片耳の難聴って大変ですよね。生まれつきの方もいるでしょうし、小さいころの病気(はしか、おたふく風邪など)が原因で難聴になってしまったという人もいるでしょう。片耳難聴の場合、難聴側の耳に補聴器を使用してもほぼ効果がないとお医者様に診断されることも少なくありません。しかしフォナック(Phonak)のクロス補聴器(CROS補聴器)であれば改善できるかもしれません。
片耳が健聴であることがゆえにコミュニケーションをとるのが困難になるシーンがあるのに理解がうまく得られなかったり、自分でも片耳が聞こえるからもういいかと放置してしまった方も多いかと思います。
それが精神的なストレスになってしまっていたことでしょう。それを改善する手立てが確立されてきたのです。
現に当店のお客様には聞き取りの改善ができたということを実感できている方が非常に多いのです。
就職前、進学前の学生さんから、ばりばり働いている方も、これまでにない聴こえの体験ができ納得して購入しています。
そんなフォナッククロス補聴器についてご説明いたします。
片耳難聴はなぜ起こるか、補聴器の効果は?
まず片耳の難聴はなぜ起こるのか。それを解説します。
生まれつきか、小児の時の疾患が多いようですが、ほかにもさまざま原因があります。
- ムンプス難聴
- 低音障害型感音難聴(メニエール病)
- 先天性難聴
- 突発性難聴
- 急性難聴
- 音響外傷
上記難聴の原因についてはこちらから→難聴の原因
内耳や、蝸牛といった部位に異常が出てしまうことで、片耳難聴の場合補聴器を使用しても、効果が出ないもしくは十分な効果が得られず使用しづらい聴力になってしまうことが多く非常に難しいのが片耳難聴の特徴です。
そして片耳がしっかり聴こえるので片耳は聴こえなくても問題ないだろうと、思ってしまうのも片耳難聴の特徴です。
実際はかなりのストレスになっていることがあるのです。
片耳難聴で困ることの代表例
片耳が聴こえないことでこんな症状に悩まされていませんか?
- 難聴側から声を掛けられると聴こえづらい
- 騒がしい場所での聞き取りが難しい
- 複数人で話していると会話がわかりづらくなる
これが一般に困っている例ですね。
このほかにもオフィスでの会話、会議や、大学での講義など話者が少し離れたところにいる会話なども少し困った状態になることもあるようです。
なぜこのような問題が起こるか
片耳が聴こえないと当然のことながら、1の難聴側から声を掛けられると聴こえづらいというのは想像がつきやすいのですが、2.3で困ってしまう理由がよくわからないと思います。簡単に説明しますね
人の耳は両耳で音の聞き取りを補完しています。
下記が両耳で聞いているうえで優位なことです。
- 両耳で聞くことで、同じ音を二回聞いて理解率を上げている
同じ音を両耳で聞くことで右脳と左脳それぞれに情報がはいり重複して聞くことができるので、理解率があがります。 - 頭を回ってきた声を聞くことで鮮明さが上がる
例えば右側からの声がした場合、脳の情報には85%は右耳から15%は頭を回ってきた音を左耳からで情報で音として認識しているのです。
これが片耳だと85%に情報量下がってしまうのです。 - 両耳を使うことで雑音を消すようになっている
両耳で聞き取るときに雑音を声を分けて聞ようになっています。
両耳スケルチといって雑音を抑えることができる力です。 - 音の方向性(定位)がわかりやすい
音の方向が両耳であると上下や、左右の方向性がわかりやすいんですね。
ですから複数方向からの音に対応できます。
以上の三つが関連していて、騒がしい場所や、複数の人と会話の際に声が聞こえなくなってしまいます。
音の方向がわからない、雑音を取り分けるのが苦手である。重複の聞こえがないので聞き取りのチャンスが一度しかない
片耳が聴こえないとこれほど集中してなくてはいけない。
健聴者には片耳が聴こえているからと簡単にとらえられがちなのです。正直相当な苦労と諦めを経験をしていると思います。
クロス補聴器なら改善の可能性がある
