フォナック(Phonak)の新シリーズビロング(Belong)に耳あな型のバートB-チタンと標準耳かけ型のボレロBが2017年7月12日より発売されます。今回は新製品2機種の特徴について紹介してまいります。
ビロング(Belong)とは
フォナックの最新シリーズビロング(Belong)は先に販売されたオーデオBに続き、今回のバートBチタン、ボレロBが追加されました。ビロングシリーズは前シリーズのベンチャーシリーズの拡張版というような位置づけのモデルです。
ビロングの特徴
ビロングシリーズは、補聴器を眼鏡や、携帯電話のように自然に気軽に身に着けられることをコンセプトにしているようで、補聴器のわずわらしさ・不安を軽減するような進化をしています。
ビロングの特徴的な機能はこちらです。
オートセンスOS 自動環境認識機能
雑音は言葉の聞き取りの邪魔になってしまうのですが、車の中、レストラン、会議中、街の中、家の中などの身の回りの環境で雑音が違うことフォナックは着目しました。
オートセンスOSでは補聴器自体が身の回りの環境音を取り込み、自分の周りにある雑音と会話を瞬時(0.4秒ごと)に判断して自動で最適な音質に調整してくれるシステムです。従来の切り替え式のような急激な変化ではなく、機種ごとに数種類の設定から環境音に合わせてブレンドするので、なめらかで違和感が少なく、自然と聞き取りをしやすい音にしてくれます。
サウンドリカバー2
サウンドリカバーは高域が聞き取りにくい高音域を圧縮して言葉を識別しやすくします。子供の高い声や、「サ行」「ハ行」などを聞き取りやすくします。便利な機能ですが、識別性をあげようと圧縮し過ぎると低い音に違和感がでるのが課題でした。
ビロングではサウンドリカバー2にバージョンアップして、常に浅くかかっている圧縮と、瞬間的に深くかかる圧縮を組み合わせて欠点を解決。浅くかかる圧縮で、音の機械っぽい違和感を減らし高い音の認識性をほどよく保ち、瞬間的に深く掛かる圧縮で、低い音に影響を出さずより広い範囲の高い音を聞かせられるようになりました。
防水・防塵性能 IP68
汗や水、砂やほこりなどの侵入を防ぐ防水防塵性能がついに国際保護規格の最高水準IP68になりました。
粉塵の中に8時間入れた後でも、深さ1mの水中に30分以上入れた後でも修理が必要なダメージが発生しません。
耳あな型は撥水性のナノコーティングで汗や湿気に強くなり、耳かけ型、耳あな型共に故障のリスクが減って毎日気兼ねなく使えるようになりました。
エキスパンション・広域ブースター
エキスパンションは、ささやき声などの非常に小さな音のきこえを拡張する機能です。今まで以上にくっきり、はっきりと小さな声も聴かせることができます。
広域ブースターは、広帯域の全体的な出力を一時的に開放して余裕を持たせることができます。大きな音でびりびり音割れてしまうことを無くしてクリアな音質を得ると同時に、もう少し音量が欲しいという状態を解決できるようです。あと少しだけ音量がほしいというときの後押しをしてくれます
目立たない補聴器を目指したバートB-チタン
目立たない補聴器がほしいというのは長年変わらず多い要望です。
バートB-チタンではその要望が満たされるよう小型、高性能化を進めてきました。
チタン筐体と新しい内部設計でV-nanoより小さいサイズを実現
チタン筐体
今回のバートBでは、チタンで補聴器の本体を作れるようになりました。強度は15倍、シェル自体が50%薄くなりました。
ほとんどの耳型で、IIC・CICという耳あなにすっぽり収まるサイズで製作できます。耳あなのサイズで少し難しいとされていた方でも小型化ができるようになったそうです。
内部構造のモジュール化
ICチップも60%ほど小型化してマイクと電池パックが一体化したモジュールになってさらに筐体内がコンパクトになり、本体の縮小化が可能になりました。
モジュール化されて密閉されたことで防水防塵性能も最高水準のIP68に向上し、汗や湿気に強くなりました。
本体に空間の余裕が持ちやすくなったので、耳を圧迫する感じを減らすベントを設けやすくなったのも特徴です。
バートBチタンのラインナップと価格
バートBチタンはプレミアムクラスのバートB90とアドバンスドクラスのバートB70のみの販売となります。
