補聴器を買い替えするときに補助金を使えることはご存知ですか?
補聴器の買い替えは大きい出費で懐にも負担が大きいですね。少しでも自己負担が軽くなる補聴器の補助金の申請方法をお教えしますので、買い換え前の参考にしてください。
補聴器は聴力の変化があったり寿命がきてしまうと、買い替えを余儀なくされます。
あなたに合わせて作る補聴器は高額で経済的な負担が大きいため、いくら生活に必要なものとはいえ、買い替えをするか悩んでしまいますよね。
しかし補聴器には補助金を申請することで、あなたが負担する額を少なくすることができるんです。さらには補助金制度に対応した補聴器というのもあり、ごく少ない負担で補聴器を購入することもできます。
今回は補聴器の専門家が補助金の申請方法や補助金対応できる補聴器、さらには信頼できる相談先までご紹介していきますね。
ここからはそもそも補聴器を買い替えすべきタイミングはいつなのかをお教えしましょう。
補聴器を買い替えるタイミング
正直なことをいえば補聴器は明確な買い替えタイミングがない機器です。
故障しても修理して完全に使えなくなるまで利用していいものなんですね。
しかし補聴器の販売店では一般的には5年ほどで買い替えしてくださいとお伝えすることがあります。
これには買い替えのきっかけになる理由があるのです。
買い替えするきっかけになる理由
買い替えのきっかけになる理由で代表的なものを紹介していきましょう。
故障による修理ができないことで買い替えをするケース
補聴器メーカーで生産が終了してしまい、修理を受けることができなくなってしまうとどうしようもありません。
とくに型落ちの補聴器を安く手に入れたときに起こりやすいことですね。
聴力の変動によって機種を変更が必要なケース
補聴器には対応できる聴力というのが決まっているので、対応しない聴力になってしまうといくら調整をしても聞こえの改善をするのが難しくなってしまいます。
修理費用が大きくかさんでしまった時
メーカーの修理サポートで修理費用が少なくなる期間が、ほとんどのメーカーで4~5年間ということは知っていますか?
購入して5~6年以降は修理の技術料と壊れたパーツの分だけ料金が取られますので、買い替えしたほうがオトクということも。
補聴器の性能も上がって聞こえがよくなるので買い替えを推奨されるときがあります。
いずれにせよ、いつかは買い替えをしなくてはいけません。
その時には補聴器の性能は大きく上がったものになるのですが、経済的な負担は避けられませんね。
次では、少しでも負担が軽くなる補聴器の補助金を使って買い替えする方法をお教えします。
ここからは補聴器の補助金の制度について紹介してきますね。
補聴器の補助金の制度について
補聴器の購入をするときに一定の条件が満たされれば、補助金を受けることができます。
いくつかの補助金制度がありますので、ご紹介していきますね。
今の補聴器を購入するときには条件に該当しなかった人でも、今の聴力では申請できる可能性があるので、理解を深められたらうれしいです。
補聴器の買い替えをするときに該当するであろう補助金の制度は2つあります。
補聴器の補助金の制度は2つある
補聴器の補助金で買い替えの際に利用できそうなのは、障害者総合支援法と、自治体での補聴器購入助成が対応する制度ですね。
まずは障害者総合支援法での補助金に関してです。
障害者総合支援法は、平成25年4月1日に従来の身体障害者福祉法を包括する法律として新しくできました。
障害者手帳の交付を受けた後に、補聴器購入の申請をすることで補助金受けられることができます。
ただし申請ができる対象者は定められているので、難聴者が誰でも申請できるというわけではないですね。
もう一つはお住まいの自治体独自で行われている補聴器の購入補助金の制度を利用することですね。
これは障害者総合支援法を受けられない人が受けることのできるもので、自治体によって制度の有無がわかれ、補助金を受けられる対象者や補助金額に関しては、自治体によって違いがあります。
例としては、東京都千代田区の年齢制限のない補聴器購入助成や、葛飾区の高齢者の補聴器購入補助金などですね。
お住まいの自治体に問い合わせて受けることのできる補助金を確認してみる必要があります。
ここからは全国で実施されている障害者総合支援法の申請方法を詳しく説明していきますね。
