こんにちは、秋葉原補聴器リスニングラボのハヤシです。補聴器をお使いの方にとって、騒がしい環境での会話は大きな課題ですよね。そんな時に頼りになるのが「ロジャー」というワイヤレス補聴援助システムです。
2024年に新しく登場したフォナック・ロジャー3シリーズは、前モデルからさらに進化し、より使いやすくなりました。でも「本当に自分に合っているのかな?」「どんな機能があるの?」と疑問をお持ちの方も多いはず。
そこで今回は、フォナック・ロジャー3シリーズを購入する前に知っておきたい7つのポイントについて詳しくご紹介します。購入を検討されている方はぜひ参考にしてくださいね。

フォナック・ロジャー3シリーズとは

フォナック・ロジャーは、スイスの補聴器メーカー「フォナック」が開発した最新のワイヤレスマイクロホンシステムです。騒がしい環境で話し手の声を直接補聴器に届けることで、聞き取りを格段に向上させる製品です。
最新のロジャー3シリーズには主に以下の製品があります。
- ロジャー オン 3
- ロジャー セレクト 3
- ロジャー テーブルマイク 3
- ロジャー タッチスクリーン マイク 3
これらの製品は、それぞれ異なる使用シーンに最適化されていますが、基本的な機能は共通しています。話し手がマイクを持つかテーブルに置くことで、周囲の騒音を抑えながら、聞きたい声をクリアに補聴器に届けることができるんです。
ポイント1:進化したロジャー アンリミテッド機能
ロジャー3シリーズの最大の特徴は、「ロジャー アンリミテッド」という新機能です。この機能により、ロジャーダイレクト機能を搭載した補聴器に対して、受信機機能を簡単かつ無制限にセットアップすることが可能になりました。
以前のモデルでは、補聴器とロジャーのペアリング時に受信機のインストールが必要でしたが、ロジャーダイレクト機能搭載の補聴器は受信機のインストールが不要になりました。また、接続できる補聴器の数に制限がありましたが、新しいロジャー3では制限なく補聴器と接続が可能です!
たとえば、補聴器を装用されているご家族や友人と一緒に講演会に行った場合、1台のロジャーマイクで複数の方の補聴器に同時に音声を送ることができます。また、教室や会議室など大人数の環境でも、1台のマイクで全員の補聴器に音声を届けることが可能になりました。
ポイント2:ロジャー オン 3の新機能

ロジャー オン 3には、前モデルにはなかった新機能がいくつか追加されています。とくに注目すべきは以下の機能です。
ワイドインタビューモード
従来のインタビューモードに比べ、より広い範囲を3次元的に集音できるようになりました。本体をテーブルの上に置いたり、手に持って相手に向けるだけで、前方にいる人の会話を届けることができます。複数人が立って話し合うシーンや講演を聴講する場面で特に役立ちます。
スマートミュート
本体をミュートにすると、ワイヤレス接続している補聴器が自動的に補聴器機能に切り替わります。これにより、ロジャーを使用しない時間帯でもスムーズに通常の補聴器モードに戻ることができます。
傷に強い表面加工
ディスプレイに新たに採用されたコーティング加工により、持ち運び時の傷ダメージから守ります。毎日使う機器だからこそ、耐久性は重要ですよね。
ポイント3:ロジャー タッチスクリーン マイク 3の改良点

教育現場で人気の高いロジャー タッチスクリーン マイク 3も、使いやすさが向上しています。
ミュート時のライト設定が変更可能
教育現場の多様なニーズに応えて、インジケータライトの明度などが選択できるようになりました。これにより、様々な教室環境に合わせた設定が可能になります。
メニュー画面のリニューアル
頻繁に使う機能に簡単にアクセスできるようになるなど、メニュー画面のデザインがより一層使いやすくなりました。直感的な操作が可能になり、初めて使う方でも迷わずに操作できます。
ポイント4:ロジャー セレクト3・ロジャー テーブルマイク3の特徴と使い方
ロジャー セレクト3とロジャー テーブルマイク3は、騒がしい環境やグループ会話、会議など、聞き取りが難しい場面で活躍する最新のワイヤレスマイクロホンです。両機種とも、机の上に置いて使用することで、より快適なコミュニケーションを実現します。
ロジャー セレクト 3

