こんにちは、秋葉原補聴器リスニングラボのハヤシです。今回は、子どもたちの聞こえをサポートする製品、フォナックの「ロジャーフォーカス II」について詳しくご紹介します。
一側性難聴(片耳難聴)や聴覚情報処理障害、自閉症スペクトラム障害をお持ちのお子さまにとって、教室や日常生活での聞こえの問題は学習や社会性の発達に大きな影響を与えることがあります。ロジャーフォーカス IIは、そんなお子さまの聞こえをサポートする製品です。難聴がなくても使用することができます。

ロジャーフォーカス IIとは

ロジャーフォーカス IIは、フォナック社が開発した子ども向けの聞こえのソリューションです。これは補聴器ではなく、健聴な側の耳に装用するロジャー受信機です。ロジャーマイクロホンと組み合わせることで、話し手の声を直接お子さまの耳に届けることができます。
とくに以下のようなお子さまに最適です
- 一側性難聴のお子さま
- 聴覚情報処理障害(APD)をお持ちのお子さま
- 自閉症スペクトラム障害(ASD)をお持ちのお子さま
ロジャーフォーカス IIは、距離や背景雑音、反響の影響を軽減し、教室内外でお子さまの聞こえをサポートします。とくに教師の声を明瞭に聞き取れるようになるため、学習環境での集中力向上に役立ちます。
ロジャーフォーカス IIの主な特徴

聞こえの改善効果
ロジャーフォーカス IIを使用すると、一側性難聴のお子さまは、使用しない場合と比較して、静かな環境でも騒がしい環境でもことばの理解が向上することが実証されています。
最近の研究では、騒がしい教室環境を想定した場合、ロジャーフォーカス IIを使用した一側性難聴のお子さまは、健聴のお子さまと同様に、遠くからの会話(教師の声など)を非常によく理解できることが示されています。
装用の快適性
ロジャーフォーカス IIは軽量設計で、小さなお子さまの耳にもフィットしやすくなっています。補聴器のパーツも、様々な大きさのご用意があるので、お子さまの成長にあわせて長く使用できます。
耐久性と防水性能
活発なお子さまの生活スタイルにあわせて、IP68等級の防塵・防水性能を備えています。汗や雨を気にせず使用でき、故障に強い作りになっています。
音量調整機能
お子さまの聞こえの好みにあわせて、音量を最適なレベルに調整可能です。また、誤って設定が変更されないようにロック機能も備えています。
充電式と電池式の2モデル
ロジャーフォーカス IIには2つのモデルがあります。
- 充電式モデル
一回の充電で最大20時間のストリーミングが可能 - 電池式モデル(ロジャーフォーカス II-312)
空気亜鉛電池を使用
電池式モデルには、お子さまが電池を誤って口に入れないようにチャイルドロック機能が付いています。
ロジャーフォーカス IIが役立つ場面

教室での学習
教室は往々にして騒がしい環境です。多くのお子さまが話し、椅子の移動音や外からの雑音も入ってきます。また、お子さまが常に教師の近くに座れるとは限りません。
ロジャーフォーカス IIとロジャーマイクロホンを組み合わせることで、教師の声を直接お子さまの耳に届けることができます。これにより、教師の話を明瞭に聞き取り、学習に集中できるようになります。
社会的コミュニケーション
一側性難聴や聴覚情報処理障害、自閉症スペクトラム障害をお持ちのお子さまは、とくに騒がしい環境でのコミュニケーションに困難を感じることがあります。
ロジャーフォーカス IIは、友達との会話や集団活動での聞き取りをサポートし、社会的なつながりを促進します。
家庭での生活
家庭でも、テレビを見たり家族との会話を楽しんだりするさいに、ロジャーフォーカス IIは役立つんです。とくに家族が集まる賑やかな場面でも、会話を明瞭に聞き取ることができます。
一側性難聴に対するロジャーフォーカス IIの効果
一側性難聴(片耳難聴)は、片方の耳だけに難聴がある状態です。健聴な耳があるため、静かな環境では問題なく聞こえることが多いですが、騒がしい環境では聞き取りが難しくなります。
ロジャーフォーカス IIは、健聴な側の耳に装用し、ロジャーマイクロホンと組み合わせて使用します。これにより、騒がしい環境でも、話し手の声を明瞭に聞き取ることができるようになるんです!
聴覚情報処理障害(APD)に対するロジャーフォーカス IIの効果
聴覚情報処理障害(APD)は、耳自体には問題がなくても、脳が音を処理する過程に困難がある状態です。APDのお子さまは、騒がしい環境で話されると、ことばの聞き取りが極端に難しくなります。
ロジャー技術などのリモートマイクロホンシステムを使用することで、遠く離れていても教師が言っていることに集中できるようになり、APDのお子さまの学習をサポートしますよ。
自閉症スペクトラム障害(ASD)に対するロジャーフォーカス IIの効果
自閉症スペクトラム障害(ASD)のお子さまの中には、聴覚過敏や音の処理に困難を抱える方がいます。また、騒がしい環境での注意の維持が難しい場合もあります。
ロジャー技術を使用することで、教師の言葉に集中しやすくなり、同級生とのコミュニケーションが取りやすくなります。ロジャーフォーカス IIは、ASDのお子さまの学校生活や社会的発達をサポートすることができる製品です。
ロジャーフォーカス IIの使用方法
ロジャーマイクロホンとの組み合わせ
ロジャーフォーカス IIは、ロジャーマイクロホンと組み合わせて使用します。ロジャーマイクロホンは話し手(教師や保護者など)が身につけ、その声を直接ロジャーフォーカス IIに送信します。
ワンタッチで簡単にロジャーマイクロホンと接続でき、複数のマイクロホンを使用する場合も、再接続の必要なくシームレスに切り替えることができます。
日常のケア方法
ロジャーフォーカス IIは防塵・防水性能に優れていますが、長く快適にお使いいただくためには適切なケアが必要です。
- 使用後は柔らかい布で拭いて清潔に保ちましょう
- 充電式モデルは定期的に充電してください
- 電池式モデルは定期的に電池を交換してください
- 極端な高温や低温の場所での保管は避けましょう
ロジャーフォーカス IIとCROSシステムの比較