障害者総合支援法で補助金を申請する方法
難聴者が受けられる補助金の制度として、全国でうけられる障害者総合支援法の補助は、障害者手帳の発行が必要です。
ここでは対象になる人や、申請方法など詳しことを説明していきますね。
まずは対象になる人に関しての説明です。
障害者総合支援法で補助金の対象となる人について
まずあなたが対象になるかというのは、聴力によって決まります。
耳鼻科で検査をしてもらって下の表にある等級に該当すれば手帳の申請が可能です。
等級 | 条件 | |
---|---|---|
2級 | 両耳の聴力レベルが それぞれ100dB以上のもの |
|
3級 | 両耳の聴力レベルが それぞれ90dB以上のもの |
|
4級 | (1)両耳の聴力レベルが それぞれ80dB以上のもの |
(2)両耳による普通話声の 最良の語音明瞭度が50%以下のもの |
6級 | (1)両耳の聴力レベルが それぞれ70dB以上のもの |
(2)一側耳の聴力レベルが90dB以上、他側耳の聴力レベルが50dB以上のもの |
※4級・6級は条件のどちらかかに該当すればよい
※※重複する等級の他障害があればひとつうえの等級とする
等級によって補聴器の補助金の金額も変わるようになっています。
また障害者手帳の交付を受けると、税金の納める額が優遇や公共交通機関の割引、障害者年金の申請ができるようになるなど国からの支援も受けられますが、等級によって待遇が違いますね。
それでは補助金の申請までの流れを紹介しますね。
補助金を申請するまでの手順
補助金が出るまでに、障害者手帳の申請と2つの申請が必要です。
障害者手帳の申請
お住まいの自治体の役所に行き障害者福祉課(福祉課、支援課など)で手帳申請の相談をする。この際に申請書類と医師の意見書をもらう。
自治体で指定されている医師のいる医療機関または保健センターで診療をうけて意見書を記入してもらう。
申請書類・意見書・マイナンバーカードをもって自治体の障害者福祉課に提出して審査を受ける。
審査期間を経て、障害者手帳が交付され受け取ることができます。
これで障害者手帳の申請が終了です。
障害者手帳の申請のあとに補聴器の補助金の申請をします。
補聴器の交付・補助金の申請方法
障害者手帳の交付後に、役所で補聴器の購入申請の相談をする。この際に申請書と医師が書く意見書を配布される。
指定されている医師のいる医療機関または障害者更生センターなど診療を受け、補聴器の補助器についての意見書の記入をしてもらう。
補聴器販売店に意見書をもって相談しにいき補聴器の相談をして補聴器の見積もりをもらう。
補聴器の見積書と医師の書いた意見書、補助金の申請用紙そして障害者手帳をもって役所にいき申請をする。
審査を待ち、通知書または助成券が届き次第見積もりを書いた補聴器販売店にいき、補聴器と引き換えます。
このような手順で補聴器の補助金を申請してくださいね。
では補助金の金額はどのくらいになるのかを説明していきますね。
補助される金額について
買い替えのときに気になる補助される金額は基準額が定められていて、医師の書いた意見書であなたの利用するべき補聴器を決定されて、補助金の基準額に当てはめます。
そして自治体で基準額をもとに、あなたの所得から全額公費で払ってもらえるのか、基準額の1割を自己負担するのかを決定して実際の補助金額が決められるんです。
基準額はこのようになっています。
補聴器の種類 | 補助金の基準金額 |
---|---|
高度難聴用ポケット型補聴器 | 34,200円 |
高度難聴用耳かけ型補聴器 | 43,900円 |
重度難聴用ポケット型補聴器 | 55,800円 |
重度難聴用耳かけ型補聴器 | 67,300円 |
耳あな型補聴器(レディメイド) | 87,000円 |
耳あな型補聴器(オーダーメイド) | 137,000円 |
骨導式ポケット型補聴器 | 70,100円 |
骨導式耳かけ型 | 120,000円 |
実際に補助金は手渡されるわけではなく、助成券として配布されて購入する販売店で総合支援法に対応した補聴器を引きかえにしたり、補助金分を引いた価格で補聴器を購入できるようになっているんですよ。
そして何より大きいのは障害者総合支援法では、補聴器を購入して5年たてば再度補助金を受け取れることです。
