クロス補聴器の仕組みをわかりやすくご紹介しています。
クロス(CROS)補聴器は難聴側の会話や音を健康な耳で聞けるようになる仕組みで、突発性難聴やムンプス難聴で片耳が聞こえない方の聞き取りをサポートしてくれる補聴システムです。
ただし、どのような仕組みでクロス補聴器が聞こえをサポートするのか知って機種を選ばなければ、購入したものの耳の状態にあわず思ったように聞こえがよくならない場合があるため、クロス補聴器の仕組みを正しく理解しておくことが大切です。
クロス補聴器で片耳難聴の悩みが解消すれば、会話のストレスがなくなりもっと快適に毎日を過ごせるようになりますね。
クロス補聴器の仕組みがよくわからない
クロス補聴器の仕組みや聞こえ方についての情報はネット上でもまだまだ少ないため、試したり購入したりすることもちょっとハードルが高いですよね。
以下のようなことでお悩みではないでしょうか?
- 自分の片耳難聴にクロス補聴器があうかわからない
- ふつうの補聴器を試しても効果がなくこまっている
- どの種類を選べばいいかわからない
以上のような理由で片耳難聴の悩みを放置すると、会話がうまくできず仕事や対人コミュニケーションに支障がでて、自分だけでなく会話相手にもストレスを与えてしまうおそれがあるため、できるだけ早めに解決することが望ましいですね。
クロス補聴器の仕組み
クロス補聴器の仕組みをご説明します。
聞こえない耳にクロス補聴器(送信機)を、聞こえる耳にはふつうの補聴器(受信機)をそれぞれ装着します。
クロス補聴器が聞こえない側の音や会話をマイクで集音して、ワイヤレスで補聴器に送信して聞こえる側の耳で難聴側のきこえをおぎなう仕組みです。
聞こえる側の耳にも難聴がある場合は、聴力にあわせて音を増幅することで対応できます。
クロス補聴器が適してる難聴のタイプ
クロス補聴器が適している難聴のタイプは、聞こえる側の耳にも難聴があるかどうかで大きく2つに分けられます。
①聞こえる耳は健康【片耳難聴】
先天性で生まれつきの難聴や、突発性難聴・おたふく風邪によるムンプス難聴で片耳を失聴した場合など、ふつうの補聴器が適合しない難聴のタイプの方にクロス補聴器が適しています。
②聞こえる耳にも難聴【両耳難聴】
上記の片耳難聴にくわえて、聞こえる側の耳も加齢性や騒音性などの難聴で聞こえづらいタイプにもクロス補聴器が適しています。
上記の2つどちらにあてはまるかによって、選ぶクロス補聴器の種類が変わってきますので次項で説明いたしますね。
クロス補聴器のタイプと選び方
クロス補聴器のタイプと選び方についてご紹介します。
クロス補聴器は耳かけ型と耳あな型2つのタイプがあり、難聴のタイプや聞こえる耳の聴力によって適した形状がことなるんです。
難聴のタイプ | 聞こえる耳の聴力 | 適したクロス補聴器 |
---|---|---|
片耳難聴 | 健康~軽度難聴 | 耳かけ型 |
両耳難聴 | 中程度~高度難聴 | 耳かけ型or耳あな型 |
また、クロス補聴器は、聞こえる耳につける補聴器側の性能によって聞こえやすさが変わります。
騒がしい場所で使うなら高性能な機種を、静かな場所だけで使うなら価格をおさえた機種を選ぶなど、ご自身の用途や予算を考えて選びましょう。
クロス補聴器は以下のような方に選ばれています。
- 片耳が聞こえず仕事での会話にこまっている
- 大人数での集まりで立ち位置を気にして疲れてしまう
- 聞こえる耳にも難聴があり家族と会話がしづらい
おすすめのクロス補聴器
オススメのクロス補聴器をご紹介!
