしまいます。そして片耳の難聴と同時に耳なりを発症することだってあります。耳なりの度合いはそれぞれですが、ひどければ常に鳴っている方もいらっしゃいます。耳なりの他にも吐き気があったり、回転性のめまいが出ることもあります。一側性難聴の原因
片耳が難聴になる原因は種類により違いがあります。片耳難聴はムンプス難聴などの生前、生後に関係なくウイルスの感染によりおこったり、血流の循環障がい、なんらかの外部からの衝撃によっておこることもあります。中には突発性難聴のように原因がまだ不明とされている症状もあります。
一側性難聴の治療と改善方法
片耳難聴は治療することで聴力が回復することもあります。しかし、すべての人が回復する訳ではありません。ムンプス難聴や突発性難聴の主な治療方法はステロイドの投与をおこなうことが多いと言われています。完治する可能性が高くなる明確な治療方法がまだ確立されていないのが現状のようです。発症後にすぐに医師による診察と治療を受けていても必ず治るとは言えません。
しかし一側性難聴になったのであればそのまま諦めて放置せず、治療を受けることが大事です。治療期間中はあまり騒音のある場所には行かず、静かな環境で生活をしましょう。治療をして聴力が回復したらいいのですが、治療を受けたが難聴に改善がみられなかった場合は残念ながら聞こえが戻ることはありません。しかし、諦めないでください。医療機器の開発が進んでいる近年ですので片耳の難聴を改善させる方法があります。片耳難聴を改善させてくれるのがクロス補聴器です。
ここからは、クロス補聴器についてご紹介していきます。
クロス補聴器とは
クロス補聴器は一般的な補聴器と通信をおこなうことで効果を出します。クロス補聴器は名前に補聴器とありますが、正確には補聴器の形状をした送信機なんです。そのためクロス補聴器は単体のみでは使うことができず、クロス補聴器は通常の補聴器と送受信させて使います。片耳だけにつける補聴器とは違い、クロス補聴器と補聴器を両耳に装用して使います。
クロス補聴器は両耳につけて使用する
片耳難聴の場合、難聴がある耳のみに補聴器をすることももちろんありますが補聴器をしても効果がみられないことがあります。
このように左右の聴力に大きな差がある場合、補聴器をしても言葉の分別ができない可能性が高くなります。このような聴力の場合にはクロス補聴器がとても有効的です。通常の片耳だけの補聴器とは違い、クロス補聴器は健康な耳にも補聴器をつけます。難聴のある耳にクロス補聴器をつけ、健康な耳に補聴器をつけることで聞こえの効果があります。
ここからは、クロス補聴器のしくみについてご紹介していきますね。
クロス補聴器の仕組み

クロス補聴器のメーカー
クロス補聴器を取り扱うメーカーは国内では実はまだ多くありません。クロス補聴器を販売しているのはPhonak(フォナック)補聴器とSigunia(シグニア)補聴器、Widex(ワイデックス)補聴器の3メーカーのみとなります。その他のメーカーでは今はまだ日本国内では売られていません。クロス補聴器は各メーカー同じしくみとなります。メーカーの違いは組み合わせる補聴器の性能や音質にあります。メーカーの違いで補聴器も違うので好みの音質や性能は実際に試してみなければわかりません。
ここからは、クロス補聴器の種類をご紹介していきますね。
クロス補聴器のタイプについて

| フォナック | |
|---|---|
耳かけ型クロス補聴器対応機種 ビロング・ベンチャー サイズ:312(RIC)13(RIC/標準) 値段 ビロング 95,000円(税抜) ベンチャー 90,000円(税抜) |
耳あな型クロス補聴器対応機種 ビロング・ベンチャー サイズ:312(カナル)13(ハーフ/フル) 値段 ビロング 120,000円(税抜) ベンチャー 115,000円(税抜) |
充電式耳かけ型クロス補聴器対応機種 オーデオB-R(充電式補聴器) サイズ RIC 値段 110,000円(税抜) |
|
| シーメンス・シグニア | ワイデックス |
|---|---|
耳かけ型クロス補聴器対応機種 NXシリーズ・プライマックス サイズ:312(RIC) 値段 90,000円(税抜) |
耳かけ型クロス補聴器対応機種 デイリー・ドリーム・ユニーク サイズ:312(RIC)13(標準) 値段 90,000円(税抜) |
オススメのクロス補聴器
種類のあるクロス補聴器ですが、その中でもオススメなのがフォナック補聴器のクロス補聴器です。フォナックは一側性難聴者への取り組みにとても力を入れているメーカーです。通信機器にも強いメーカーですのでクロス補聴器の機能には定評があります。中でもオススメなのがクロスB-13RICタイプです。
クロスB-13RICタイプは電池の持ち時間も長くなり、多機能性があります。中でもバランスの取れた性能のオーデオB50-13との組み合わせが人気です。B50と組み合わせることによりクロス指向性の効果を得ることができます。騒がしい場所での聞きとりがより改善できる働きをしてくれます。目立ちにくさを優先させるなら312タイプを選びましょう。オーデオBシリーズについてはコチラ
ここからは、クロス補聴器の価格相場についてご紹介しますね。
クロス補聴器の価格相場について

