こんにちは!秋葉原補聴器リスニングラボのハヤシです。今日は「クロス補聴器」と「通常補聴器」について、それぞれのメリット・デメリットをくわしく比較してご紹介します。片耳難聴でお悩みの方や、ご家族に片耳難聴の方がいらっしゃる方は、ぜひ参考にしてくださいね。

実は最近、片耳が聞こえにくくて耳鼻科に行ったら、片耳難聴で補聴器が必要って言われたんだ😰 でも、どこで購入したらいいのかさっぱりわからなくて困ってるよ…

それは心配ね💦 でも大丈夫! 補聴器の専門店で実際に試聴してから選ぶといいって聞いたことがあるわ。きっと親身になって相談に乗ってくれるはずよ😊

それと、もう一つ悩んでることがあるんだ😭 片耳に普通の補聴器をつけたほうがいいのか、それともクロス補聴器っていうのを使ったほうがいいのか、よくわからなくて💦 後悔したくないし、本当に自分に合った補聴器を選びたい…!

なるほど、選択肢があるのね💡 まずは一緒にそれぞれの特徴やメリットをネットで調べてみましょう!きっとたろうくんにぴったりの方法が見つかるはずよ✨

クロス補聴器と通常補聴器の基本的な違い

みなさんは「クロス補聴器」という言葉を聞いたことがありますか?通常の補聴器とどう違うのか、まずは基本から説明しますね。
クロス補聴器とは
クロス(CROS)補聴器は「Contralateral Routing of Signal」の略で、片耳難聴や左右の聴力差が大きい方のために開発された特殊な補聴器システムです。先天性難聴、突発性難聴、ムンプス難聴(おたふく風邪による難聴)などで片耳の聴力が極端に落ちている方に特におすすめしています。
通常補聴器との最大の違い
通常の補聴器と最も異なる点は「送信機」にあります。クロス補聴器は、聞こえにくい側の音を拾い、電波によって聞こえる側(または軽~中等度難聴程度)の補聴器に送信するシステムを持っています。
適応する聴力の違い
通常の補聴器は難聴耳自体を補聴するのに対し、クロス補聴器は難聴耳で聞くはずの音を良聴耳に届けることで補聴します。つまり、通常の補聴器は一般的な難聴に適している一方、クロス補聴器は片耳難聴に特化しているのです。

クロス補聴器のメリット

クロス補聴器には様々なメリットがあります。特に片耳難聴の方にとって、日常生活の質を大きく向上させる可能性があります。
聞こえの範囲が広がる
クロス補聴器の最大のメリットは、聞こえない側からの音も聞こえるようになることです。クロス補聴器を使用することで360度からの音を感知でき、座る位置や立ち位置など、聞くための工夫が軽減されます。
複数人での会話がスムーズに
複数の人と円卓で話をする場面や、グループでの会話の際に、聞こえない側からの声も聞き取れるようになります。これにより、会話についていけない、振り向かないと相手の声が聞こえないといったストレスが軽減されます。
声かけに気づけるように
日常生活で、聞こえない側から声をかけられても気づかないというお悩みを持つ方は少なくありません。クロス補聴器があれば、聞こえない側からの声かけにも気づくことができるようになります。
難聴耳の問題に関係なく音を伝達
クロス補聴器は、難聴の程度に関係なく、今まで聞こえなかった状況でも健康な聴力の耳側へと音を伝えることができます。これは特に片耳の聴力が極端に悪い場合に大きなメリットとなります。
クロス補聴器のデメリット

