補聴器を両耳装用するメリットはたくさんありますが、両耳にする理由がわからなかったり、値段の高さから敬遠されがちです。
ですが補聴器を両耳に装用するメリットはデメリットが気にならないほど魅力的です。このサイトでは両耳に補聴器を装用するメリットについて解説しています。
また実際に補聴器を両耳装用するメリットは、認定補聴器技能者のいる販売店で実際に試聴して体感してみるといいでしょう。
難聴になってから耳鼻科で診察をうけた時や、診察後に紹介された補聴器屋さんで補聴器を両耳で使用することをオススメされることがあります。
片耳だけ難聴だと思う方や、なぜ両耳につける必要があるのかわからなければ、高額な価格の補聴器を両耳にすることもためらってしまうでしょう。
また片耳だけ補聴器をしても両耳と対して差が無いとお思いではありませんか?
それはとんでもない!両耳で補聴器をすることには大きなメリットがあるんです。
両耳補聴器の仕組みを知り、そのメリットを理解すれば補聴器を両耳装用することの推奨をされた理由もわかるはずです。
さてまずあなたは両耳に補聴器が必要な難聴と診断さえたわけですが、両耳難聴と片耳難聴について知り、そもそもなぜ両耳に補聴器が必要か少し知ってみませんか。
ここからは片耳難聴と両耳難聴についてお話していきしょう。
片耳難聴と両耳難聴について
片耳難聴も両耳難聴もさまざまな種類があって、急激に聞こえなくなることもあれば、ゆるやかに変化して気がつきにくかったり、さまざまな聞こえかたの変化があります。
それは原因や症状によってさまざまな難聴に分類されるんです。
難聴の原因
難聴は3パターンに分けることができてそれによって原因が異なります。
ひとつは伝音性難聴といって音が伝わりにくくなる難聴ですね。
耳垢が詰まったり、鼓膜が破れたり、鼻や耳の病気などで難聴になった症状を指します。
もうひとつは感音性難聴といい、音が感じにくくなる難聴です。
ウィルスや耳から脳にかけての病気で、耳の奥の細胞や神経が悪くなることで聞こえにくくなるものを指します。
年齢とともに聴力が低下する老人性難聴も感音性難聴の一種ですね。
さいごは混合性難聴といって、感音性と伝音性で2つの難聴の特徴が一緒に現れる難聴です。
進行性の伝音性難聴や複数の難聴を併発している状態です。
いずれの難聴も耳で音を拾って脳で認識するまでの経路に障害がある状態になっています。
詳しい難聴の原因や症状はこちらから→難聴の種類や原因
難聴の症状
難聴の症状は、原因がある部分によって違いがあります。
伝音性難聴は伝わりにくいだけなので、耳栓をしたように小さな音は聞こえず大きな音にすればそれ相応に聞こえますが、感音性難聴は音を感じることが難しくなるので、小さな音が聞こえず大きな音は普通にうるさいんです。
そして高い音が聞こえなくなるものもあれば、低い音が聞こえなくなる難聴など聞こえにくい音は人それぞれ異なります。
まったく変化のない難聴もあれば、日によって変化があったり、進行していくものもあるので症状によって病名がさまざま分けれらています。
難聴の治療
難聴は治療ができるもの、中には手術したら治るものもあり、時間が経過すれば治療が難しいものもあるので、聞こえにくさを感じたら放置してはいけません。
中耳炎などの伝音性難聴は、治療に専念することで聴力の回復が見込まれますので、病院での治療は必須です。
また加齢だろうとか体調が悪いからだとか、自身の判断で治療を怠ることがないようにしましょうね。
耳鼻科医師への相談
難聴というのは、なんとなく聞こえにくいという自覚ではなく、聴力の検査を基に診断する必要があるものです。
あなたが片耳だけ聞こえにくいと感じていいても実は両耳とも難聴ということもありますし、症状によっては治療ができます。
聞こえにくいと感じたら耳鼻科の医師に相談してみてくださいね。
さて難聴の相談を終えたときに、補聴器の両耳装用をすすめられたとしたら、よくわからないままではどうにもできませんよね。
ここからは両耳装用する補聴器についてまずご紹介していきます。
補聴器の両耳装用について
補聴器では、両耳装用をすることがキホンというのが、病院や補聴器販売店でも言われるようになってきました。
かつて日本では、コストがかかるため片耳での着用をする機会が多くて、いまだに片耳だけ使用している人が多いのですが、欧米やヨーロッパなどの補聴器先進国では両耳に装用する人が非常に多いのです。
日本では難聴者の14%ほどが補聴器をしていますが、両耳装用は45%とされています。(ジャパントラック2018より)
ヨーロッパ諸国ではイギリスは装用率が45%で両耳装用の人は61%、フランスでは41%の装用者の中で両耳の人は70%、ドイツでは36%の装用者の中の70%が両耳装用者と日本に比べて両耳装用が非常に多いのがわかりますね。(ユーロトラック2018より)
なぜそれぞれの国で両耳装用をすすめるのか。
これには聞こえの改善に影響する仕組みが関係しています。
聞こえが改善する仕組み
人間の耳は左右にあるのは、片方の耳ではもう一方の音をカバーしきれないという理由だけではありません。
両耳で聴くと人間の聴覚の仕組みが働き、同じ音を二回聞いて重複した音から理解をより深めたり、雑音と音声が入り乱れているとことから音声だけをピックアップしています。
