一般人のほとんどが知らない補聴器と集音器の違いと、基本的な特徴に関してしっかり解説。そして自分の希望あった適正な商品の選び方をご紹介します。
最近家族との会話がうまくいかないことが増えて、テレビショッピングや、新聞広告で補聴器や、集音器を知り購入を考えたことありませんか?商品の説明をみても専門的だし種類がたくさんあって違いがわからないことが多いですよね。
補聴器と集音器の違いを知ればおのずと自分に合ったものが探しやすくなります。では詳しい解説を行ってまいります!
補聴器と集音器の違いの根本的な違いって何?
根本的な違いをズバリ言うと
集音器は健聴者用
補聴器は難聴者用
と捉えていただくといいかと思います。
『補聴器』という名称で販売されている製品は、補聴器メーカーが厚生労働省に申請し、厚生労働省から正式に医療機器として認定されているものだけです。薬事法で定められた管理医療機器クラスⅡに指定されているため、効果や安全性などについて一定の基準をクリアしている製品です。
要は厳しい管理の元販売されているもので耳の聞こえが悪くなった難聴の方の聞こえの補助を行うのが目的で利用されるものです。
一方、『集音器』は医療機器ではないため、製造や販売する上での制約はありません。難聴の人を前提としたさまざまな機能は搭載されていません。どちらかというと、一般的には正常な聴力の人向けにつくられているものがほとんどのようです。
こういった違いは知らなかった人がほとんどだと思います。
600人男女への向けてとったアンケートでは
補聴器と集音器の違いを知っていますか(600人に向けたアンケート)
違いを知っている 全体の17%
男性 57名 女性49名
違いを知らない 全体の83%
男性 243名 女性 251名
一般社団法人 日本補聴器工業会より
と知っている人の割合は全体の17%程度の認知度だったそうです。非常に少ないですね。
私は難聴なの?難聴の特徴について
今までの説明を見ると自分が難聴なのかどうか気になりませんか?
難聴と言われると音が全く聴こえないことを想像する方も多いと思います。
しかし難聴とは、音や言葉が聴こえにくくなった状態を難聴といいます。
軽い状態の難聴を軽度難聴といい、聴力が正常な人より30dBくらい悪い状態になると軽度難聴です。
簡単に言えば聴こえ始める音の大きさが変わり、小さな音や遠くの音が聴こえなくなるということです。
その軽度難聴の特徴は以下のような状態です
- 聞き間違えが増えてきた(佐藤さんを加藤さんと聞き間違える)
- 少し離れたところから声を掛けられて気が付かなかったことがある
- 騒がしい場所だと声が聞き取れないことが増える
- 後ろから声を掛けられると気が付かないことがある。
- 1対1の会話は大丈夫だが、複数人での会話がうまくいかないことがある
などが代表的な症状です。
難聴の程度が進むと、さらに会話がうまくできなくなったり、音に気が付かないことが増えます。
気になることがあれば耳鼻科で診断を受けるか、補聴器店で聴力測定してもらいましょう。
補聴器と集音器の特徴について
補聴器と集音器それぞれ特徴があります。簡単にメリットやデメリットでまとめてみましたのでごらんください
メリット
補聴器
音量だけでなく音質も変更できるため小さな音も聴こえやすく、うるさくない音にできる
個人の聴力を元に音を設定できるので、聴力の変化があっても対応できる
雑音と音声を判別ができてそれぞれコントロールできるので聞きやすい
目の前の人の声が優先的に聴こえやすくなる指向性が効くものが多い
オーダーメイドのものはアフターケアがしっかりしている
総合支援法などの国からの補助が受けられる(障害認定が必要)
集音器
自分で音量を変更できる
ネットや新聞広告での通販や、家電量販店などで購入でき入手しやすい
補聴器と比較して安い
イヤホンの延長のように使用できるため気軽
電池のコストがあまりかからない
デメリット
補聴器
価格が高くなってしまう(オーダーメイドの場合)
通販があまりない、補聴器販売店での購入が基本になる(身近な店舗がない場合があるのが不便)
電池のコストがそこそこかかる(箱型補聴器を除く)
聴力を測らなくてはいけないので購入までいくつかの手順を踏む必要がある(オーダーメイドの場合)集音器
個人に合わせて音質の調節ができない
環境音や雑音も一緒に増幅してしまう
音量を大きくしすぎてしまい耳を傷めてしまうリスクがある
難聴にはあまり対応していない
障害総合支援法などの購入補助が使えない
以上のことを踏まえて
補聴器は難聴者向き、屋内だけでなく屋外や騒がしい場所での会話を聞かなくてはいけない人に向いているということがわかりますね。
補聴器は雑音と音声を区別できるので騒がしい中でも聞きやすいです。
ほとんどが補聴器販売店で購入することもあり、保障やアフターケアがしっかりしているため、聴力低下がすすんでも聴こえに合わせて聴こえやすい音に調節できます。
集音器は健聴者向けであり、静かな環境での聞き取りの補助を行うのが得意なので授業や、講習会で使用することが多いです。
難聴者が利用する場合は、静かな病院での入院生活、自宅での聞こえの補助程度には使えますが、基本的に雑音が多い中では使いにくいことがほとんどです。
その代わりに購入場所が限定されておらず、価格も比較的安いので入手しやすいのがいいところですね。
違いが分かったらあとは試すのが一番!
補聴器と集音器の違いはお分かりいただけましたでしょうか。
わからないことを調べてここまで読み進んでいただいたあなたには、最後に体験するという課題が残っています。
集音器も補聴器も自分に見合った音の感じや、使用環境に対してどうかなど本当に知りたいことはまた別にあります。
試聴して体験して初めてわかることがたくさんあります。
勇気を出してさらに一歩踏み込んで本当に悩んでいることを解決しましょう!
補聴器のレンタル、聴力の測定は当店でも行っております。
わたしたち専門家と一緒にきこえの悩みを解決しましょう!