補聴器のフィッティングの中でも特殊な方法になるのが片耳難聴に対して行うクロス補聴器のフィッティングです。
クロス補聴器は健聴の耳に補聴器をつけて、難聴側には補聴器型の音声送信器をつけます。
そうすることで健聴側に難聴側の声を送り聞き取ることができるんですね。
健聴の耳には穴あきの耳栓をつけてもらって補聴器をつけてもらうので、本来の聴力は生かしたまま、難聴側の声が聞こえるということになります。
クロス補聴器にはいわゆるメリットデメリットがあります。そちらの説明をしてまいります。
クロス補聴器で改善されることはこちらです。
- 難聴側の声が聞こえ聴こえの幅が広がる
まず第一に難聴側の声の聞こえが大幅に改善します。
健聴側に送りますからきこえもばっちりです。 - 両耳スケルチがなくても雑音抑制された声が聞こえる
クロス送信機は音声を拾った際に雑音抑制を掛けて送ってくれるので、クリアな音を健聴側に送ることができます。
普段両耳で雑音抑制しているところを補聴器が行い聞かせてくれるので明瞭度が上がります。 - 頭を回ってくる音も拾える。
当然頭を回折してきた音も拾えますから、明瞭度が上がります。
両耳で補完するわけではありませんが、確実にきこえやすくなります。
改善されるまで時間を要することもあります。
- 音の定位
左右別で聴こえるわけではありませんから、即座に音の方向を判断するというのは難しいです。
左右で聴こえる音が違いますから、慣れてくれば感覚的に音の方向を理解できるとは思いますが、すぐに慣れて使いこなせるとはいきません。訓練することで改善されることですが、すぐ改善しないポイントです。 - 極端にうるさいところでの会話
おもに車の中などの継続的なノイズがあるところや極端に騒がしい居酒屋などでは、極端にうるさいことがありますから、効果がうまく出ないことがあります。
口話(口の動きを見ながら話を聞く)と組み合わせて行くことで改善しますが、時間と訓練を要します。
以上のことはクロス補聴器で健聴に近づけない部分です。
正直健聴にくらべたら、完璧ではありませんが、片耳難聴の状態にくらべると大きく改善した!と感じていただけます。
特に装用後は装着してから改善を感じるシチュエーションとしては
- 少々騒がしい事務所(仕事場)
- 飲食店、レストランの店内
- 交通量の多い道路
- 人通りが多い道路
- ショッピング街
などで聴こえない耳の方向からの会話などは顕著に改善したと感じていただくことが多いです。
こういったシチュエーションで聴こえにお困りの方はいったんお試しいただくのがいいと思います。
なお過去のお客様との体験談がありますので、気になった方は読んでみてください。
→片耳難聴に効果あり!フォナッククロス補聴器
片耳が軽度難聴の場合でもバイクロスという方法がある
片耳が軽度から中度難聴、もう片方の耳が全く聞こえないという方にはバイクロスというフィッティング方法もございます。この場合は全く聞こえない耳を軽度から中度の耳に音を送信するクロスの特徴をいかしつつ、軽度から中度の難聴もサポートする方法です。
片耳の難聴が治らないとされていたが、最近健聴側だった耳の聴力も下がってきてしまった。そんな方にもクロス補聴器は効果的なんです。
まとめ
健聴の耳に補聴器をつけているというよりはイヤホンをつけて音を聞いているという感覚に近いので、耳になじむのも割と早いです。ただ慣れていない聞こえに適応するまで少しの間聞き取りの訓練は必要ですが、慣れてしまえば、ほぼ誰でも聞き取りは改善されるのでクロス補聴器はオススメできます。
一側耳性難聴は若者にも多く、就職や、進学で生活のシーンが変わることで不安に思っていたり、困っていることがあれば是非ご相談ください。
リスニングラボでは補聴器のレンタルで実際の環境で試していただいて、購入を決定していただくようにしております。
ご連絡いただければ補聴器の手配を事前に行えますので、できればメールか、お電話でご連絡いただけましたら。幸いです。