片耳だけ聞こえが悪くて補聴器をしたいと考えている方に、確認してほしいポイントがいくつかあります。特に気にしてほしいのは聴力と病気の原因です。
今回は片耳だけ補聴器を着けようとしている人へのチェック事項と、適切な補聴器の紹介をしていきます。
難聴かもと感じたら、まず病院に行く
耳が聞こえないというのが、いつから始まったかというのは非常に大切です。
例えば
- かれこれ一週間程度で耳のきこえが急に悪くなった
- 生まれつき、又は幼いころから聞こえない
- 風邪をひいてからここ数日程度でだんだんと聞こえなくなってきた
などいつから、どのように聞こえないのかというのは難聴になった原因によって異なります。
突発性難聴のような急性の難聴であったり、耳垢詰まりや鼓膜が破れてしまったり、中耳炎になっていたり、また別の病気であったり難聴の原因は様々です。
まず病院で診察してもらい難聴の原因がなんであるかを診断してもらうことが補聴器を選ぶうえで必要な情報です。
生まれつきや幼いころからという人は診察の必要性は低いですが、念のため病院に一度かかってもいいと思います。
片耳難聴になる原因
片耳難聴になる原因は以下のことが考えられます。
- ムンプス難聴(おたふく風邪の原因が内耳に感染した場合)
- 突発性難聴(ストレス、血液循環異常、ウィルスなどが原因の急性難聴)
- 音響外傷(とてつもなく大きな音で難聴になる)
- 先天性(小耳症、前庭水管肥大症など)
- 神経腫瘍
- 外傷性の難聴(耳小骨が外れる、鼓膜が破れるなど)
- 中耳炎
- 頭部又は頸部術後の後遺症や交通事故の後遺症
- 内臓疾患
このようなことが片耳難聴の代表的な原因です。このほかにも考えられますが、概ねこのようなことで難聴になってしまいます。
難聴の原因によっては治療できることもありますし、補聴器の使い方、選び方にも関わります。自分でもどのような理由で難聴になったか知らないという方は病院に一度かかってください。
詳しい難聴の原因はこちらから→難聴の種類や原因について
片耳難聴で困ってしまうこと
片耳難聴になるとこんなことに困ってしまうのです。
- 難聴側からの音声は聞こえにくい
- 会話をしていても会話の内容がわからないことが増える
- 騒がしいと会話が聞き取れない
- 複数人で会話するのが苦手
- 聞き返しや聞き逃しがある
一部ですがのこのような悩みを抱えていることが多いのです。
片耳が聞こえるがゆえに理解してもらえない。
片耳が聞こえるがゆえに難聴であると告白しても理解してもらえず、難聴側ではうまく聞こえないことを話しても、普段は話せているから無視しているだけであるとか、聴く努力をしていないからだとか、心ない言葉を掛けられて精神的につらい思いをしている人も少なくありません。
このような生活での不便さや辛さを感じて補聴器を使ってみようと考えていると思います。
片耳難聴に不便を感じていれば補聴器は試すべき
片耳難聴は片耳が聞こえているから補聴器は必要ない。補聴器は両耳でないと意味がないそのようなことを耳にすることもあるかと思いますがそれは間違いです。
実際に困っているのはあなたですし、補聴器を使うか決めるのはあなたです。
片耳難聴で不便を感じているのであれば、片方だけでも補聴器は動きますし、聞こえの補助ができますから試してみるのがいいですね。
もちろん聴力の条件によって左右され、効果がないこともありますが、試さないことほどもったいないことはありません。
片耳難聴での補聴器選び
片耳難聴での補聴器を選ぼうと思っている人では聴力によって選択肢が異なります。
ここからは良く聞こえる耳(聴力に異常がない)側を「健聴側」とよび、聞こえにくい耳側を「難聴側」として紹介していきます。
※聞こえる耳の聴力の程度や、難聴の原因によって細かな条件は変化する可能性がありますので絶対ではありません。参考にしていただき、補聴器専門店でご相談ください。
- 健聴側と比較して難聴側が30dB未満の難聴の程度である場合で
- 健聴側と比較して難聴側が30dB以上40dB未満の難聴の程度である場合
- 健聴側と比較して難聴側が40dB以上の難聴の程度又は全く聞こえない場合
