突発性難聴は、起床後や、作業中で急に音が聞こえなくなる本人でも自覚できるほど突然起こる原因不明の急性の感音難聴です。
発症から2週間以内に治療ができれば改善の見込みがあるため、似た症状があればすぐに検査と治療をする必要があります。
今回は突発性難聴に関する知識と予防法、治療についてを説明いたしますね。
有名人やミュージシャンがなることが多いため、テレビや雑誌などのメディアで、みなさんも一度は耳にしたことがある難聴ではないでしょうか。
今現在で全国での患者数は年間3万5千人とされており、近年は年齢関係なく発症し年々増加している傾向にあります。
万が一病院での治療で改善が見られない場合の聞こえの対処方法についてもお教えいたします。
では初めに突発性難聴について説明してまいりますね
※当店は補聴器販売店であり、治療、診断をはじめとした医療行為は行いません。紹介する諸症状がみられる場合は、耳鼻咽喉科または専門の医療機関で受診してください。
突発性難聴とは
その名の通り難聴はある日突然、ほとんど何の前触れもなく耳が聞こえなくなります。
以前は40~60代くらいの年齢の方がかかっている数が多かったのですが、昨今では10代などの若者もかかっているためほとんど年齢関係なくかかってしまうのが突発性難聴です。
※病気について説明していきますが、同じような症状を感じたら早急に病院で診断受け治療を受けてください。
似たような病状の病気が複数あるので検査も必要で、それによって適切な治療が異なります。個人での判断をしないようにしてくださいね。
突発性難聴の諸症状について
突発性難聴の諸症状についてはこのようなものがあります。
音が急に詰まったように感じる難聴
突発性難聴では急激に高度以上の難聴になり音が聞こえなくなります。水の中にいるような感覚や、耳が詰まっているような感覚を覚える人が多いようですね。
そしてほとんどの人が片耳のみ難聴を自覚します。両耳同時になる方は非常にまれのようです。
強い耳鳴り
難聴と同時に強い耳鳴りを感じます。キーン、ジー、ザー、人によってはミーンミーンなど様々な耳鳴りが起こるのも突発性難聴の特徴です。
前兆症状として耳鳴りが起こるケースが多いため、強い耳鳴りが続くときには注意が必要です。
めまいやふらつき
めまいやふらつきが生じます。このめまいやふらつきなどの平衡感覚の異常が強い場合は症状が重く危険性が高いです。
発作的にめまいを繰り返すことはありませんので、繰り返すようなら別の病気である可能性がありますね。
吐き気
平衡感覚の異常がある場合は強い吐き気や嘔吐を伴う可能性があります。
軽い聞こえづらさや耳鳴り、めまいやふらつきが前兆として現れる場合も多いので、
このような前兆症状があれば耳に異常があるシグナルだと思っていただけるといいですね。
突発性難聴の原因
突発性難聴は音を感じることが難しくなる「感音難聴」であるということまでは今のところわかっていますが、明確な原因はわかっていない厄介な難聴なんですよね。
今のところ、過去にかかっている人々のデータから年齢や、効果のあった治療方法、似たような症状の耳の病気からこのような原因が問題ではないかと考えられています。
ウィルス
はしかやおたふく風邪などの急性の感音難聴を起こすウィルスが存在することと、風邪などにかかった後に突発性難聴になる人が多いですね、
一度発症してから同じ症状になりにくいということもあるため、ウィルス性の難聴なのではと考えられています。
血液循環異常
内耳の毛細血管に詰まり(栓塞)やけいれん、血栓、出血が起こることで血液循環障害が起こり、内耳の機能低下が起こります。
以前は年齢的に40~60代が多かったこともあって血液循環の問題が原因と考えます。
治療において血液循改善薬が効果的であることも今までのところでわかっています。
ストレス
睡眠不足や肉体疲労、精神的ストレスなどの過度のストレスを受けた後発症する人が一定以上いて、有名人などストレスがかかる職業での発症例も多いですね。メニエール病のようにストレス起因が考えられる難聴に症状が近いこともあってストレスが原因なのではと考えることがあります。
しかし考えられているどの原因も確証を取れているわけではないので、現段階では突発性難聴の原因はわからないとされています。
そのほかにも、ミュージシャンが強大な音を聞いた後に起こることから大きな音によるショックによる説や、内臓疾患によるもの、身体のひずみやコリからくるとする説までいろいろありますが、今のところこの3つの原因が濃厚です。
次は治療について説明いたします。
突発性難聴の治療について