また片耳よりも両耳のほうが、音が大きく聞こえ、左右の音量差によって音の方向感がわかりやすくなります。
両耳で補聴器をする理由は、まさに人間の聞こえの仕組みを促進するためにあるのです。
ここからは補聴器を両耳で装用するメリットをお教えします。
両耳補聴器の5つのメリット
両耳に補聴器をすることで主に5つのメリットが考えられます。
それぞれを詳しく解説していきますね。
補聴器の両耳装用で聞こえる範囲が広がる
補聴器を両耳に装用したときには聞こえの範囲が広がります。
両耳難聴の方が片耳で補聴器をしたときに比べると、約4倍の範囲の集音が可能です。
これは両耳難聴の人は、補聴器をしていない耳の聞こえる範囲が狭くなっているからですね。
音の死角がなくなりますので、複数人での会話の向上と危険の察知でのメリットがあります。
両耳装用では音の方向がわかりやすい
難聴になると、音の大小がわかりにくくなることや、左右の聴力に差がでることが影響して音の方向感がわからなくなります。
また片方だけ補聴器をしても片方しか改善しないため、音のバランスが悪いことから方向の判断は難しいままになってしまうんです。
両耳に補聴器をするとで、音量の大小の判断がしやすくなり、両耳とも同じような聞こえになることでステレオ効果が発揮され、音の方向感がわかりやすくなるのもメリットになります。
両耳の会話の聞き取り能力を維持できる
長期間難聴状態が続くと音が入らない状態が増えてしまうと、言葉の聞き取る能力が低下する傾向があると研究した結果で分かっています。
※JAAA 141-149,Vol6/No.2 Mar.1995より
両耳に補聴器をすることで、難聴の状態を減らすことができて聞き取りの能力を維持することができるのです。
(出典 シグニア補聴器)
両耳装用は聞き取りやすく疲れない
両耳に補聴器をすることで、小さな音が聞き取りやすくなり、大きな音までまんべんなく聞こえますし、言葉の聞き取りを重複して聞くカラダの仕組みを利用できるので聞き取りやすくなります。
また片耳だけ補聴器よりもラクに音の情報を集めることができるので、聞くことに集中したときのストレスが軽減され、疲れにくくなるんです。
片耳装用より音量による負担軽減ができる
片耳装用に比べて両耳装用は音量が小さくても聞こえやすいため、補聴器の音量を下げることができます。
耳に対する負担も軽減されますので、音量によるダメージを気にしなくてもよくなりますね。
このようなメリットが考えられます。
魅力的に感じますが、実際に両耳補聴器を試さないことには、このメリットは感じられないでしょう。
ここからは両耳補聴器の体験方法について紹介していきますね。
補聴器の両耳を体験する方法
補聴器の両耳装用を体験するには、補聴器販売店に行き体験を申し込んでみましょう。
体験をするには、カウンセリングや聴力測定を受けた後に、試聴であったりレンタルをすることになります。
両耳補聴器の試聴やレンタル
補聴器の販売店の多くでは、取り扱っている補聴器であれば、デモ機を用意して試聴やレンタルができるようにしています。
これは実際に試してみないことには、あなたにとって補聴器が合うがわからないためです。
補聴器は無数にあるので、複数の補聴器メーカーを扱っているお店で比較して体験すると、とても
また実際の生活環境で使うことのできるレンタルは積極的にやるといいでしょう。
補聴器のレンタルについてはこちらから→補聴器のレンタルについて
補聴器の両耳装用ではどれほどの費用が必要かは相場をキホンに考えるといいでしょう。
ここからは補聴器の相場に関してです。
両耳補聴器の相場
両耳補聴器は一般的には両耳で20万円~60万円がよく販売されています。
これを相場と考えて費用を用意する必要があるでしょう。
少し高額な点はデメリットになってしまいますが、変えられ魅力があるのでよく吟味して選ぶといいですね。
補聴器の価格や相場についてはこちらで詳しく書いていますのでご覧ください→補聴器の価格と相場について【ズバリお教えします!】
両耳補聴器でおすすめのものはどのようなものがいいかを次では簡単に紹介しますね。
両耳補聴器のオススメ機種
両耳装用することで特殊な機能を作動させることができる補聴器があります。
効果的に会話を集音できたり、自分の声を小さくしたり、邪魔になるさまざまな雑音を抑えることができるなど、さまざまな機能のが存在します。
両耳補聴器を探すならその機能があるものがオススメですね。
まとめ
補聴器を両耳で装用するメリットを解説してきましたがお役に立てましたか。
両耳装用のメリットはたくさんありますし、両耳にすることで補聴器の機能が向上することもあり、両耳難聴であれば両耳に補聴器をすることが一番よいですね。
ただし納得できるメリットなのかは体験するほかありませんので、試すことはお忘れなく!
また両耳補聴器は、補聴器の専門家である認定補聴器技能者のいる補聴器販売店を訪れるといいですね。
機種別のメリットやデメリットを教えてくれるので、より明確な違いを感じることができるでしょう。
両耳補聴器でより自然で快適な聞こえを手に入れてみてくださいね。