この3つで選ぶべき補聴器は変わると思ってください。
1.健聴側と比較して難聴側が30dB未満の難聴の程度である場合
健聴側に比較して難聴側の難聴の程度が30dB未満である片耳難聴の場合は、補聴器を使用する必要がない可能性高いです。
補聴器の効果は30dB前後から出てくるため、高価な補聴器を使用してもあまり効果が感じられないことが考えられます。
個人差がありますので、あなたの意思次第では試すこともいいでしょう。
高価なものでなく簡易式の補聴器や集音器を必要な時に使用することがコスト面、必要度合いからしてもお勧めできます。
しかし再生する音量には注意をしてください。あまりに大きな音で流すと、聞こえの邪魔になってしまったり、耳に負荷がかかってしまいます。
2.健聴側に比較して難聴側が30dB以上40dB未満の難聴の程度である場合
健聴側に比較して難聴側が30dB以上40dB未満の難聴の程度の片耳難聴である場合は、調整機能のある補聴器が効果的です。
調整機能のある補聴器は一般的に補聴器専門店で販売されている補聴器のことを指します。高価ですが、個人の聴力に合わせて音質と音量の調整が可能なことや、雑音を抑える機能がついているなど多くの機能で効果的な聞こえの補助が期待できます。
十分な補聴効果と、ステレオ効果が期待できますので、片耳難聴でも健聴側と聴力差が40dB以内ならば、補聴器を試聴して体感してみる事を、お勧めします。
3.健聴側と比較して難聴側が40dB以上の難聴の程度又は全く聞こえない場合
健聴側と比較して難聴側が40dB以上の難聴の程度又は全く聞こえない場合に関しては、通常の補聴器では、効果がなかったり、半減してしまいます。
ですので特殊な補聴器を使用することで聞こえの改善を試みます。
実際は40~60dBの難聴である場合や、伝音難聴の場合はこの範囲に入っている人でも通常の補聴器で効果がある場合もあるので、通常の補聴器を試して効果のない場合は、特殊な補聴器を使用するようになります。
通常の補聴器で効果がうまく出ない理由
補聴器の音が大きいと骨を伝って健康な耳に音が届いてしまいます。それによって元から聞こえている音の邪魔をしてしまう可能性があります。
またまったく聞こえない難聴の場合は、補聴器が残っている聴力を補助している関係上、補聴器を入れても効果がありません。
補聴器の効果がうまく出ない時に扱うのはクロス補聴器という特殊な補聴器です。
健聴側には補聴器、難聴側にはクロス送信機を装着して、クロス送信機のマイクで集音した音を電波で補聴器に送信して、補聴器から再生することで健聴の耳で難聴側の音を聞くという仕組みです。
すこし特殊な補聴器なので、しっかり対応できるお店は少ないですが、補聴器の効果が出なかった人でも一度は試してみてください。
クロス補聴器について→補聴器の効果が出ない片耳難聴にはクロス補聴器を。補聴器との違いと、価格や試聴ができるかなどをお教えします。
補聴器を購入する前にはお試しができます。
補聴器は装用しても効果があるかどうかは実際に使ってみないとわかりません。紹介した条件に当てはまっても、通常の補聴器がいいか、クロス補聴器のほうが効果があるかはたまた補聴器自体が合わない可能性もあります。
そんな中で購入するのは不安でしょうし、自分に合った補聴器がやっぱりほしいですよね。
失敗しないで買うなら、補聴器販売店で補聴器の試聴をすることをお勧めします。基本的に補聴器は事前にお試しいただけますので購入前にはお試ししてください。
片耳補聴器でお悩みならリスニングラボにお越しください。
片耳だけ聞こえが悪いので補聴器をしたい。そうお考えの方は秋葉原補聴器リスニングラボにお越しください。
数多くの片耳難聴者の補聴器装用に携わってきた経験で、あなたにぴったりの補聴器を選ばせていただきます。
通常の補聴器だけでなく、他店では経験の少ないクロス補聴器の導入ケースも数多く経験していますので、片耳難聴での補聴器選びのお手伝いは自信があります。
購入前には聴力測定を行いあなたの聴力に合った補聴器を試聴して、さらに生活環境で使用いただけるレンタルサービスもご用意しております。
本気であなたに合った補聴器をお探しでしたら、是非とも一度ご相談ください。