バートB
モデル名 | チャンネル数 | 価格 |
バートB90 | 20ch | 片耳¥550,000- |
バートB70 | 16ch | 片耳¥390,000- |
出力選択は3種類
- 軽中等度用 Mレシーバー
- 軽中等度~高度 Pレシーバー
- 中等度~高度(高度よりの重度)SPレシーバー
製作可能サイズ
- IIC(Nano)
- CIC
※耳型と、聴力の程度によってサイズが多少異なります。
※耳型によってはサイズ選択できない可能性があります。
カラー
シェルがチタニウムグレー フェイスプレートはブラックのみとなります。
※画像のカラーと同一
バートBチタンの納期
バートBチタンはチタンシェルを使用する関係上、アジアにあるチタン合金専門の工場で加工するそうです。
納期が通常の補聴器とは異なり、製作に8営業日かかるそうです。お客様には概ね2週間前後ほどのお時間頂戴することが想定されます。
充電式、空気電池式が選べて、使い勝手のいい標準型耳かけボレロB
手軽に扱えて、取扱しやすいというのも補聴器には重要なポイントです。
筐体が大きめで安定しやすく、電池交換が楽で、湿気に強い。そんな標準型ボレロにもビロングシリーズが登場しました。
今回は充電式と空気電池式で選択できるようになっています。
Tコイル標準装備、IP68で使い勝手が向上、さらに充電式も
Tコイル標準装備 防水防塵性能がアップ!
ボレロは筐体が安定しやすいサイズで、耳にかけ易く、耳垢が多い柔らかいなどの悪条件や、耳漏(耳垂)があっても使えることもあって使いやすいのが特徴でした。
さらに今回でIP68になり、さらに湿気に強くなっています。タフな設計は標準型だからこそですね。
Tコイルが標準装備となっていて、ワイヤレスマイクを使ったり、テレビやスマホと接続したり拡張性が高いのも特徴です。
充電式のボレロB-Rと空気電池式ボレロBが選べる
オーデオBでも好評だった、充電式がボレロBでも登場します。充電式のボレロB-Rと、従来の空気電池式ボレロBが選べます。
30分で6時間使用できる急速充電型です。3時間のフル充電で24時間使用できます。充電は専用のチャージケースに入れて行います。
プログラムスイッチが充電のインジケーターになっているので充電状況の判断も外から可能です。
電池交換や、電池購入の手間が省けますし、充電してすぐ使えるので、携帯電話などと同じような感覚で身に着けることができますね。
手先が不器用な場合も電池の交換がないボレロB-Rは扱い安いですね!
なお充電式と空気電池式で音質や性能は変わりません。
ボレロBのラインナップと価格
ボレロBは充電式のボレロB-Rと空気電池式のボレロBがあります。
充電式 ボレロB-PR
モデル名 | チャンネル数 | 価格(非課税) |
ボレロB-PR90 | 20ch | 片耳¥568,000- |
ボレロB-PR70 | 16ch | 片耳¥418,000- |
ボレロB-PR50 | 12ch | 片耳¥308,000- |
ボレロB-R用充電器
モデル名 | 価格(税込み) |
チャージーケースBTE | ¥12,000- |
ミニチャージャーBTE | ¥7,560- |
チャージャーケースは7回フル充電分の外部充電池パワーパック(¥10,800-税込)が後付できます。
空気電池式 ボレロB
モデル名 | チャンネル数 | 価格(非課税) |
ボレロB90 | 20ch | 片耳¥500,000- |
ボレロB70 | 16ch | 片耳¥350,000- |
ボレロB50 | 12ch | 片耳¥250,000- |
ボレロB30 | 8ch | 片耳¥180,000- |
出力選択と筐体のサイズはは3種類から
- 軽中等度用 ボレロB-M(充電式無)
- 軽中等度~高度 ボレロB-P(ボレロB-RP)
- 中等度~高度(高度よりの重度)ボレロB-SP(充電式無)
※充電式はボレロB-RPはPレシーバータイプのみ
カラー
01 ベージュ | P1 サンドベージュ | P3 サンダルウッド |
P4 チェストナット | P5 シャンパン | P6 シルバーグレー |
P7 グラファイトグレー | P8 ベルベットブラック | T7 アルパインホワイト |