自宅にいていろいろなものが購入できる通販は便利ですね。楽天、Amazon、yahooなど大手であればすぐ届いて便利ですね。
しかし最近きこえが悪いなと感じて、通販サイトで補聴器を買う際は十分な注意が必要です。
それにはこのようなことが関係しています。
- 正しい知識をもって扱わないと危険である
- 合う人合わない人の差が大きい
- 専門的な知識がないと品定めができない。
- アフターケアが受けられない場合がある
こういったことがリスクになります。
詳しく説明をしてまいりますので、今ネット通販で補聴器を購入しようと考えている方はしっかり読んでください。
補聴器は管理医療機器である。
実は補聴器と呼ばれるものは管理医療機器というカテゴリのものです。
一般の電子機器とはすこし概念が異なります。
管理医療機器というのは
高度管理医療機器以外の医療機器であって、副作用又は機能の障害が生じた場合において人の生命及び健康に影響を与えるおそれがあることからその適切な管理が必要なものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聞いて指定するものをいう。
要は、正しい知識を持って使用しないと健康に影響を及ぼしますよ。ということです。
クラスⅡなのでよほどの使い方をしない限り健康被害は出ませんが、実際通販などで購入して補聴器を使用し、逆に聴力が悪くなってしまったという症例もあります。
他にも補聴器にあるマイナスイメージはこういった通販などで購入し、誤った補聴器の使い方をして健康被害にあったという例が多いのが実状です。
さて、今通販で購入しようとしているあなたは補聴器についての正しい知識はありますか?
あれば構いませんし、なければしっかり相談できるところに行くのがいいでしょう。
合う合わないが人によって大きな差がある
人によって合う合わないの差が大きいのも通販サイトで購入した補聴器あるあるです。
なぜかというと、人間の聴力というのは人によってさまざま違いがあります。
たとえば3人いれば三者三様の聴力になります。下の図は片耳の聴力の例を示した図です。
Aさんは全体的に30dBくらいの軽度難聴 Bさんは高い音が聞こえづらい軽~中度の難聴 Cさんは低い音が聴こえづらい軽~中度の難聴です。
通販サイトで販売されている既製タイプの補聴器というのは、出せる音質が決まっており、製作した補聴器に合っている平均的な聴力であれば、合うのですが、合わない人はとことん使いづらいのです。
ですからAさんのような聴力に合わせて作られた補聴器では、BさんとCさんでは、聞こえやすいところ、聞こえにくいところ、聞こえすぎてうるさいところに分かれます。これはBさんに合っているもの、Cさんに合っているものでも、他の人は合わないとなりやすいのです。
人は生理的にうるさい音が苦手なので、やかましいと感じる部分が多い場合は使いづらいのです。
もちろん補聴器自体に調整つまみが付いていてAさんにも、Bさんにも、Cさんにもなんとなく合わせられる機種もありますが、ぴったりではなくなんとなく合う程度ですので、何かあっていないという感覚は否めなかったり、自分ではきっちり設定できなかったりします。
人の聴力は左右で異なる場合がほとんどです。
ですから、左右で異なる調整を細々行う必要があります。
左右で異なるメーカーを購入したりしないとしっかり聞こえる状態にできないなどのことが起こります。
専門的な知識がないと品定めできない。
補聴器は症状の重さによって選択する補聴器が違いますし、耳にかけるタイプ、耳に入れるタイプと形状の違いがありますが、これも難聴の種類によって選ぶものが違います。
Amazonなどである耳穴式補聴器(耳に入れる補聴器)の記入されたとある補聴器の説明文とスペックです。
軽度難聴の方に。
装着が目立たない
耳穴式補聴器。
肌色に近い色で、目立たない耳穴タイプ。
軽度難聴者用。
1.規準周波数 2500Hz
2.最大音響利得 29±5dB
3.90dB最大出力音圧レベル 109±5dB (ピーク値 117dB以下)
4.等価入力雑音レベル 29dB以下
5.全高調波ひずみ 1600Hz:3%以下、800Hz:4%以下、500Hz:4%以下
となっています。
内容はお分かりになりましたか?
この補聴器軽度難聴を相手取った商品ですが、
さっきの話ででてきた全体的に聴こえづらいAさん、高い音が聞こえづらいBさん、低い音が聞こえづらいCさんなど、誰に合う補聴器なのかわからないですよね?
基準周波数、最大利得などはをデータとして書いていますが、専門的な知識ですから、そうそうにわかる購入者はいません。
製品によってはもっと簡単な説明のみで済ませている物もあります。
結局こういった誰に合うのか買ってみないとわからない製品なのです。
しかし単体の価格が安いことや、口コミの数が多い製品のレビューの内容を見て(その購入者には合っていたので)聞こえやすくなったというような一文を見て買ってしまうのです。
結局合うものを探すまで数十万とかかってしまう人もざらにいます。
通販で買った補聴器のイメージを持ってしまい、補聴器はもういいや…となってしまう方も多いのです。
通販での補聴器購入は、リスクが高いことがなんとなくお分かりいただけましたか?
通販ではアフターケアが受けられないケースが多い
補聴器は管理医機器であるということを話したように、本来は対面販売をして、健康被害のないような使い方の説明や、聴力の変動があった場合の処置や、補聴器自体に異常が出た時など、さまざまなアフターケアを行うことが決まりになっています。
通販で購入してしまう場合は、購入前の顧客への情報をもらい、適切な商品の紹介するのではなく、本人の判断で購入するよう仕向けています。
この段階で問題なのですが、購入後の使い方の説明は難しい言葉の並んだ説明書を読まなければいけないし、聞こえ方の変化があってもこのまま使えるのかの判断は自分でしなくてはいけないし、故障時には製作しているメーカーに直接連絡するよう促されたりすることもしばしばあります。
すべては購入者にゆだねられるような形で物品が渡されてしまうケースが多発しています。
これは売っている人間も詳しくないので対応のしようがないということがほとんどなのです。
アフターケアが受けられない点もかなり購入者としては購入後の不満や、不安に思う点になります。
通販での購入はよほど詳しく勉強しない限りさけるべき
結論からいうと通販での購入はよっぽど詳しい人が身近にいてやってくれるとか、自分自身が相当詳しいなどがある時のみ考えるのが妥当です。
こういった補聴器の購入は対面式で販売されている販売店で買うのが一番楽です。
専門的でわからないことは心行くまで聞いてもかまいませんし、アフターケアも購入時にどのような人が対応しているか、メーカーへの取次もしてくれます。
しかし周辺にそういった補聴器を扱っている店が全くない地域もありますから、そういった場所では補聴器専門店で出張サービスを行っているところにお願いしたりするのがいいでしょう。
もしいま補聴器を購入しようか考えて調べている人や通販サイトで購入して失敗したという方は補聴器専門店でなど専門的な知識を持った販売店で相談してみてください。
当店ではいつでも補聴器に関する説明や、適正な補聴器を選択するためのサービスを行っています。
補聴器がどの程度違うのかを試せるレンタルも行っておりますので、ひとまず試してみたいなんて方も、真剣に補聴器のことを知りたいという方も、メール、電話、ご来店などお気軽にお問い合わせください。