買い替えの費用がグンと抑えられるので難聴者にとってありがたい制度ですね。
それではここからは障害者支援法で交付できる補聴器について紹介していきますね。
障害者支援法で交付を受けられる補聴器
障害者支援法で指定されている補聴器は購入金額の負担なしまたは、補助金のうちの1割負担のみで購入できるようになっているんです。
大抵の補聴器メーカーで対応の補聴器は用意されていますので、機種は数種類から選ぶことができます。
ただし購入費用を抑えられる代わりに、普通の補聴器とは少し異なった点があるので注意するべきことを説明していきますね。
総合支援法に対応する補聴器の違い
総合支援法に対応した補聴器は、いわゆる型落ちの機種が使われています。
最新の機種と比較して機能が限定されていたり、本体の性能は落ちますが、聞こえを補助するのにはしっかり機能するものが選ばれています。
ただしメーカーによっては、1世代前の高性能な機種を対応機種にしているところもあれば、何世代も前の化石のような機種を使っているところもあるので、買い替えのときには注意して選ぶ必要がありますね。
また総合支援法対応の補聴器はメーカーの無償修理の保証期間が短く設定されています。
これは総合支援法で補助を受けた補聴器は、修理の時に修理の補助金を申請をすれば自己負担を減らす制度もあるからなんです。
ここからは補聴器を医療費控除で申請する方法をご紹介します。
補聴器購入に医療費控除を利用する
もしもあなたの聴力が障害者支援法での補助金が受け取れない聴力だった場合は、医療費控除の申請を申し出るのがいいかもしれません。
平成30年度から、補聴器の購入で医療費控除を受けられることが厚生労働省と財務省で決定され、補聴器の購入の前に決められた手順を行えば、補聴器の購入費を医療費控除を利用ができます。
その手順について説明しますね。
医療費控除は補聴器相談医に相談する必要がある
補聴器の購入前に補聴器相談医に相談して、補聴器適合に関する診療情報提供書を記入してもらい、補聴器販売店で補聴器のお試しをして補聴器を購入します。
あとはその年度の確定申告で医療費控除の申請をすると、医療費控除を受けられます。
このときに税務署から、補聴器の領収書と補聴器適合に関する診療情報提供書のコピーの提出をお願いされることがあるので、覚えておきましょう。
補助金を受けられないかたも税金面で少し負担が減るので医療費控除もおすすめできますね。
さて補聴器の買い替えや補助金のことでわからないときにお相談できる場所があればいいですよね。
ここからは買い替えで困った時の相談先について紹介します。
補聴器の買い替えや補助金について補聴器専門店で相談しよう
補聴器を買い替えや補助金の申請についての相談は、補聴器を専門的に取り扱っている補聴器専門店で相談するのがオススメです。
認定補聴器技能者という補聴器の専門家が相談を受けてくれるので、補助金を含めた予算や聴力から見た最適な補聴器の提案もしてくれます。
また耳鼻科の先生との連携がとれているお店がほとんどですから、はじめて手帳や補助金の申請をするときも安心して相談できますね。
買い替えで補聴器を買うならレンタルしよう
買い替え時に悩ましいのが、前の補聴器より聞こえにくいということがあることです。
購入した後、違う補聴器にすればよかったと後悔しないようにレンタルのサービスがあるお店で相談するのがいいでしょう。
総合支援法の補聴器がナットクがいく性能なのか、最新の補聴器はどうかなど気になることを調べるチャンスです。
レンタルのサービスを有効に活用してナットクのいく補聴器に買い替えしましょう!
まとめ
補聴器の買い替えに補助金が使えるのか紹介きましたがお役にたてましたか。
補聴器の買い替えのタイミングは人それぞれきっかけがあります。
補助金の申請方法や条件を知っていると、補聴器買い替えの際に聴力を測ることだけしていればあなた自身で対象なのか判断できますね。
買い替えでの負担が減ると補聴器の新調もためらわずにすみますし、聞こえのさらなる改善を目指してすこしランクアップした補聴器を購入することも検討できるでしょう。
よりよい聞こえでスムーズな会話ができるようになるといいですね。
補聴器の買い替えや補助金に関する質問や相談があればお気軽にお問い合わせくださいね。