もちろん、クロス補聴器にもいくつかのデメリットがあります。選択する前に、これらのデメリットもしっかり理解しておくことが大切です。
音の方向感覚が認識しづらい
クロス補聴器の大きなデメリットの一つが、音の方向感覚が失われることです。たとえば、右耳が聞こえず左耳が聞こえる場合、右側からの音も左耳から入ってくるため、音がどの方向から来たのか判断しづらくなります。
両耳装用の必要性
クロス補聴器は必ず両耳に装置を装用する必要があります。これにより以下のような問題が生じることがあります。
- 見た目の懸念
両耳に補聴器をつけることで、外見上の違和感を感じる方もいらっしゃいます - 装用の手間
毎日両耳に補聴器を装着する手間が増えます - 費用面
両耳分の機器が必要なため、初期投資が大きくなる傾向があります
電池の消費が早い
聞こえない方の音を聞こえる方の補聴器に送り続けるため、常に通信を行っている状態になります。そのため、通常の補聴器よりも電池の消耗が早くなりがちです。
騒がしい場所での聞き取りの難しさ
クロス補聴器は音の情報が片耳に集中してしまうため、騒がしい場所での聞き取りが難しい場合があります。たとえば、聞こえない側から大きな雑音がある場合、その音も聞こえる耳に送られてしまい、聞きたい音や会話がかき消されてしまうことがあるのです。
通常補聴器のメリット
次に、通常の補聴器のメリットについてお話しします。
難聴耳自体を補う
通常の補聴器は難聴耳自体の聴力を補うため、その耳で直接音を聞くことができます。これにより、より自然な音の聞こえ方を実現できる可能性があります。
音の方向感覚が保たれる
両耳に聴力がある場合、通常の補聴器を使用すれば音の方向感覚が保たれます。これは安全面や会話の理解において重要な要素です。
片耳のみの装用も可能
難聴の程度によっては、片耳のみに通常の補聴器を装用するだけで十分な効果が得られる場合もあります。これにより、装用の手間やコストを抑えることができます。
通常補聴器のデメリット
通常の補聴器にも、片耳難聴の方に気を付けていただきたいデメリットがあります。
片耳難聴の場合の限界
高度〜重度の片耳難聴の場合、その耳に通常の補聴器をつけても十分な効果が得られないことがあります。この場合、聞こえの改善が見込めず、装用の意義が薄れてしまうことも。
騒音下での聞き取りの困難さ
雑音が多い場面では、かえって聞こえやすい耳側の聞き取りを妨げてしまうことがあります。
補聴器の機能
補聴器の雑音抑制や指向性機能は、両耳に装用することで本来の効果を発揮しやすくなります。そのため、片耳装用では補聴器の先進的な機能が最大限に活かせない場合があります。
どちらを選ぶべきか?判断基準
クロス補聴器と通常補聴器、どちらを選ぶべきか迷われている方も多いと思います。判断の基準となるポイントをいくつかご紹介します。
聴力の状態による選択
最も重要な判断基準は、難聴耳に通常の補聴器をつけて聞こえの改善が見込めるかどうかです。
- 一般的な補聴器をつけて効果が見込める場合
→通常の補聴器を選択し、両耳聴の実現を目指す - 一般的な補聴器をつけても効果が見込めない場合
→クロス補聴器を検討
生活環境や目的に応じた選択
- グループでの会話や講演会など、多方向からの音を聞く必要がある場面が多い方
→クロス補聴器が有効かもしれません - 静かな環境での一対一の会話が主な方
→通常の補聴器で十分な場合もあります - 音楽鑑賞や自然な音の聞こえを重視される方
→可能であれば両耳聴を実現できる通常の補聴器が良いかもしれません
補聴器選びの実際のプロセス

