補聴器を使っているが、うるさくて常につけて聞いていられない。
静かなところではうまく使えるけど、騒がしい中ではうまく聞き取れない。
もともとある程度聴こえているのに、補聴器を付けることで逆に聴こえない状況になってしまう。
このようなことはありませんか?こんなことがあれば補聴器の使い方が間違っているかもしれません。
なくてはならないはずなのに、我慢しなければ使えないだなんてもったいないですよ。
リスニングラボでは補聴器のセカンドオピニオンと称して他店購入している方の調整を行っていますが、結構間違った機種選択をしたり、使い方をしていてもったいないことになっている方が多いんですね。
今回は過去のお客様の例を紹介させていただきます。
購入した補聴器を結局あまり使っていない。
最近補聴器を購入したのだが、思っている以上に音がうるさくてわずわらしさを感じている。
食事に行けば食器の音がかちゃかちゃうるさいし、車が通った時にはゴーと大きな音がなる。そのくせ言葉がうまく聞こえないときた。
静かなところでは話し声が大きすぎるくらいなのに、少し騒がしいところではまわりの音が邪魔して全く聞こえない。
販売店では「慣れるまで時間がかかるのでそのうち聴こえやすくなりますよ」とか「今の機種ではそれが限界ですよ。もっと高いものなら」なんて言ってまるで納得できる対応をしてくれない。
補聴器に希望をもって購入したのに無くてもあまりかわらないし、実はほとんど使っていない。
ただでさえ高価な補聴器を購入したのに、こんなことがあるともったいないですよね。
もしかすると補聴器のことしっかり説明されていなかったり、本当は聴こえるはずなのに間違った設定になっているのかもしれません。
うまくいかないことがつづくと、補聴器を購入したお店のことを疑ってしまいますね。
そんな時には素直に他の店舗で少しでも話を伺ってみるのがいいでしょう。
お店によっては再調整や、いろいろな測定をしてくれるところもあります。
リスニングラボでも、サービスとして補聴器のセカンドオピニオンを行っていますよ。
補聴器のセカンドオピニオンってなに?
補聴器のセカンドオピニオンでは、他店購入の補聴器をお持ちいただき、弊社にて補聴器を正しく使えているか、聴こえづらさの解消などを行います。
基本的なサービス内容としては
- カウンセリング・悩み相談
- 聴力測定・語音明瞭度測定
- 効果測定
- 再調整
- 言葉のリハビリ教室
となります。なお有料サービスとなり、
初回は¥10,000- 二回目以降は¥5,000-となります。
詳しくはセカンドオピニオンについてをご覧ください。
セカンドオピニオンについて
ここからは過去お客様の例を紹介させていただきます。
聴力にあっていない補聴器の使い方をして聴こえていなかった方
会社管理職のTさん 50代
難聴の程度は右耳が38.75dB 左が50dBの老人性難聴による中等度難聴
要望としては眼鏡店で購入した補聴器が、音が割れて会話が聴きづらく、キンキンしていて補聴器を付けるのも限定的な時間で使っているため仕事中はしっかりつかえるようにしたいとのことでした。
機種の遍歴は、WIDEXのRIC型→SIEMENSのRIC型 Pure micon3(現在の補聴器)
お話を伺う限りでは、最初に使っていたワイデックスから耳型に合わせたレシーバーを使っているということで、シーメンスを購入する際にも、同じ形にしたいので、RIC型で耳穴に合わせたレシーバーが欲しいという話をしたところ、かなり音量が大きく感じ、キンキンした音の状態になってしまったとのこと。
以前購入している補聴器と比べても使いづらいということで、セカンドオピニオンを選択したとのことでした。
対応していく聞こえの問題があるのは2つのことが重なってしまっていたためでした。
原因の一つは聴力に合わないレシーバー選びをしていた。
実際機種を見るとHPレシーバー(SPレシーバー)がついており、中等度ではあまり選択しないハイパワーレシーバーを利用していました。
おそらく購入店での会話で「耳型に合わせたレシーバーが欲しい」と話していたことが原因のようでした。
本来中等度難聴では耳に合わせたレシーバーは使わなくても十分なのですが、聞こえ逃しをなくしたいとワイデックスを購入したときに相談したところ、クリックモールドと呼ばれる特注耳栓にしてもらったことがあったことを思い出して説明したところ、今回購入したお店の知識が足りなかったのか、HPレシーバーと呼ばれる特注のハイパワーレシーバーを渡されてしまったようなのです。
これでは難聴に対して出力が大きすぎて音が割れて聴こえづらかったり、音が響きすぎてしまいます。
残念ながら大は小を兼ねないので交換せざる負えません。
まずはレシーバーを適正な出力するためにMレシーバーに変更する必要がありましたので、新たに注文をしていただくのと、それまでの間で今あるHPレシーバーを適正な音量にして使用していただくことにしました。