突発性難聴は、治療が困難とされる感音難聴の中でも治療が可能な難聴の一つです。しかし発症から治療に取り掛かるまでで改善の確率が変わりますよ。
発症して2日以内(48時間)に治療開始するともっとも改善しやすく、少なからず2週間以内に治療開始できれば改善の見込みがあります。
発症から時間が経過するほど治療が難しくなりますよ。
主な治療について
突発性難聴の治療は上で上げた3つの主に考えられている原因に効果的な治療を行います。
まず一般的に考えられる治療は「安静」にして「投薬治療」ですね。
最も用いるのが、内耳の炎症を抑える「ステロイド」を初期は多量に使用し、徐々に減らしていく「パルス治療」という治療方法です。
他には血液の循環を促す「血流改善薬剤」や、代謝の改善を図る「代謝促進剤」などを利用して治療を試みます。
時と場合によっては末梢神経の改善のための「ビタミン剤」を投与することもありますね。
特殊な治療としては大気より高圧のカプセル内で高濃度の酸素を吸引する「高気圧酸素療法」や「星状神経節ブロック注射」などが施される治療として知られています。
治療期間は1週間~1か月が一般的なようですが、適切な治療や期間に関しては医療機関で判断します。
糖尿病などの治療をしている場合や妊娠している場合はステロイドでの治療は制限がつくのであらかじめ申告しましょう。
なおここで紹介した治療を行わない場合もありますよ。
通院治療と入院治療がある
症状によって違いはあるものの、通院ができる場合は通院することが多いようですね。
嘔吐が伴うなど症状が重い場合、複数の検査や専門的な治療を行う場合などは入院します。
通院の場合は、保険適応で治療できるので通院費だけ、入院の場合は入院費がかかります。
入院費は、部屋代や食費など含めて最低限でも10万円前後かかり、期間が長いとさらに費用がかかります。
完治率は3分の1
ここまで治療に関して紹介していきましたが、突発性難聴の完治する確率は、3分の1の確率とされます。
症状の緩和があるのが3分の1、残りの3分の1が全く改善が見られません。
治療開始が遅いほど完治しにくくなりますので、ですから前兆である耳鳴りや、軽い聞こえづらさ、めまいがあればすぐに耳鼻咽喉科で治療を受けましょう。
ただ早期で治療をはじめた人であっても完治しない場合もあります。
次に後遺症や再発の可能性について説明します。
突発性難聴の後遺症と再発について
突発性難聴の治療がうまくいっても後遺症が残ることがありますので説明をしていきます。
完治していてもまさかの再発がないか気になりませんか?
治療後の後遺症について
治療したあとに後遺症が残ることがあります。
主に難聴と耳なりが後遺症としては多く、めまいに関しては非常に重い症状の方にまれに後遺症として出てきます。
めまいに関しては反復性がないのが突発性難聴の特徴でもあるので別の要因がないか調べるといいですね。
再発の可能性について
突発性難聴の再発の可能性は低く、完治した耳に同様の症状がでた際には他の要因を疑います。
ムンプス難聴やメニエール病が一般的に症状が似ていて可能性が高い病気ですね。
反復する発作のようなめまいや、難聴の具合が体調によって変化がある場合はメニエール病の可能性があります。
大人になってからムンプスウィルスにかかった時には熱などの症状が出にくい場合があって、急にめまいと耳鳴りを伴う、重い難聴を引き起こします。
完治しない場合や再発した場合などは似た症状の病気である可能性もありますので、次は似ている症状の病気について説明します。
突発性難聴に似た症状の病気もある
突発性難聴に似ている症状の病気は以下のものがあります。
- メニエール病
- ムンプス難聴(おたふく風邪)
- 外リンパ廔(がいりんぱろう)
- 聴神経腫瘍
- 音響性外傷
- ヘルペスなどの内耳感染
- 内耳梅毒
- 前下小脳動脈梗塞など
このような病気が突発性難聴と症状が似ているものの、違った理由で起こる病気ですね。
病院での検査には問診と、純音聴力測定が基本として行われますが、他にもレントゲンやCT、MRIなどを撮ったり、中耳、内耳に他の原因がないかの検査をします。
またウィルスや感染症の疑いを確認するために血液検査を追加で行い、似た症状の疾患に該当しないか確認します。
完治しない場合は、大きな病院で再検査すると別の病気であることが判明することもありますよ。
突発性難聴の予防法について
突発性難聴にできる限り予防するとすれば、このようなことが考えられますね。
- 風邪を引いたときには耳鼻科にも行く
- ストレスとためない
- 食事に気をかける