ロジャー セレクト 3は、食事の場やミーティングなど、複数の話者がいる環境で威力を発揮します。各モードと使い方をご紹介します。
卓上モード
テーブルの上に置くと自動的に卓上モードとなり、360度全方向から話者の声を自動で集音します。複数人の会話でも、話している人を自動で切り替えて補聴器に届けるため、グループ会話や会議、食事の場などに最適です。
セレクトモード
本体の上部にあるタッチエリアを指で選択することで、特定の方向の話者だけを集中的に集音できます。騒がしい環境や、聞き取りたい相手が決まっている場合に便利です。
首かけモード
付属のストラップで首にかけると、胸元のマイクとして1対1の会話に特化した集音が可能です。加速度センサーが動きを検知し、話し手の口元にマイクの指向性を自動で向けます
ロジャー テーブルマイク 3

ロジャーテーブルマイク3は、会議やグループディスカッションなど、複数人が参加したり広い会場で活躍する卓上型ワイヤレスマイクです。複数台のロジャーテーブルマイク3と連携して使うこともできます。
卓上モード
テーブルの中央に置くだけで自動的に卓上モードとなり、周囲の話者の声を自動で検出し、話している人の方向に集音範囲を切り替えます。
集音範囲の切り替え(狭域/広域)
付属リモコンの「狭域集音ボタン」「広域集音ボタン」で、集音する範囲を状況に応じて変更できます。狭域は特定の方向の声を集中的に、広域は複数人の声を幅広く集音します。
ミュートモード
会議の休憩中や一時的に集音を止めたいときは、電源ボタンやリモコンのミュートボタンを押してマイクをミュートにできます。
ポイント5:互換性と接続方法
ロジャー3シリーズを購入する前に、お使いの補聴器との互換性を確認することが重要です。
対応補聴器
ロジャー3シリーズは、フォナックのインフィニオ、ルミティ、パラダイス、マーベルなどの補聴器と互換性があります。また、RogerDirectテクノロジーを搭載した補聴器であれば、追加の受信機なしで直接接続が可能です。
接続方法
RogerDirect搭載の補聴器であれば、特設な設定や機器は不要で、簡単にペアリングできます。従来の受信機が必要な補聴器の場合は、お使いの補聴器にあわせて、適切な受信機を選択して接続しましょう。
ポイント6:便利な追加機能
ロジャー3シリーズには、日常生活をより便利にする機能も搭載されています。
Bluetooth接続
ロジャーセレクト3には、Bluetooth機能が搭載されています。スマートフォンと接続することで、ハンズフリー通話が可能です。電話の声を直接補聴器に届けることができるので、電話での会話も格段に聞き取りやすくなります。
マルチメディア接続
テレビやパソコンなどのオーディオ機器と接続して、音声を直接補聴器に届けることができます。付属のオーディオケーブルを使って簡単に接続できますよ!
専用アプリ
「Phonak myRogerMic」アプリを使用することで、ロジャーの設定をカスタマイズしたり、リモートコントロールしたりすることができます。スマートフォンから簡単に操作できるので、使い勝手が向上します。
ポイント7:耐久性と取り扱い上の注意点