もう一つの原因は言葉の聞き取りを測定していなかった。
このTさんの場合は言葉の聞き取りの検査が重要なカギになりました。
言葉の聞き取りの検査をしたところ90dBという音量で音が割れてきこえてしまうとのことでした。
これはリクルートメント現象言って、老人性難聴のような、音を感じる部分が悪くなる感音性難聴ではよくおこることなのですが、これは言葉の聞き取りの検査をしていないと気が付きづらいことなんですね。
購入したお店ではやったことがなかったようで、気が付かなかったようです。
レシーバーの音量が大きい上にリクルートメント現象で音割れがよりひどく感じていたようでした。
セカンドオピニオンの結果
セカンドオピニオン初日
セカンドオピニオンでは、現在の補聴器の使用状態や、測定の結果を含めて、再調整を行います。
まずレシーバーはそのままですが、検査の結果を反映させた調整を行いました。
- リクルートメントが起こらない音量を目指した設定
- 高域側の音に敏感な様子だったので、音を柔らかくするように設定するのと、刺激音を緩和するように音質の調整をしました。
音量がかなり下がったので、最初は聴こえるか不安そうでしたが、会話していくうちにこちらのほうが圧倒的に聞きやすいと気が付いたようで満足しているご様子でした。
まだ低い音がびりびりする感じがあるとのことでしたが、出力の関係上これ以上は削れなかったのでレシーバー交換まで待っていただくことになりました。
セカンドオピニオン2日目 初回から1週間後
前交換できなかったレシーバーを交換して再調整。
音が誇張している感じがなくなったということと、キンキンしたり、低い音のびりびりがなくなって聞きやすくなったという評価になりました。
ただ、耳に合わせた耳栓ではなく、シリコンのものに交換したので、少し心配ですね。ということもお話ももらいました。
前までかなり大きな音量に慣れていたこともあったので、今回は聴こえづらそうな時には音量を上げられるように少し音が大きくなるプログラムを作って使用していただくことにしました。
セカンドオピニオン3日目 初回から3週間
レシーバーを変えてから、会議だけと割り切って使っていた補聴器も普段から使えるようになったとのことでしたが、日々積極的に使用していく上では、やはり既製品の耳栓では不安という要望をもらったので、新たにクリックモールドを製作することになりました。
音質面では低い音が聞き取りにくいと気が多く、高い音はもう少し柔らかいほうが使用しやすそうだという相談をいただいたので、低い音は音がはっきりとするように、高い音はさらに音が柔らかくなるように設定して様子を見ることにしました。
セカンドオピニオン4日目 初回から1か月
クリックモールドが到着したので、再調整
これまでの結果から目標になるのは、
- リクルートメントが起こらない出力内での設定
- 低い音ははっきりとさせて、逆に高い音は誇張せずやわらかいほうがいいする。騒がしい場所では比較的には少し低音が強めが聴きやすい
- 音量は三種類ほど用意したほうがいい
ということでTさんとも意見が合致したので、基本の音は低い音がはっきりしていて、高い音は柔らかめ。
2プログラムを追加して音量の変化をつけるが、1000Hz当たりから下を重点的に音量が上がるように設定するようになりました。
現在2週間ほど試していただいてますが、装着感も問題なく、音もかなり聞きやすくなったご様子でした。
本人の意向もはっきりしていたこともあって意見をうまく汲めたので調整は早めに安定しました。
レシーバーの選択を最初に間違ってしまっただけでしたので、少し費用がかさんでしまったものの、すぐに使いやすい方向にもっていくことができました。
聴力に合わない補聴器を購入していたパターン
会社員のSさん 40代
難聴の程度 低い音は正常聴力で、高い音は70~90dBという高音急追型の老人性難聴でした
補聴器 フォナック バートQ50-CIC 両耳
お医者様に掛かり難聴であることが判明。補聴器外来を受けようとするも、3か月待ちとのことで、あきらめて近所の補聴器専門店で補聴器を購入しました。しかしどのように機種選びや購入すればいいかわからず販売員の方にまかせていたら、試聴などもなく耳穴型補聴器を奨められ購入したとのことでした。
結果、もともと聴こえる低い音が聞こえず逆に補聴器をしていないほうが生活しやすい状態になってしまっているとのことでした。
仕事中で聴きづらいシーンがあるときには補聴器を左右逆にさして隙間が大きく開いている状態で使用しているそうです。すごい運用の仕方ですね。
残こっている聴力を生かせない補聴器選びをしていた。
この方は高い音が聞こえないだけで、低い音は正常な聴力です。これで耳穴型の補聴器をしても耳栓をしているような状態になってしましま。
装着後のギャップが大きくてうまく聴こえないのは当然の考えられることなんですね。