一側性難聴に対する補聴援助システムとしては、ロジャーフォーカス IIの他にCROSシステムという選択肢もあります。それぞれの特徴を比較してみましょう。
CROSシステムは難聴側に装用した送信機(CROS補聴器)が音を拾い、健聴側の受信機(補聴器)に送る仕組みです。一方、ロジャーフォーカス IIはCROSシステムを使わず、健聴な側の耳にロジャー受信機(ロジャーフォーカスII)を装用して使用します。
どちらの機器が自分に適しているのかは、使用環境によって異なります。ぜひご相談ください。

当店でのサービス
秋葉原補聴器リスニングラボでは、ロジャーフォーカス IIの試聴も可能です。
お子さま一人ひとりの聞こえの状態や生活環境にあわせて、最適な補聴援助システムをご提案します。また、使用方法やお手入れの方法もしっかりとご説明いたします。
ご不明な点やご相談がございましたら、お気軽に当店までお問い合わせください。お子さまの聞こえと学びをサポートするために、わたしたちスタッフが丁寧にご対応いたします。
よくある質問
Q: ロジャーフォーカス IIは保険適用されますか?
A: ロジャーフォーカス IIは医療機器ですが、現在の日本の制度では公的医療保険の適用外です。ただし、自治体によっては補助金制度がある場合がありますので、お住まいの地域の制度についてご確認ください。
Q: 何歳から使用できますか?
A: 幼児から使用可能です。小さなお子さまの耳にもフィットするよう設計されています。
Q: 学校での使用は可能ですか?
A: はい、学校での使用に最適です。教師にロジャーマイクロホンを装用してもらうことで、教室内のどこにいても教師の声を明瞭に聞き取ることができます。学校側との連携が必要な場合は、当店でもサポートいたします。
Q: 電池の持ちはどのくらいですか?
A: 充電式モデルは一回の充電で最大20時間のストリーミングが可能です。電池式モデル(ロジャーフォーカス II-312)は、使用状況によって異なりますが、通常5~7日程度使用できます。
Q: 水泳や入浴時も装用できますか?
A: IP68等級の防水性能を備えていますが、水泳や入浴時の使用は推奨されていません。水中での使用は避け、使用後は水分をしっかり拭き取ることをお勧めします。
お子さまの聞こえについてのご質問やご相談は、いつでも秋葉原補聴器リスニングラボまでお気軽にお問い合わせください!
まとめ:ロジャーフォーカス IIがもたらす可能性

ロジャーフォーカス IIは、一側性難聴、聴知覚障害、自閉症スペクトラム障害をお持ちのお子さまの聞こえをサポートする補聴援助システムです。
おもな特徴と利点をまとめると
- 騒がしい環境でも話し手の声を明瞭に聞き取れる
- 軽量で装用感に優れ、小さなお子さまにも適している
- IP68等級の防塵・防水性能で活発なお子さまの生活にも対応
- 充電式と電池式の2モデルから選べる
- 教室での学習や社会的コミュニケーションをサポート
お子さまの聞こえでお悩みの方は、ぜひ一度ロジャーフォーカス IIについてご検討いただき、当店にご相談ください。お子さま一人ひとりにあった製品をご提案いたします。
お子さまの可能性を広げるお手伝いができることを、わたしたちスタッフ一同、心より楽しみにしております。