補聴器にはさまざまな種類があります。そして、補聴器の機種によって特徴に違いがあるんです。補聴器の種類や機能がたくさんありすぎてどれを選べばよいのか迷ってしまう方は参考にしてみてくださいね。
聴力の状態や使用する場所、ライフスタイルによって聞こえにあう補聴器の種類は変わってきます。補聴器に対するご自身の希望や要望にあう特徴や機能のある補聴器を選びましょう。
補聴器の種類と特徴
補聴器の種類と特徴について詳しくご紹介します。
種類によって装用感や使い勝手も変わるため、事前にチェックしておきましょう。
耳かけ型補聴器
耳かけ型補聴器は耳の後ろにかけて使用するタイプの補聴器です。
マイクとスピーカーがはなれた位置にあるためハウリング(ピーピー音)が起きにくい特徴があり、小型で目立たないRICタイプは高度難聴、大きめサイズで扱いやすいBTEタイプは重度難聴まで対応しています。
Bluetoothやワイヤレス機能でスマホと接続して便利に使える機種が多く、防水性能も高いため汗や湿気での故障のリスクが少ない種類の補聴器です。
一番のデメリットはマスクやメガネと耳の上で重なってしまい、使いづらくなってしまう場合があることですね。
耳あな型補聴器
耳あな型補聴器は耳の型をとってつくるオーダーメイドの補聴器です。
耳のカタチにあわせた形状のためフィット感が高く外れにくいことや、耳本来の集音機能「耳介効果」によって自然な方向感で聞こえる特徴があります。
マスクやメガネと一緒に使っても補聴器と干渉しないため、屋外でも屋内でも紛失の心配なく快適に使える特徴もあります。
耳あな型補聴器のデメリットは、耳のあなに入れる形状のため、耳の状態(耳垂れや耳アカがやわらかい場合)によっては故障のリスクが高くなってしまうことですね。
ポケット型補聴器
ポケット型補聴器は本体とイヤホンが分離された、小型の携帯ラジオのようなカタチの補聴器です。
耳あな型や耳掛け型にくらべて価格が安く、イヤホンをつけるだけのカンタンな操作ですので、どなたでもカンタンにお使いいただけることが特徴ですね。
雑音抑制の機能など聞き取りをサポートする機能は低めになるため、おもに屋内での使用を考えている方にオススメの補聴器です。
補聴器の種類 | ポケット型補聴器 |
---|---|
特徴 | ・本体とイヤホン分離型 ・ハウリングが起きにくい ・価格が安い |
向いている方 | ・安価な補聴器をお求めの方 ・手先が不自由な方や寝たきりの方 |
向いていない方 | ・アクティブに動く方 ・騒がしい環境で使用をお考えの方 |
補聴器と集音器の違いについて
集音器と補聴器は同じような外見やカタチをしていますが、補聴器は「管理医療機器」、集音器は「音響機器」ですので中身はまったくの別モノです。『助聴器』『音声増幅器』とも呼ばれますね。
補聴器は耳の聞こえに合わせて細かな調整ができますが、集音器は基本的に音を大きくすることしかできません。使い方によって人体に影響を及ぼす恐れがあるため、ボリュームの大きさなどに注意を払う必要があります。
補聴器 | 集音器 | |
---|---|---|
種類 | ・管理医療機器(クラスⅡ) | ・音響機器 |
調整 | ・聴力に合わせて正確に調整できる | ・聴力に合わせた細かな調整ができない |
販売方法 | ・販売・管理に都道府県の許可が必要 | ・誰でも販売できる |
補聴器の選び方
補聴器の選び方は「用途」・「聴力の程度」・「予算」の3つをふまえて選びましょう。
静かな場所での使用であれば価格を抑えた補聴器の性能で十分ですし、音が反響する広い会議室やホールではある程度の性能の補聴器が必要になります。
また、難聴の程度にあった補聴器でなければ、せっかく補聴器を購入しても聞きとりの改善がむずかしい場合があります。
補聴器からの聞こえ方には個人差もあるため、補聴器を購入するさいには必ず試聴やレンタルで聞こえ方を確認しておきましょう。
あなたにおすすめの補聴器
補聴器の種類と特徴についての紹介をふまえて、オススメの最新補聴器をご紹介します。
目立たせたくない方におすすめの補聴器
フォナック バートMチタン (Phonak Virto B Titanium)
- スイス
- 耳あな型IIC
- チタン素材
- 電池交換式
- ワイヤレス通信なし
フォナックのバートMチタンは本体の素材に医療用にも使われる高純度のチタンを採用したことで、従来のアクリル製にくらべてシェルの厚さが従来比約50%に薄くなり、強度は15倍になりました。
極限までサイズを小さくし耳の奥まで入るため、外からはほぼ見えない超小型の耳あな型補聴器が実現しました。
自動環境認識のオートセンスOSや、高音域の聴力低下をカバーするサウンドリカバーなど聞きとりを改善する先進の機能が搭載された、最も頑丈で壊れにくく目立たない補聴器です。
性能クラス | バートM90 | バートM70 |
---|---|---|
チャンネル数 | 20ch | 16ch |
片耳価格相場 | 575,000円 | 405,000円 |
特徴 | ・耳あな型補聴器の中でもっとも小さいチタンボディ |
便利さと目立ちにくさを両立したい方におすすめの補聴器
フォナック オーデオMシリーズ
- スイス
- 耳かけ型RIC
- チタン素材
- 充電式・電池交換式
- ワイヤレス通信あり
フォナックのオーデオMシリーズは目立たない小型サイズで、リチウムイオンバッテリーの充電式と電池交換式が選べるRIC型補聴器です。
ワイヤレス機能・Bluetoothを搭載しているため、スマホとの接続やワイヤレス機器の使用可能なため、目立ちにくさと便利さを両立させたい方にオススメです。
