フォナックから新たな補聴器マーベル(マーベル)が発売されました。小型の耳かけ型RICタイプのオーデオに、充電機能・すべての機器につながるBluetooth機能を搭載したオールインワン補聴器です。
フォナックお得意の機能である自動環境認識機能も向上し、言葉の理解を向上させることが可能になりました。また今回の機種より充電式の取り扱いのしやすさを向上させ、価格面も再度考慮されたようです。
今回は詳しくご紹介いたしますのでぜひご覧ください。
フォナック補聴器とは
フォナックはスイスの補聴器メーカーであり、ソノヴァという医療機器メーカーを母体に持つ世界でも屈指の補聴器メーカーです。(ソノヴァグループは補聴器の世界販売台数一位)
1947年に誕生し、70年以上にわたり補聴器やワイヤレス通信機器など研究開発を重ね幅広い年代の方々に愛用されています。
聞こえのバリアを感じさせない世界へと、豊かな人生のためにさあLife is onをスローガンに掲げ、人々がそれぞれの人生において、豊かな音を聞き取り・理解・経験ができるよう独創的な発想でテクノロジーの限界に挑み続ける補聴器メーカーです。
フォナック補聴器の取扱店について
フォナックの補聴器は世界100か国以上で取り扱いされており、本社はスイスにあります。
世界販売台数はソノヴァグループで見ると世界一を誇りシェアは25%におよびます。
日本での取り扱い店舗は眼鏡店や補聴器専門店で購入することができますが、補聴器専門店を中心に展開をしておりますので、専門的な知識で対応してくれるお店が多いですね。
フォナック公式ページから取扱店を探すことができます。
フォナック取り扱い店検索
https://www.phonak.com/jp/ja/%E8%A3%9C%E8%81%B4%E5%99%A8%E5%B0%82%E9%96%80%E5%AE%B6%E3%82%92%E6%8E%A2%E3%81%99.html
さてここからはフォナックの最新の技術を搭載したマーベルのご紹介です。
フォナックの新製品マーベルの商品情報
フォナックの補聴器マーベル(Marvel)は、驚異という意味を込められた補聴器でまさに今までの補聴器では成しえなかった利便性をもたらすさまざまな機能が搭載されています。
特徴的なのは、自動環境認識機能のによって音量や雑音抑制などのプログラムをコントロールして最適化を図るオートセンス、高速の音声圧縮と低速の音声圧縮を自動で切換え言葉の聞き取りを向上させるアダプティブコンプレッションスピードによるクリアでリッチなサウンドでしょう。
また独自のSWORDチップを搭載することで、2.4GHzのワイヤレス通信・Bluetooth機能・両耳間通信が可能になり汎用性の向上をはたしております。Bluetoothは他社とは異なりBT搭載の機器ならばすべてにアクセスが可能で、ハンズフリー通話、音楽ストリーミングも可能となりました。
また今回は充電式の補聴器がメーカーとしてもイチオシとなり、高性能化に伴う電源問題も改善しております。
フォナックオーデオMのスペック
フォナックオーデオMのスペックについてをはじめにご紹介いたします。
フォナックオーデオMでは、エッセンシャル・スタンダード・アドバンス・プレミアムの4つのクラスと、また本体の形状は、電池式は312・312T・13の3サイズと充電式の4つの形状から選択可能です。
ここでは表にしておりますので確認ください。
形状の違い | M-312 | M-312T | M-13 | M-R |
---|---|---|---|---|
使用する電池 | 312電池(PR41) | 312電池(PR41) | 13電池(PR48) | リチウムイオン充電池 |
使用時間 | 50~75時間 | 50~75時間 | 80~120時間 | 最大18時間 (BT連動時) |
対応聴力 | 軽~重度 | |||
テレコイル機能 | 〇 | 〇 | ||
防水防塵 | IP68 | IP68 | IP68 | IP68 |
クラスの違い | プレミアム (M90) |
アドバンス (M70) |
スタンダード(M50) | エッセンシャル (M30) |
---|---|---|---|---|
マニュアル プログラム数 |
全クラス共通で3つまで | |||
チャンネル数 | 20Ch | 16Ch | 12Ch | 8Ch |
オートセンスOS | 7 | 5 | 3 | 2 |
サウンドリカバー2 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
指向性 | ウルトラズーム 33ch SNRプースト |
ウルトラズーム 12ch SNRプースト |
ウルトラズーム 6ch SNRプースト |
ウルトラズーム 1ch |
雑音抑制 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ハウリング抑制 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
