こんにちは!秋葉原補聴器リスニングラボのハヤシです。今日は多くのお客様からご質問いただく「フォナック ロジャー」について、くわしくご紹介します。とくに令和7年(2025年)現在、どのような場面で活用するのがベストなのか、実際の使用例を交えながら解説していきますね。
補聴器をお使いの方なら、騒がしい場所や距離がある状況での会話に苦労した経験があるのではないでしょうか?そんな時に強い味方となるのが「ロジャー」というワイヤレスマイクシステムです。今回はそんなロジャーの魅力と活用法をお伝えします!

ロジャーとは?基本的な仕組みを理解しよう

ロジャーは、フォナック社が開発した先進的なワイヤレスマイク技術です。この技術は、話し手の声を直接補聴器や人工内耳に送信することで、雑音や距離による聞こえの問題を解決します。
とくに素晴らしいのは、ロジャーの独自の適応型技術。周囲の騒音レベルを測定・分析し、ロジャー信号が背景騒音よりも常に聞こえるようにしてくれます。
また、360度からの音声を計算する高度な機能も搭載されています。複数のマイクを配置し、今話している人の声をしっかりとキャッチ。より自然な聞こえ体験ができるんですよ。
フォナック・ロジャーの主な製品ラインナップ
フォナック ロジャーには様々な製品があり、それぞれ異なる使用シーンに最適化されています。主な製品をご紹介しますね。
ロジャー オン3

ロジャー オン3 は、とくに騒音がある環境や、距離がある状況での会話を強化するためのワイヤレスマイクデバイスです。多くの補聴器ブランドと互換性があり、人工内耳やBAHA(骨固定型補聴器)とも使用できます。
ロジャー・オンを補聴器システムと接続するには受信機が必要ですが、最新のフォナック補聴器にはロジャー受信機が内蔵されているんですよ!
ロジャー・セレクト3

ロジャー・セレクト3 は、複数の話者がいるテーブル会話に最適です。たとえば、テーブルを囲んでの会話やゲームをしている時などに活躍します。
このデバイスの素晴らしい点は、アクティブな話者の声に焦点を当て、背景騒音を最小限に抑える機能です。最も大きな音声を検出し、それをユーザーに送信してくれます。
ロジャー テーブルマイク3

グループプロジェクト、会議、勉強会など、より広い空間での使用に最適なのがロジャー テーブルマイク3です。机の上に置いて使用します。
自動的にアクティブな話者に焦点を当てるため、共同作業がより容易になります。また、複数のロジャーテーブルマイクを同時に使用できるようにセットアップすることもできますよ。
ロジャー タッチスクリーン マイク3

ロジャータッチスクリーンマイクは、教育現場や講演会で活躍します。
3つの内蔵マイクが周囲の音を自動的に分析し、個人の話者から小グループまで最適なモードに切り替わります。教師が首にかけたり、机に置いたりするだけで、騒音や距離の影響を軽減し、学びの場がより快適になります。
ロジャー パスアラウンド マイク

タッチスクリーンマイクと同様に、教育現場やグループディスカッションで活躍するハンドマイク型のロジャー送信機です。
ロジャータッチスクリーンマイクの子機として使用できます。軽量で扱いやすく、直感的な操作性と高い音質が特徴です。
フォナック・ロジャーが最も活躍する場面