最適な補聴器を選ぶためのプロセスをご紹介します。
聴力測定の重要性
補聴器選びの第一歩は、正確な聴力測定です。まずは医療機関で、詳細な聴力検査を受けることをおすすめします。この結果をもとに、あなたの聴力状態に合った補聴器の選択肢が見えてきます。
試聴・レンタル
補聴器は高額な買い物になりますので、実際に試してみることが非常に重要です。当店では、クロス補聴器の試聴も可能です。レンタル期間は2週間ありますので、じっくりと効果を確かめることができます。
補聴器店でのフィッティングの重要性
補聴器の効果を最大限に引き出すためには、専門家による適切なフィッティングが欠かせません。特にクロス補聴器は通常の補聴器とはすこし異なるフィッティング方法が必要です。
クロス補聴器と価格について
クロス補聴器の費用面についても触れておきましょう。
クロス補聴器の基本価格
クロス補聴器(送信機)の価格は、おおむね10万円前後です。ただし、これは送信機のみの価格であることに注意が必要です。
受信機も必要
クロス補聴器は送信機だけでは使用できません。聞こえる側の耳につける受信機(補聴器)も必要になります。そのため、両方を購入する必要があり、初期費用は片耳装用時よりも高くなる傾向があります。
メーカーと対応機種
各メーカーによって、クロス補聴器に対応している機種は限られています。当店では、複数のメーカーのクロス補聴器を取り扱っておりますので、お客様のニーズや予算に合わせて最適な選択肢をご提案できます。
よくある質問(FAQ)
Q1: 突発性難聴で片耳の聴力を失った場合、クロス補聴器は効果的ですか?
A: はい、効果的なケースが多いです。ただし、音の方向感については慣れるまで時間がかかるとの声もありますので、その点はご了承ください。
Q2: 片耳の聴力が中程度低下している場合、どちらの補聴器が適していますか?
A: 片耳の聴力が中程度低下し、もう片方の耳が正常であれば、通常の補聴器でも十分効果が期待できます。
Q3: BiCROS(バイクロス)システムとは何ですか?どのような方に適していますか?
A: BiCROSは、片耳が高~重度難聴で、もう片方の耳(良聴耳)も軽度~中等度難聴がある方に適しています。聞こえない耳側の音をクロス送信機で集音し、良聴耳の補聴器にワイヤレスで送信します。良聴耳の難聴も補聴器で補えるため、両側からの音をバランスよく聞き取ることができ、コミュニケーションや日常生活がより快適になります。
Q4: クロス補聴器を使い始めて、すぐに効果を実感できますか?
A: 個人差がありますが、多くの方は声かけに気づけるようになるなど、すぐに効果を実感されます。ただし、音の方向感については慣れるまで時間がかかるという声が多いです。数週間から数ヶ月の順応期間が必要な場合もありますので、使用することをおすすめします。
Q5: 片耳難聴でも通常の補聴器とクロス補聴器、両方試してみるべきですか?
A: はい、可能であればどちらも試してみるといいですね!聴力状態や生活環境によって最適な選択は異なりますので、ぜひ実際の効果を体験してみてください。それぞれのメリット・デメリットを実感していただくことが、満足度の高い補聴器選びにつながります。
クロス補聴器と通常補聴器の適切な選択と活用法
定期的な聴力チェックの重要性
聴力は時間とともに変化することがあります。定期的に聴力をチェックし、必要に応じて補聴器の調整の見直しを行うことをおすすめします。
補聴器のメンテナンス
どちらの補聴器を選んだとしても、定期的なメンテナンスが重要です。特にクロス補聴器は両耳に装置を装用するため、2台分のメンテナンスが必要なことを考慮しておきましょう。
補聴器の機能を最大限に活かす
最近の補聴器には、騒音抑制、指向性マイク、Bluetooth接続など、様々な機能が搭載されています。これらの機能を理解し、活用することで、より快適な聞こえを実現できることがあります。
周囲の理解と協力
どんな良い補聴器でも万能ではありません。家族や職場の方々に、自分の聴力状況と補聴器の特性を理解してもらうことで、よりスムーズなコミュニケーションが可能になります。
まとめ:自分にあった補聴システムを

クロス補聴器と通常補聴器、それぞれにメリットとデメリットがあることをご理解いただけたでしょうか。どちらが「良い」ということではなく、あなたの聴力状態や生活スタイル、優先したい聞こえの側面によって、最適な選択肢は変わってきます。
片耳の聴力が極端に落ちている場合はクロス補聴器、両耳とも聴力があり改善の見込みがある場合は通常の補聴器が向いているケースが多いようです。ただ個人差も大きいので、アドバイスを受け、実際に試してみることをおすすめします。
当店では、お客さま一人ひとりの状況に合わせた最適な補聴器選びをサポートしています。聞こえでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談にいらしてください。実際に体験していただくことで、あなたの「聞こえ」が大きく変わるかもしれません。