- 睡眠をしっかりとる
- 適度な運動の習慣をつける
- 飲酒や喫煙を控える
ウィルスのが耳の奥の内耳に感染することも考え、風邪を引いた後は一度耳鼻科にかかるようにすることがいいですね。
あとはストレスをためないような生活をするために、適度な運動や、食事、睡眠をとったり、趣味などで活動的になることも意外と大切ですよ。
飲酒や喫煙は血液循環の妨げになることや、体にとってストレスになることも考えられるので、控えることがオススメですね。
また生活習慣病は、血液循環異常を引き起こすものが多いので関連性は少なからずあるかもしれません。
あくまで予防であって絶対にならないとは言えませんが、少しでも発生する因子を減らすことが大切になってきます。
なお発症後も同様に生活習慣を正すことや、職場環境の改善や変更を指導されることもあります。
少しでもストレスを減らすということは重要なことかもしれませんね。
ここまで突発性難聴について紹介してきましたが、突発性難聴でこのようなことで困っていませんか。
突発性難聴で困ること
突発性難聴で困ることはこのようなことが考えられます。
- 聞こえない側ができてしまう。
- 呼びかけに気が付かなくなる
- 無視されていると勘違いされる
- 会話の聞き返しが多くなる
- 常に緊張していないと聞き取れない
- 仕事の打ち合わせがうまくいかないなど
これ以外にも考えられますが代表的なものですね。
健康なきこえから突如として片耳が難聴になるため、大人になってからの難聴は環境が大きく変わることがあります。
難聴への対処や、心構えができていないまま、今までどおりの人間関係を求められますが、これを今まで通り続けるのは思っている以上に大変です。
さらに片耳が聞こえるので、傍から見ると何ら問題が無いように思えて、初対面の人との会話も一苦労しますね。
緊張を強いられてしまうこともあって大きなストレスを抱える人も少なくありませんね。
何とか改善しないとコミュニケーションがとっていけないと思ったなら、補聴器のことを知って試してみるのがいいですね。
次は対処法となる補聴器についてです。
突発性難聴と補聴器
突発性難聴が治療によって改善しないときには、補聴器を利用することになります。
補聴器は、治療して軽度~中度くらいに回復した聴力なら改善が見込まれますので、補聴器専門店でご相談して試してみるといいですね。
しかし治療後の聴力の改善がない方のほとんどは効果が出ないと思われます。
もし聞こえても雑音が多くなるだけとか、補聴器を着けると反対側の耳が遠くなる感じがすると思います。
ですので、突発性難聴で片耳が聞こえなくなってしまった人は、片耳難聴専用の補聴器である「クロス補聴器」を利用して、きこえを改善します。
クロス補聴器に関して紹介します
クロス補聴器
クロス補聴器は、片耳が健康で、片耳が難聴の場合に使用します。
まず片耳用ですが、両耳に補聴器をします。良く聞こえる耳には「補聴器」、聞こえにくい耳には「クロス送信機(クロス補聴器)」をします。
仕組みはこのようになっています。
難聴の耳に装着した「クロス送信機」で難聴側の音を集音して、よく聞こえる耳に装着した「補聴器」に電波で送って再生します。
こうすることで難聴側の音をよく聞こえる耳で聞くことができ、両耳の音をカバーすることができますよ。
クロス補聴器で考えられる効果
クロス補聴器で考えられる効果はこのようなものです。
- 聞こえない側がなくなる
- 立ち位置と座り位置を気にしなくていい
- 聞き逃し、聴き間違えが減る
- 複数人での会話が楽になる
- 声掛けに気が付きやすくなる
このようなことがクロス補聴器を着けて考えられる効果です。
突発性難聴で会話がうまくいかなくて困っているようでしたら、補聴器や、クロス補聴器を試していただくのがいいですね。
クロス補聴器について→片耳聾にはクロス補聴器を使って聞こえの不便を減らそう。
まとめ
突発性難聴は、発症した直後の行動次第で治療できる可能性が高まります。第一に治療を行うことがいいですね。
もし発症して治療しても治らない時には、クロス補聴器を利用できることも頭の中に置いておいてください。
突発性難聴でもしきこえに困っていれば、秋葉原補聴器リスニングラボで補聴器を試してみませんか。
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お気軽にお試しいただき、少しでも聞こえの手助けができればと思います。
コミュニケーションのストレスや悩みを少しでも改善したいとお考えでしたら、お気軽にご相談ください。