それでは、フォナック・ロジャーがどのような場面で特に活躍するのか、具体的にご紹介していきますね。
騒がしいレストランやカフェでの会話
レストランやカフェは、多くの補聴器ユーザーが最も苦労する環境の一つです。食器の音、BGM、他のお客さんの会話…これらの背景騒音が会話を聞き取りにくくしています。
ロジャーオンやロジャーセレクトを使えば、会話相手の声を直接補聴器に送信できるので、周囲の騒音に邪魔されることなく会話を楽しむことができます。テーブルの中央に置いておけば、誰が話しているかを自動的に検出し、その声を強調してくれますよ。
会議やセミナーでの利用
会議室やセミナー会場では、話者が離れていたり、複数の人が発言したりするため、全ての情報をキャッチするのが難しいことがあります。
ロジャーオンを話者の首にかけてもらったり、襟元に付けてもらったりすることで、最高の音声信号を確保できます。これにより、会話の内容に集中することができるんです。
教育現場での活用
教育現場では、ロジャーシステムが特に価値を発揮します。聴覚障害のある学生が重要な情報を見逃さないようにするために不可欠です。
ロジャー タッチスクリーン マイクは、教師がクラスに向かって話す場合に最適です。教師の声を直接学生の補聴器に送信し、騒音の中でも明瞭さを確保します。このマイクは首にかけると、教師の声を直接学生の補聴器に送信します。学生が話すさいは、ロジャー パスアラウンド マイクが使いやすいですね。
フォナック・ロジャーの互換性と接続方法

フォナック・ロジャーは様々な補聴器と互換性があります。特にフォナック製の補聴器との相性は抜群ですが、他メーカーの補聴器でも使用可能です。
フォナック補聴器との接続
最新のフォナック補聴器、たとえばインフィニオ、ルミティ、パラダイス、マーベルシリーズなどには、RogerDirect技術が内蔵されています。これにより、ロジャーマイクから直接補聴器にストリーミングすることができます。
RogerDirectを搭載していない古いフォナック機器では、ロジャーの受信機が必要です。ロジャー受信機は補聴器に取り付けて互換性を持たせます。
他メーカーの補聴器との接続
他メーカーの補聴器でロジャーを使用する場合は、以下のような受信機が必要になります。
- ロジャーエックス
小型の受信機で、ほとんどの補聴器や人工内耳のスピーチプロセッサに対応 - ロジャーネックループ
Tコイル(テレコイル)対応の補聴器と接続可能
フォナック・ロジャーの購入の流れと価格帯

