きこえが悪くなってきたから補聴器を考えているが、なるべく目立たない補聴器がいい。
そういった補聴器を選ぶときにはどんなものを選んだらいいのだろうか。
こんな時には耳あな型補聴器を選択することがお勧めです。
耳あな型補聴器を選んで使っていただく場合は、使用環境や、聴力によって選ぶ形状が異なりますので、この記事をしっかり読んで学習してください。
難聴であることは周りに知られたくない。
目立たない補聴器をお探しのかたほとんどは周りに難聴であるということを知られたくなかったり、補聴器には年寄りがつけるものというイメージがあるためなかなか手が出しづらいためだと思います。
しかし探しているからには聞こえていないことで困ったことが起きているのではないでしょうか?
例えば
- 聞き返しが多くて話し相手にイラっとされる
- 少し離れたところから声を掛けられても気が付かず、無視していると思われている
- 講義や仕事での聞き逃しが多い
などの問題抱えてませんか?
補聴器を着けることで、ある程度こういった問題は解決します。
いまこの記事を調べてお読みになっている場合は前向きに考えている証拠ですので、このまま詳しく補聴器のこと知ってください。
その程度の難聴か自分で知りたい。
自分でどの程度の難聴か知りたい場合の為に聴力を調べた後の見方をお教えします。
画像は人の音のきこえを検査する際に使う「オージオグラム」という表です。
これで見て難聴の度合い判断をしていきます。
画像のグラフの縦線で区切ってある値は周波数(ヘルツ/Hz)といい、音の高さを数値化したものです。
左の側に行くにつれて低い音、右に行くにつれて高い音になります。
横線は音の大きさ(デシベル/dB)で区切ってあります。下に向かえば向かうほど大きな音になります。
ですから、下に印が付くと聴力が悪いということです。
難聴には程度があり、それによって選ぶべき補聴器が異なります。
ですから、目立たない補聴器を選びたい場合でも選択できない場合があります。
難聴の程度について
病院で聴力の検査や、補聴器専門店で聴力測定で0~25dB以内の場合は、正常値とされる0dBより低下していても25dB程度までは生活に影響はほぼありません。
軽度難聴 25dB~40dB
普通に会話するには不自由しないが、小さな声や遠くの声が聞こえないが代表的な症例です。
虫の鳴き声や風に揺れる木の音が聞こえないなどがあります。
中等度難聴 40dB~70dB
普通に話す声に影響がでます。1m離れてしまうと大きな声しか聞こえません。
会議などでの会話ではかなり不自由します。
高度難聴 70dB~90dB
大きな声が聞こえません。40㎝以上離れると会話がわかりません。
耳元で大きな声を話す分には聞き取れます。
重度難聴 90dB以上
叫び声が聞こえません。耳元の大きな音であれば何とか感じられますが、日常の会話はほとんどが聞き取れません。
この後耳穴型の形状の違いを説明する際に難聴の程度によって選択できる補聴器が異なりますので、
耳あな型補聴器の特徴
耳あな型補聴器の特徴について詳しく説明いたします。
特徴
- 耳あなにあつらえる
- 本体サイズによって対応する難聴に幅がある
というのが特徴です。
耳あなにあつらえる
まず一番の特徴は耳の型を採って、筐体自体を耳にあつらえます。
こうすることで耳から外れない上に、聴力によっては耳の穴の中に入ってしまうようなサイズで製作することが可能です。
本体サイズによって対応する難聴に幅がある
耳あな型補聴器には大まかにサイズが決まっておりそれによって対応できる難聴に違いがあります。
サイズは大まかに3つあります。
CIC(IIC) | 小さいタイプ 軽から中度以上高度未満まで対応 耳穴にすっぽり入るため外からは見えません。 |
カナル | 一般的な耳あな型のサイズ 高度まで(重度対応もあり)使用可能 耳穴にピッタリはまり、外からは見えづらい。 |