補聴器は30dB以下の聴力で使用しても効果が出ないことはほとんどなので、残存聴力がある場合はそれを生かすように機種選択します。
補聴器自体には溝ベントと言って穴を大きく開ける処置がなされていましたが、ほとんど効果がないということでした。
購入店に問い合わせても「慣れたら大丈夫だよ」「あなたの聴力にはこれが一番合っているから」の一点張りで、しっかり話を聞いてくれないし対応してくれないということで今回セカンドオピニオンで意見を聞きたかったとのことでした。
この方の場合は、元ある聴力を生かしたかったのでほぼ不正解の機種選びをしていますね。
セカンドオピニオンの結果
セカンドオピニオン初日
要望は元ある聴力をしっかり生かしてはっきり聞かせる補聴器すること。
それが目標となります。
調整点
- 低い音が聴こえづらいのに、低い音が出ないようにしているのを直す
- 耳をふさいでしまっている分を聞かせる調整が必要
- 補聴器自体の使用時間が短いため刺激の少ない音量に設定する
低い音が出ない設定になっていたのは、初めての補聴器で自分の声が響くのを抑えてくれと相談していたことから販売店が行った対策だったのですがこれがさらに聞こえない理由になっていました。
自分の声が響くのは慣れると収まることを説明して、低い音をまず出せるようにしていきます。
そこから、耳をふさいでしまってきこえない分の音を補聴器から出るように追加してあげます。
通常はこのような対応はしません。人によっては耳に負担がかかることがあるからなのですが、幸いSさんは聴力が正常の部分が多いので、補聴器の出力を上げずにイヤホンのような状態で使用が可能でした。
補聴器から耳栓をして失われてしまう音量を考慮して音を出してあげました。
補聴器自体は正しく装着した状態で使ったことがほぼない状態だったので、音になれることも考え音量は80%程度で設定でお渡しです。
随分と聴こえやすくなったものの自分の声が響きやすいという状態でした。
ひとまず一週間様子を見ることになりました。
セカンドオピニオン2日目(初日から1週間経過)
生活環境で使用したところ、十分聞きやすくなったものの、やはり聞き逃しにならないよう、意識的に外してしまうシーンが多いということが問題点になりました。
あとは慣れてきたところで音量感が足りない感じがするということでした。
今回は音量を上げ、必要な分の音量にしてあげて、騒がしさや、うるささがないことを確認すると、キンキンした感じがあるとのことだったので、音を和らげられるように処置しました、
今回はセカンドオピニオンに並行してオープン耳かけ型の補聴器を試してもらうことにしました。
どうしても耳穴では要望に対しての限界があるため、参考までにオープン耳かけ型補聴器を貸出することにいたしました。
購入時に試聴などもさせてもらえていなかったそうなので、明らかにオープン型耳かけのほうが聴きやすく、自分の要望に近いという感想をいただき、2週間ほど試していただくことになりました。
セカンドオピニオン3日目(初日から3週間経過)
耳あなと耳かけをとっかえひっかえ試してみた結果、オープン耳かけを利用するのが自分にとってもっとも使いやすかったとのことでした。
2週間の間でオープン耳かけ補聴器を購入することで決心が付いたとのことで、比較的によく使っていただく右耳のみ補聴器を購入いただくことにしました。資金面が安定したら両耳そろえ、耳穴型補聴器はやむおえないが、サブで使うということで納得したご様子でした。
今回の購入品はフォナックのRIC型補聴器のオーデオV30でした。
今回は購入して1年以内での買い替えになってしまって、最初のチョイスミスがすごく痛い出費になってしまい非常にがっくりしているご様子でした。
まとめ
セカンドオピニオンの担当をしていく中でこのようなチョイスミスや、調整自体のミスで補聴器自体が使いづらくなってしまったり、タンスの肥しになってしまったりしている方が非常に多いと感じます。
同時に補聴器自体の正しい使い方や、体への上手ななじませ方を教わっていない、アフターケアがうまくいっていないなどで、うまく扱えていないという方も多いのが現状です。
当店での再調整や各種測定を含むセカンドオピニオンサービスは有料サービスです。
しかし当店に通う回数も少ないうちに効果がでたり、原因が解決してあまり使わない補聴器を使えるようにできています。
他のお店で意見をうかがうことは、有料でも試してみる価値はありますよ。
今使っている補聴器に何かあっていないような違和感や、使いづらさを感じるときにはセカンドオピニオンで販売店以外に相談してみるのをお勧めします。
それが正しい使い方なのか、間違っているのかわかるだけでも購入店に話をしやすくなりますからね。
補聴器のセカンドオピニオンならリスニングラボにお任せください。
じっくりあなたの話と要望を聞いてあなたにとって補聴器がなくてはならないものにするお手伝いをさせていただきます。
お悩みの方はお気軽にご連絡ください。