フォナック・ロジャーの導入を検討されている方のために、購入までの流れと価格帯についてご説明します。
導入の流れ
フォナック補聴器、ロジャー製品の取り扱いがある補聴器店で、ご相談ください。お使いの補聴器もご持参くださいね。
まずは店舗で試聴してみてください。ロジャーを使ったとき、使っていないときの聞こえを比べたり、ロジャーのモードも切替えて試してみるといいですね。
当店では、補聴器だけでなく、ロジャー製品のレンタルもおこなっています。2週間無料でお貸出していますので、実際の生活の中で効果を試してみてください。
試聴やレンタルをしていただき、聞こえに納得いただいてからご購入の手続きを進めていきます。※お渡しまで1~3日、納期がかかります。
価格帯
フォナック・ロジャー製品の価格帯は製品によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
送信機
- ロジャー オン3:209,000円
- ロジャー セレクト3:209,000円
- ロジャー テーブルマイク3:209,000円
- ロジャー タッチスクリーン マイク3:209,000円
- ロジャー パスアラウンド マイク:85,800円
受信機
- ロジャー エックス:101,200円
- ロジャー ネックループ:77,000円
これらの価格は目安であり、実際の価格は販売店や地域によって異なる場合があります。購入前に確認しておくといいですね。
フォナック・ロジャーのメンテナンスとトラブルシューティング
フォナック・ロジャーを長く快適に使用するためのメンテナンス方法と、よくあるトラブルの解決方法をご紹介します。
日常のメンテナンス
- 清掃
柔らかい乾いた布で定期的に拭き、汚れを取り除きましょう。特にマイク部分は音質に直接影響するので、丁寧に清掃してください。 - 保管
使用しない時は、湿気の少ない場所で保管しましょう。専用のケースがある場合は、そちらに収納することをお勧めします。 - 充電
充電式のロジャー製品は、定期的に充電して、いつでも使用できる状態を維持しましょう。
よくあるトラブルと解決方法
接続が切れる場合
- ロジャー機器と補聴器の距離が適切か確認しましょう。
- 両方のデバイスが十分に充電されているか確認してください。
- 接続をリセットするには、一度電源を切ってから再度オンにしてみましょう。
- それでも問題が解決しない場合は、補聴器販売店に相談することをおすすめします。
音質が悪い場合
- マイク部分が汚れていないか確認し、必要に応じて清掃してください。
- 騒音の多い環境では、マイクの位置を話者により近づけてみましょう。
- 補聴器の設定が適切か確認するため、補聴器店に相談することもご検討ください。
充電できない場合
- 充電器が正しく接続されているか確認してください。
- 別の電源コンセントを試してみましょう。
- 充電端子に汚れや損傷がないか確認してください。
- 長期間使用していない場合は、バッテリーが完全に放電している可能性があります。数時間充電を続けてみてください。
フォナック・ロジャーと他の補聴援助機器との比較
フォナック・ロジャーと他の補聴援助機器を比較し、それぞれの特徴や違いを解説します。
FMシステムとの比較
従来のFMシステムは、特定の周波数を使用して音声を送信します。一方、ロジャーは2.4GHz帯のデジタル技術を使用しています。
ロジャーの優位点
- 干渉が少なく、クリアな音質を提供
- 自動的に周囲の騒音レベルに適応
- 複数のデバイスを同時に使用可能
- セットアップが簡単
FMシステムの優位点
- 長い歴史があり、多くの教育機関で採用されている
Bluetooth補聴援助デバイスとの比較
Bluetooth技術を使用した補聴援助デバイスも多く市販されています。
ロジャーの優位点
- 騒音環境下での性能が優れている
- 信号の遅延が少ない
- 複数の話者に対応する特殊なアルゴリズム
- より長い通信距離(最大約25メートル)
ブルートゥースデバイスの優位点
- スマートフォンなど他のデバイスとの互換性が高い
- 一般的に価格が安い
- 音楽や動画の視聴にも適している
ループシステムとの比較
公共施設などで使用されるループシステムは、磁気誘導ループを使用して音声を送信します。
ロジャーの優位点
- 個人用として持ち運びが容易
- 音質が一定
- 複数の話者に対応
- 設置されたループシステムがない場所でも使用可能
ループシステムの優位点
- 一度設置すれば多くの人が同時に利用可能
- 受信機が不要(テレコイル搭載の補聴器のみ)
- 公共施設での普及率が高い
フォナック・ロジャーの活用事例:職場編

職場でのフォナック・ロジャーの活用事例をご紹介します。
オフィスでの会議
オフィスでの会議では、複数の参加者の発言を聞き取る必要があります。ロジャー・テーブルマイクIIをテーブル中央に置くことで、誰が発言しても声をクリアに捉えることができます。
とくに、大きな会議室やオンライン参加者がいるハイブリッド会議では、ロジャーの効果が顕著です。遠くの参加者の声も、まるで隣に座っているかのようにクリアに聞こえます。
プレゼンテーション
プレゼンテーションを聞く際には、ロジャー オン3 を発表者に装着してもらうことで、会場のどこに座っていても明瞭な音声を聞くことができます。
また、自分がプレゼンテーションを行う場合も、ロジャーを活用することで、質疑応答の際に会場からの質問をしっかりと聞き取ることができます。
顧客との商談
営業職の方にとって、顧客との商談は重要な機会です。特にレストランなどの騒がしい場所での商談では、ロジャー セレクト3 を活用することで、顧客の声をクリアに聞き取ることができます。
これにより、重要な情報を聞き逃すリスクを減らし、より効果的なコミュニケーションが可能になります。
フォナック・ロジャーの活用事例:教育編

教育現場でのフォナック・ロジャーの活用事例をご紹介します。
大学の講義
大学の講義では、教室の大きさや教授の話し方によって、聞き取りにくい状況が生じることがあります。ロジャー タッチスクリーン マイクやロジャーオン3を教授に渡して使用してもらうことで、どこに座っていても講義内容をクリアに聞くことができます。
グループディスカッション
少人数でのグループディスカッションでは、ロジャー セレクト3 をテーブル中央に置くことで、全員の発言をしっかりと聞き取ることができます。
これにより、ディスカッションへの積極的な参加が可能になり、学習効果が高まります。
オンライン授業
コロナ禍以降、オンライン授業も増えてきたのではないでしょうか?パソコンやタブレットにロジャーを接続することもでき、クリアな音声で授業を受けることができます。
複数の参加者が同時に話す場面でも、音声が明瞭に聞こえるため、オンライン授業の質が向上します。
フォナック・ロジャーの活用事例:日常生活編