ハーフシェル フルシェル | さまざまなタイプの難聴に広くお使いいただけます 耳介を埋めるように装着。大きいので使いやすいのが特徴。 |
このようにサイズ違いで対応できる難聴が異なります。
補聴器をし始めようと考えたころにはまだ軽度~中度程度の難聴のことがほとんどですから、小さいサイズで比較的耳に収まっている状態の補聴器を選択しやすいです。
サイズが大きいと、補聴器のピーピー音(ハウリング)を抑えやすく、外部の音が補聴器から出た中の音に影響を与えづらくなるので、聴こえやすさを優先すると気持ち大きめのサイズを選ぶといいでしょう。
耳あな型補聴器のデメリット
耳穴型の補聴器にはこのようなデメリットがあります。
耳垢が多い又は湿っている場合や水っぽい場合は故障しやすい
耳あなに差し込む関係上、耳垢が多いと音の出る穴がふさがってしまったり、耳垢が帯びた湿気でレシーバー(スピーカー)が故障してしまう可能性が在ります。
さらに耳垢が湿っぽい場合や、水っぽい場合はより故障のリスクが高まります。
このような耳垢が多い、湿っぽい方でどうしても耳あな型補聴器を使いたい場合は、先端を特殊な加工(ベルカナル加工など)をすることや、耳垢ガードを工夫することで何とか使えます。
実際は耳かけのほうが無難です。
装着がしづらい
本体の小ささと、耳の形に合わせている環境上、耳あなにいれるのに慣れるまではかなり装着しづらいです。
手先が不自由になっているとかなり難儀しますので注意しましょう。
自分の声がきこえやすい 音がこもっていると感じやすい
耳のあなを指で塞いだ状態だと自分の声は響いて聞こえますよね。
これと同じように耳あな型補聴器は自分の声が聞こえやすかったり、音がこもっているように感じやすいです。
最初のうちは違和感が強いのですが、時間が経つにつれて違和感は薄れていきます。最初の数日から数週間のうちは注意が必要です。
耳あな型補聴器のメリット
デメリットについてはお分かりいただけましたか?これからは耳あな型補聴器のメリットです。
耳の構造を最大限利用できる
耳というのは外の音を集音するような仕組みになっています。
耳あな型補聴器はこの周りの音を集音した音をマイクに入れることができるので、ほぼ耳そのままの力を使って音を聞かせることができます。
音の方向性がわかりやすいことや、前方の音を拾いやすいのも、耳が集音した音を利用できる耳あな型のいいところです。
この効果がもっとも大きいのがCICサイズもしくはIICサイズです。もっとも普通の耳に近い環境での集音が可能です。
汗をかいたときの影響を受けづらい
頭から汗をかきやすい人は耳あな型にすることをお勧めします。
汗をかいたときでもよほどのことがない限り耳には汗が入りません。
ですから耳かけ型補聴器に比べて汗での故障率は低いのが特徴です。
鼓膜までの距離が近く、遮音性が高いので音の劣化が少ない
音は発生場所から離れるほど音のパワーが下がりますが、耳あな補聴器は鼓膜までの距離が近いことで音のパワーが減りません。
そして耳あなを塞ぐことで外部からの音の影響が少なくなりますので、より効果的に音を届けることができます。
外れにくい
耳に合わせて作っている関係上外れません。
耳かけ型補聴器は運動したり、眼鏡やマスクをかけるなどすると外的要因で外れてしまうことがありますが、耳あな型ではそのようなことはありません。
このような点が大きなメリットです。
慣れが必要だが、目立たない補聴器としては耳あな型が一番。
耳あな型補聴器は、同じ聴力で耳かけ型補聴器を使うより慣れるまで違和感が大きかったり、慣れるまで時間を要しますが、その分小さくて目立ちづらい補聴器になります。
もし少し聞こえが悪くなってきたことによって、生活や、会話がしづらいと感じた時には、耳あな型補聴器を利用して見るのがいいでしょう。