先進の自動環境認識機能オートセンスOSやサウンドリカバーなどが聞きとりをサポートし、補聴器がより便利に楽しく使えるようになりました。
性能のクラス | オーデオM90 | オーデオM70 | オーデオM50 | オーデオM30 |
---|---|---|---|---|
チャンネル数 | 20 | 16 | 12 | 8 |
電池交換式 片耳価格相場 | 530,000円 | 380,000円 | 270,000円 | 180,000円 |
充電式 片耳価格相場 (充電器込) | 562,000円 | 412,000円 | 302,000円 | 212,000円 |
特徴 | ・ワイヤレス機器も使える目立たない小型の充電式補聴器 |
充電式の耳あな型を使いたい方におすすめの補聴器
スターキー リビオAI 耳あな型
- アメリカ
- 耳あな型
- ブラックシェル
- 充電式
- ワイヤレス通信あり
スターキーのリビオAI耳あな型はAIとセンサーを搭載した世界初の充電式のオーダーメイド補聴器です。AIによる音質の自動調整や、センサーを使ったタッチするだけの簡単操作、Bluetoothでスマートフォンと接続して、ハンズフリー通話や補聴器の音質の微調整ができたり、運動量を記録して日々の健康管理もできる多機能な補聴器です。
マスクやメガネとも干渉せず、充電式で電池交換も不要ですのでストレスなく補聴器を使いたい方にぜひオススメする耳あな型補聴器ですね。
(写真はブラックですが従来のベージュカラーでも作成できます。)
【メーカー公式サイトを確認する】
【商品詳細ページを確認する】
片耳難聴の方におすすめの補聴器
オーティコン クロス補聴器
- デンマーク
- 耳かけ型RIC
- 電池交換式
- 片耳難聴用
- ワイヤレス通信あり
オーティコンのクロス補聴器は片耳難聴専用のデバイスです。聞こえない耳にクロス補聴器をつけ、聞こえる耳につけた補聴器にワイヤレスで音声を送り再生し、聞こえない側の会話を聞こえる耳で聞くことができます。
対応する補聴器の種類が多く、価格や雑音抑制・指向性など、使いたい場所に必要な性能を持った補聴器を選択できます。
(※オーティコンクロス補聴器は耳かけ型RICタイプのみ)
機種 | オーティコン クロス |
---|---|
価格 | 100,000円(税別) |
特徴 | ・補聴器と併用して片耳難聴の聞き取りをサポート |
対応する補聴器 | ・オープンS1・S2 ・ルビー ・エクシード ・オープンプレイ1 |
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ご高齢の方におすすめの補聴器
ユニトロン ストライドPR
- カナダ
- 耳かけ型BTE
- IP68
- 充電式
- ワイヤレス通信あり
ユニトロン・ストライドPRは扱いやすい大きさの耳かけ型充電式補聴器で、3時間の充電で24時間使用できるバッテリーを搭載し、AIによる人間の音声処理の学習を10年以上に渡って積み上げた音質が聞きとりをサポート。
スマホでの調整やワイヤレス機器を併用してより便利に補聴器をお使いいただけます。
性能のクラス | ストライドPR9 | ストライドPR7 | ストライドPR5 | ストライドPR3 |
---|---|---|---|---|
チャンネル数 | 20 | 16 | 12 | 8 |
片耳価格相場 (充電器込) | 462,000円 | 338,000円 | 238,000円 | 168,000円 |
特徴 | ・自動電源オン・オフ ・扱いやすいサイズ ・IP68防水防じん |
価格を抑えたい方におすすめの補聴器
ベルトーン オリジン2-75D
- アメリカ
- 耳かけ型BTE
- HFP80ナノブロック
- 電池交換式
- ワイヤレス通信なし
ベルトーンのオリジン2-75Dは低価格の補聴器をお求めの方にオススメの補聴器です。
正面の音を聞きやすくする指向性、雑音を抑えるノイズリダクション、逆位相ハウリングマネージャーを搭載した基本的な性能を持った補聴器です。HFPナノブロックで本体内部をプラズマガスでコーティングし、汗や汚れから補聴器を守ります。
雑音抑制の機能は低めですので、おもに屋内での使用を考えている方にオススメですね。
性能のクラス | オリジン2-75D | オリジン3-75D | オリジン1-75 |
---|---|---|---|
チャンネル数 | 4 | 6 | 4 |
指向性 | あり | スピーチスポッター (最大3個の雑音追尾) | なし |
雑音抑制 | ノイズリダクション | ノイズリダクション | なし |
片耳価格相場 | 79,000円 | 99,000円 | 59,000円 |
特徴 | ・価格が安く屋内での使用に最適 |
補聴器の購入先
補聴器はメガネ店や百貨店などざまざまなお店で購入できますが、補聴器販売の経験や知識が豊富な補聴器専門店で購入することがオススメです。
補聴器は購入してすぐに聞こえるようになることは難しく、何度も調整をおこなって聞きとりを改善していく必要があります。
そのためアフターケアをしっかりと任せられる補聴器専門店で試聴やレンタルして購入を検討しましょう。
お店まで行くのが難しい場合は、出張・訪問サービスを利用するものオススメです。
まとめ
補聴器の種類と特徴についてご紹介しました。
補聴器は種類がたくさんあり、機種ごとの特徴がよくわかりづらいですね。
今回ご紹介した機種ごとの特徴をしっかり把握することで、補聴器を購入する際に失敗がなくなり、より自分にあった補聴器が探しやすくなりますのでご参考ください。