日常生活でのフォナック・ロジャーの活用事例をご紹介します。
家族との会話
家庭内では、キッチンで料理をしながらの会話や、別の部屋からの呼びかけなど、聞き取りにくい状況が多くあります。ロジャー オン3 を家族に付けてもらうことで、どこにいても会話を続けることができます。
小さなお子さんやお孫さんの声は聞き取りにくいことが多いですが、ロジャーを活用することで、大切な瞬間を逃さずに楽しむことができます。
テレビ視聴
テレビの音声をクリアに聞くために音量を上げると、家族から苦情が出ることがあります。ロジャー オン3 をテレビに接続することで、適切な音量で他の人に迷惑をかけることなく、クリアな音声でテレビを楽しむことができます。
また、テレビを見ながら家族と会話する場合も、両方の音声をバランスよく聞くことができます。
外食時
レストランやカフェなどの騒がしい環境では、会話を楽しむことが難しい場合があります。ロジャー セレクト3 をテーブル中央に置くことで、周囲の騒音に邪魔されることなく、同席者との会話を楽しむことができます。
これにより、外食の機会が増え、社交的な活動が活発になる方も多いです。
フォナック・ロジャーの購入前に確認すべきこと

フォナック・ロジャーの購入を検討されている方のために、事前に確認すべきポイントをまとめました。
補聴器との互換性
まず確認すべきは、お使いの補聴器とロジャーシステムの互換性です。フォナック製の最新補聴器であれば、RogerDirect技術により直接接続できる場合が多いですが、他メーカーの補聴器や古いモデルでは、追加で受信機が必要になることがあります。
購入前に、補聴器店で互換性を確認し、必要に応じて適切な受信機を選ぶことが重要です。
使用環境の確認
どのような環境で主に使用するかを考慮して、最適なロジャー製品を選びましょう。
- 一対一の会話が多い
→ ロジャー オン3 - グループでの会話が多い
→ ロジャー セレクト3 - 会議や講義が多い
→ ロジャー テーブルマイク3、ロジャー セレクト3 - 様々な状況で使用したい
→ ロジャー オン3
使用環境に合わせた製品を選ぶことで、最大限の効果を得ることができます。
試聴やレンタルを活用
多くの補聴器専門店では、ロジャー製品の試聴やレンタルサービスを提供しています。実際の使用環境で試してみることで、効果を実感し、自分のニーズに合っているかを確認することができます。
購入前に、ぜひ活用してくださいね!

まとめ:フォナック・ロジャーが聞こえの世界を広げる

フォナック・ロジャーは、補聴器だけでは対応しきれない「雑音」「距離」「反響」の問題を解決する画期的なシステムです。令和7年(2025年)現在、さらに進化したロジャー技術は、様々な場面で活躍しています。
特に効果を発揮するのは以下のような場面です
- 騒がしいレストランやカフェでの会話
- 会議やセミナーでの情報収集
- 教育現場での講義やディスカッション
- 家庭での日常会話やテレビ視聴
- 講演会や劇場での鑑賞
ロジャーを活用することで、これまで諦めていた活動に再び参加できるようになったり、コミュニケーションの質が向上したりと、生活の質が大きく改善します。
私たち秋葉原補聴器リスニングラボでは、お客さま一人ひとりの生活スタイルや聞こえの状況にあわせて、最適なロジャーシステムをご提案しています。「もっと良く聞こえるようになりたい」「特定の場面での聞こえに困っている」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
実際に体験していただくことで、ロジャーがもたらす「聞こえ」の変化を実感していただけると思います!