日常的に使用する機器だからこそ、耐久性と取り扱い方は重要なポイントです。
防水・防塵性能
ロジャー オン 3はIP54等級の防水・防塵性能を備えています。多少の水しぶきや埃からは保護されていますが、完全防水ではないので水中に沈めることはできません。故障のリスクも高まりますので、水濡れには注意しましょう。
取り扱い上の注意点
- 高温の場所(火のそばや直射日光の強い場所、炎天下の車内など)での使用や放置は避けてください
- 身体に装着したまま充電しないでください
- 航空機や病院など、電子機器が禁止されている場所では使用しないでください
- 強い衝撃を与えたり投げつけたりしないでください
まとめ:フォナック・ロジャー3は誰におすすめ?
フォナック・ロジャー3シリーズは、以下のような方に特におすすめです。
- 騒がしい環境での会話に困っている補聴器ユーザー
- 会議や講演、授業などで話者の声をクリアに聞きたい方
- 複数の話者がいる食事の場で会話を楽しみたい方
- テレビや電話の音声をより聞き取りやすくしたい方
ロジャー3シリーズは、前モデルからさらに進化し、より使いやすく、より多機能になりました。とくに「ロジャー アンリミテッド」機能により、カンタンかつ無制限に補聴器と接続できるようになったことは大きな進歩です。
また、各製品に搭載された新機能により、様々な使用シーンでより快適に使用できるようになりました。ワイドインタビューモードやスマートミュート機能は、日常生活での使いやすさを向上させています。
補聴器だけでは聞き取りが難しい環境でも、ロジャー3シリーズを使用することで、クリアな音声を直接補聴器に届けることができます。これにより、コミュニケーションの質が向上し、より豊かな社会生活を送ることができるでしょう。
購入前のチェックポイント

フォナック・ロジャー3シリーズの購入を検討されている方は、以下のポイントをチェックしてみてください。
お使いの補聴器との互換性
お使いの補聴器がロジャー3シリーズと互換性があるか、また追加の受信機が必要かどうかを確認しましょう。
使用シーンの想定
どのような環境で使用することが多いかを考え、最適な製品を選びましょう。
たとえば、主に会議で使用するならロジャー セレクト 3、教育現場ならロジャー タッチスクリーン マイク 3、様々なシーンで使用するならロジャー オン 3がおすすめです。
予算
製品や受信機の必要性の有無によって価格が異なりますので、予算に合わせて選びましょう。また、お住まいの地域によっては補助金制度を利用できる場合もありますので、お住まいの自治体にお問い合わせください。
試聴・レンタル
可能であれば、購入前に実際に試聴体験をしてみることをおすすめします。当店「秋葉原補聴器リスニングラボ」では、ロジャー3シリーズの試聴も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

最後に:聞こえが変わると毎日が変わる

フォナック・ロジャー3シリーズは、補聴器ユーザーの聞こえをサポートする強力なツールです。適切なロジャー製品を選び、正しく使用することで、コミュニケーションの質を大きく向上させることができます。
購入を検討されている方は、ぜひ補聴器専門店に相談して、ご自身のニーズに最適なロジャーを選んでください。当店「秋葉原補聴器リスニングラボ」では、個々のお客様のニーズに合わせたアドバイスやレンタルサービスを提供しておりますので、お気軽にご相談ください。
みなさまがより豊かなコミュニケーションを楽しめるよう、私たちがサポートいたします。
よくある質問
Q: ロジャー3シリーズは全ての補聴器と互換性がありますか?
A: 全ての補聴器と互換性があるわけではありません。フォナックのインフィニオ(Infinio)、ルミティ(Lumity)、パラダイス(Paradise)、マーベル(Marvel)シリーズなど、RogerDirectを搭載した補聴器であれば直接接続が可能です。その他の補聴器の場合は、適合する受信機が必要になります。詳しくは補聴器専門店にお問い合わせください。
Q: ロジャー3シリーズは防水ですか?
A: 完全防水ではありませんが、IP54等級の防水・防塵性能を備えています。多少の水しぶきや埃からは保護されていますが、水中に沈めることはできません。
Q: スマートフォンと接続して使用できますか?
A: ロジャーセレクトはBluetooth機能を使ってスマートフォンと接続することができます。これにより、電話の音声を直接補聴器に届けることができ、ハンズフリー通話も可能です。
Q: 複数のロジャーマイクを同時に使用できますか?
A: はい、マルチトーカーネットワーク機能により、複数のロジャーマイクを同時に使用することができます。ただし、同時に複数人が話すと、最も大きな音声が優先されるため、1人ずつ順番に話す運用が推奨されています。