片耳が聴こえなくて困っていませんか?
片耳が聴こえない難聴は一側耳性難聴といい、おたふく風邪や、はしか、メニエールなどの病気で聴こえなくなったり、爆発音による音響外傷で片耳のみが聴こえなくなってしまうという難聴です。生まれつきで片耳が聴こえない、片耳の穴がないなどの状態で聴こえないという方も多いでしょう。
片耳が聴こえない一側耳性難聴には一側耳性難聴用の補聴器を
フォナック クロスは一側耳性難聴用の補聴器になります。(上記の画像はクリックするとクロス補聴器専用ページに飛びます)
一側耳性難聴の場合では一般的な補聴器を使用しても補聴効果が現れない場合があります。
そんな一側耳性難聴のために用意されたのがクロス補聴器です。
フォナックの両耳間通信の技術を利用して、クロス補聴器を装着した聴こえない耳側の音声を、聴力の残っている耳に装着した補聴器に送信します。
聴こえない耳側の音はノイズカットを行い騒音のない状態で聴力の残った耳に送られますので、いままで聞き取れなかった音声の聞き取りが可能になります。
症例
先日、大学生Sさんがクロス補聴器を求めて当店にご来店なさいました。
幼いころに高熱を出したことがあり、そこから右耳が聴こえない状態となったそうで、病院では一般の補聴器では効果が見込めないと診断されたそうです。
幼いころより右側からの音は聞こえないためコミュニケーションをとるのに苦労されてきたそうです。
左耳は健聴のため左側からの音は聞き取れます。そのためなかなか難聴であるということの理解を得ることが難しかったそうです。
通常の補聴器も効果がないため、左耳のことはあきらめてきたそうです。
今までは付き合いの長い友人が付き添ってくれたりして大学までは何とかやってこれたとのことですが、しかし来年は就職を控えており、不特定多数の人と一人で接することになりそうとのことで、このままで社会人としてやっていけるか心配だったのだそうです。
そこでクロス補聴器のことを知り、藁にも縋る思いで来店してきてくれたのでした。
実際の聴力測定も右耳は計測音を鳴らしても、何かが入ってくる感覚があっても音として認識ができないの難聴でしたので、補聴器ではどうにもならない状態でした。
聴力データに合わせた補聴器を用意しお貸出しさせていただくことにしました。
今回は耳かけ型のPhonak Audio V30-13とPhonak クロスⅡ-13を貸出しました。
耳かけ型のクロス補聴器は非常にコンパクトで、最低限の機能を備えた312タイプと、サイズは多少大きくなるものの、使用時間が長く、ボリューム機能付きの13タイプで選択可能です。
なおご希望があれば耳穴型のクロス補聴器もありますのでお問い合わせください。
基本設定で聴こえない側の音声をどの程度聴かせるかの固定の音量バランスを設定します。
補聴器のオーデオ側には補聴器が拾った音と、クロスから送られてきた音声が混合した状態で流れますので、クロス側の音量バランスを上げると、必然的にクロスの音が上がり、補聴器の拾った音は下がるようにできています。
クロスⅡ-13はボリューム付きモデルになり、クロスⅡ側の音声のバランスを増加させることが手動でできます。
ですから聴こえない側の音声がほしいと思ったらクロスⅡのボリュームをいじることで音量バランスを増やしてあげるということです。
全体のボリューム感を上げるには補聴器側のボリュームを使います。(ボリュームありのモデルのみ)
ある程度コントロールできるほうが若い方は環境順応できていいと思いますので13タイプをお勧めします。
貸し出しの結果と補聴効果
ひとまず聴力に合わせて装着してもらい、装用の効果を試すために店舗の外にでて一緒に街を歩いてみました。
私はSさんの右側にあえて立ち、街の雑踏の中を歩きながら会話を行いました。
Sさんは非常に驚いた顔をし、「これだけ騒がしいのに右側の声が聴こえている!」と歓喜の声を上げていました。
待ちゆく人の雑踏、話し声、車の騒音などで騒がしい街中でも右側から声が聴こえるということは今までは久しく体験していなかったため大きな感動があったようでした。
非常に期待できる結果となりましたので、そのまま大学での生活で使用してもらうことにして一週間の貸し出しを行いました。
一週間後Sさんは非常に満足したご様子で返却にお越しくださいました。
同時に課題点もできたようで。
- 電車の中での言葉はなかなか難しかった
- 右側の後ろのほうから小さな声の人に声をかけられると聴こえづらい、聞き逃しがある
との課題点が出きました。
電車の中での声に関しては騒音のカットがすでに行われている状態でしたので、音量の調節もしくは、補聴器をV70以上のモデルに変更して指向性をさらに強くとれるようにするしかありません。
右側の後ろから声の小さい人に声をかけられることに関しては、残念ながら補聴器では多少の改善はできても、解決できない補聴器が苦手なことです。
たとえ健聴であっても、後ろ側から声をかけられると耳や、体を音の方向に向けないと聞き逃してしまうことがあります。ですから経質にならず素直に聴き直してもいいことです。(どうしても聴こえないのは悪いことと感じてしまいますが聴きなおして聞き取れれば問題ないのです。)
Sさんには指向性のことを考えオーデオV70-13でも試してみたところ、いい印象を持てたようでオーデオV70とクロスⅡ-13のセットで注文することに決めました。
Sさんの大学での様子をお伺いすると、今まで聴こえていなかったことを知っている友人もその効果に非常に驚いていたとのことでした。
普段の何気ない会話もうまくいくようになり非常に満足できているご様子でした。
非常に補聴効果を感じることができる結果となりました
まとめ
クロス補聴器は一側耳性難聴にはとても大きな効果が出ることがSさんの例を見ることができますね。
そのほかのお客様もクロス補聴器を導入したことでとてもいい補聴効果がでた例が多数あります。
もし片耳が聴こえなくて困ってしまっている、生まれつき一側耳性難聴を患っているかたがいらっしゃいましたら、クロス補聴器の装用を試してみるといいかもしれません。
当店ではクロス補聴器はもちろん補聴器の貸し出しを行っております。
お気軽にご来店でのご相談、お電話、メールでお問い合わせください。