| フォナックの補聴器 |
| 耳あな型 158,000円から540,000円(非課税) |
| 耳かけ型 138,000円から500,000円(非課税) |
| 充電式耳かけ型 308,000円から568,000円(非課税) |
| シーメンス・シグニア | ワイデックス |
|---|---|
| 耳かけ型 250,000円から510,000円(非課税) | 耳かけ型 98,000円から510,000円(非課税) |
クロス補聴器のメリット
クロス補聴器にはメリットとなることとデメリットになることがあります。クロス補聴器のメリットはなんといっても難聴側の聞こえを改善してくれるところです。聞き間違いが多かった場面でもクロス補聴器をつければ聞き間違いを大幅に減らすことができるでしょう。そして聞こえない側に相手がいても気にせず会話をすることだって可能です。片耳だけに意識を集中して聞くこともなくなり、ストレスも減るでしょう。今まで困っていた聞こえの悩みのほとんどがクロス補聴器をつければ解決します。
クロス補聴器のデメリット
ここからはデメリットも紹介します。クロス補聴器は片耳難聴を改善させる素晴らしい機器ですが、すべてが解決するわけでもありません。当然デメリットとなることがありますので確認しておきましょう。
費用が二台分必要になるので高価になる
常に通信しているので通常の補聴器と比べて電池寿命が短い
騒がしい場所によっては会話がうまく聞こえないことがある
音のする場所、方向感をつかみにくいことがある
クロス補聴器のデメリットとしてこれらのことが考えられますが、使用した時の効果には個人差もあります。デメリットとしてとらえる人もいればそこまで気にされない人もいるでしょう。
ここからは、クロス補聴器以外にも使える補聴システム、ロジャーについてご紹介しますね。
一側性難聴の補聴援助システム「ロジャー」
フォナックロジャーURL
クロス補聴器とはまた違う、難聴のサポート機器を紹介します。補聴器メーカーのフォナックでは、デジタル補聴援助システムRoger(ロジャー)を利用して、一側性難聴の聞こえをサポートする方法があります。聞こえる耳側にロジャーフォーカスを装用し、話し手にはロジャー送信機(マイクロホン)を利用してもらいます。
そうすることで話者の声がはっきりと良聴耳で聴き取ることができます。ロジャーフォーカスは難聴者以外のユーザーにも多く使われている補聴システムです。主に騒がしい学校の教室やグループでの会話など使えるシーンは多くあります。
学校の授業などに有効
ロジャーフォーカスは騒がしい学校の教室での聞きとりにとても効果的です。授業の聞きとりも先生にマイクをつけて話してもらうだけで良くなり、教育にとてもプラスとなります。今まで聞きとれなかった先生やクラスメートの声が聞こえるので授業にも積極的に参加することができるでしょう。
騒音下での会話の理解に有効
例えばファミリーレストランなど街中など、周りが少し騒がしい環境においてもロジャーシステムは効果があります。複数人での会話は聞こえが低下していると参加することが難しいです。専用マイクロホンとロジャーフォーカスを使えばそんな環境下でも聞きたい会話音声を拾い、会話に参加することができます。勤務先の会議にもバッチリ使うことができます!
離れた相手の声を聞きたい時に有効
ロジャーシステムを使えば離れている相手の声もしっかり聞くことができます。専用マイクロホンを話者の胸元につけるだけで、話している声を聞くことができるんです。広いホールでの講演会などでも効果があり、まるで常に最前列で聞いている気分です! フォナックのロジャーは今では全国のろう学校でも使われていたり、あらゆる難聴者のサポートしてくれる素晴らしい補聴システムです。 ロジャーについて詳しくはコチラまとめ
一側性難聴であれば試していただきたい、クロス補聴器をご紹介しました。片耳難聴で聞こえの悩みがあればクロス補聴器で改善させましょう。説明だけでは伝わらない部分もあると思います、少しでも興味をもっていただけたらぜひ体験してみてください。クロス補聴器をつければ今まで聞こえなかった音や声を感じることができるでしょう。
難聴のまま諦めてしまう前に、クロス補聴器をつかって普段の生活の中で聞こえる楽しさを体感してみませんか。 





耳かけ型クロス補聴器
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