クロス補聴器はフォナック・オーティコン・シグニア・スターキー・ワイデックスの5社から発売されていて、当店ではワイデックス以外の4社を取り扱っています。
各メーカーのおすすめ機種をご紹介していますので、ご購入前の参考にしてみてください。
シグニア クロス ピュアチャージアンドゴー X(Signia CrosPure Charge&Go X)
- ドイツ
- リチウムイオン充電式
- 1年保証
シグニアのクロスピュアX充電式は最新のXシリーズ補聴器とあわせて使用します。歩く・止まる・すわるなど装用者の動きをモーションセンサーが感知して、最適な集音と音質に自動調整して片耳難聴の聞こえをサポートします。
4時間の充電で23時間つかえることや、サイズが小さく目立ちにくいことが他メーカーとくらべて優れているクロス補聴器です。
対応する補聴器 | エクスペリエンスシリーズ 3X・5X・7X |
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スターキー クロス-R(Starkey CROS-R)
- アメリカ
- リチウムイオン充電式
- 1年保証
スターキーのクロス-R充電式は充電式のAI補聴器リビオシリーズと組み合わせて片耳難聴をサポート。スマホとBluetoothペアリングしておけば補聴器を失くした場所を地図で教えてくれたり、マスク越しの声を聞きやすくする機能のオンオフ、故障していないかをしらべるセルフチェック機能など、あるとうれしい便利な機能が搭載されています。
スマホで多彩な機能が使えることや、予備バッテリー内蔵の充電器で外出先でも3回分フル充電できることがメリットのクロス補聴器ですね。
対応する補聴器 | リビオシリーズRIC充電式 1200~2400/ AI1200~Edge AI |
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フォナック クロスB-13 カスタム(Phonak CROS B-13 Custom)
- スイス
- 13電池使用
- 1年保証
フォナックのクロスB-13はビロングシリーズの耳あな型補聴器と一緒に使用する、大きめサイズでバッテリー寿命の長い耳あな型クロス補聴器です。
耳本来の集音効果をつかって方向感をえやすいメリットがあり、オーダーメイドでフィット感も良い点が人気ですね。
電池交換のしやすさや耳につけたときの安定感がいいことなどのメリットがあります。
聞こえる耳の難聴が中程度以上の方にオススメです。
対応する補聴器 |
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バートB-13シリーズ |
スタッフがオススメする最新のクロス補聴器はコレ!
スタッフがオススメするクロス補聴器の組み合わせは、シグニアのクロスピュアCharge&Go XとピュアCharge&Go 3Xの組み合わせです。
シグニアのクロス補聴器は2.4GHzで左右の通信をおこなう仕組みのため、他社のNFMI通信のクロス補聴器よりも音質がよいところがオススメのポイントですね。
モーションセンサー搭載で座れば前方にフォーカス、歩いているときは広範囲の音を拾うなど聞こえを自動で最適化してくれる機能も人気の理由です。
シグニアクロス 110,000円(税込) | エクスペリエンス3X 294,000円 (充電器込・非課税) | 合計価格 404,000円 |
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クロス補聴器のデメリット
クロス補聴器にはデメリットがあり、事前に知っておくと購入して失敗するリスクを減らせますね。以下がクロス補聴器のデメリットです。
- 音の方向感がわかりづらい
- なれるまでは装用に違和感がある
- 両耳に機器をつけるため購入費用が高額になる
そのほかには通常の補聴器にくらべてバッテリーの減りが早いことや、耳かけ型は音の方向感がわかりにくいなどのデメリットがあります。
まわりがうるさすぎるなど、騒音環境によっては多少聞き取りづらさを感じてしまうことも事実です。
クロス補聴器のメリット
クロス補聴器にはもちろんメリットもあり、片耳難聴の悩みがなくなることがおおきなメリットですね。具体的には以下のようなメリットがあります。
- 聞こえない側からの話しかけに気づける
- 大勢で話すときに立ち位置を気にしなくていい
- 聞こえる耳の聴力低下にも同時に対応できる
その他にはBluetooth対応機種であれば、ハンズフリー通話や動画や音楽鑑賞のときにワイヤレスイヤホン代わりに使えることもメリットですね。
Bluetoothはなくても困るわけではないですが、あると助かる機能が多いため10人中9人がBluetooth対応のクロス補聴器を購入しています。
まとめ
クロス補聴器の仕組みとおすすめ機種をご紹介しました。
自分にあったクロス補聴器が見つかれば、会話やコミュニケーションが快適になり毎日をもっといきいきと楽しく過ごせるようになりますね。