突発音抑制 | 〇 | 〇 | ||
風切り音抑制 | 〇 | 〇 | ||
反響音抑制 | 〇 | |||
Bluetooth | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
保証 | 3年
紛失・全損保証あり |
2年
紛失・全損保証あり |
2年 | 2年 |
電池式 片耳価格 | 530,000円 | 380,000円 | 270,000円 | 180,000円 |
充電式 片耳価格 (充電器含む) |
562,000円 | 412,000円 | 302,000円 | 212,000円 |
カラーは9色展開です。
このような性能の違いがあります。
形状によって使用時間や外部機能の違いがありますし、クラスによって使用できる機能が異なります。
オーデオはRICタイプの補聴器ですので、レシーバーを交換することで聴力にあわせた出力の変更が可能です。適正なものを選定してもらうようにしましょう。
続いて前モデルであるビロングとマーベルの違いをご紹介します。
フォナックの過去のモデルとの変更点
フォナックのマーベルと一つ前のモデルとなるビロングの違いは気になると思います。
マーベルは基本的にビロングで用いられた技術をベースに製作されているようです。
変更があった点を見てみましょう。
オートセンス3.0
オートセンスOSはベンチャーという機種から搭載された機能でしたが、マーベルで3.0バージョンと進化を続けてきました。オートセンスは最大7つの環境プログラムをブレンドすることでその場にあった音質に自動調整する機能です。今回は精度が向上し、よりその場に最適な音声をお届けできるようになっただけでなく、ブルートゥースやワイヤレス機器を介してのスマホやパソコン・テレビなどから再生したメディアの音声も音質調整してくれます。メディアモードでは音楽と言葉で分類しますので、聞き取りやすい音質になりました。
全クラスにBluetooth機能搭載
マーベルではすべてのクラスでBluetooth機能を搭載することになりました。
フォナック独自のSWORDチップは、2.4GHzのワイヤレス通信・Bluetooth通信・両耳間通信が可能です。
Bluetooth機能は、すべての機器と接続できることに拘り、パソコン・スマホ・ガラケー・タブレットなんでも接続可能です。
オーデオBダイレクトの時と比較して、マーベルでは電話をするときに両耳で音声が流すことができ、本体のみで音楽再生も可能になりました。(ダイレクトでは片耳通話音のみで楽再生にテレビコネクターDが必要だった。)
また両耳間通信機能を搭載できるようにしたので、補聴器の両耳機能を保つことができようになった点も大きな進化ですね。
充電式の取り扱いやすさの向上
前モデルでは充電式の補聴器は電源ボタンを押すことで電源を入れる仕組みでした。これは手先が不自由な方や高齢者、機械が苦手な方には取り扱いにくいとの要望があったので、充電器から取り出すと自動で電源が入り、充電器に収納すると電源がオフにするようになりました。
アダプティブコンプレッション
マーベルでは新し試みとして音声のコンプレッション(圧縮)を自動切換えする機能を搭載してます。
補聴器のコンプレッションというのはファストとスローと速度の違う圧縮があります。
コンプレッションは入ってきた音声を整える動作のひとつで、ファストは急激な動作によってメリハリは強く出る方式で、スローは緩慢な動作で滑らかさが目立つ動作です。
言葉の抑揚や発音の違いはコンプレッションによって理解のしやすさが異なるため、マーベルでは言葉に反応してコンプレッションが切り替わるようになったとのことです。
また音の方向感を理解するのにコンプレッションの影響は大きく、マーベルでは音の方向感がより理解しやすくなっています。
なお難聴の種類によっては、コンプレッション固定がよいこともあるため設定によって自動切換え・ファスト固定・スロー固定が選択できるようです。
ヒトキキボレする音質
マーベルでは3芯コネクタを採用し、低域の再生力と音質の高品質化を図りました。
これにより緻密な再生で聞き取りやすくなりましたし、どこかどっしりとした腰の据わった再生音質になったように思います。オートセンスOS、アダプティブコンプレッションスピードなども相まって会話するとずいぶん言葉がはっきりと入る補聴器だなと実感してもらえるでしょう。
またフォナックは、他社と異なりしっかりと音声を入れるために高い音の利得が大きめなのですが、はじめての補聴器を利用される方には慣れにくいものでした。
マーベルからは、はじめて補聴器を利用する方にはより慣れやすい音質に設定できるような仕組みになり、はじめてつけた時からひとききぼれできる音質になっています。
フォナックオーデオMのスタッフレビュー
スタッフレビュー
フォナックのマーベルは、ビロングを進化させた新たな補聴器ですね。
環境認識して自動で音質調整して最適化を図るオートセンスOSは静かな場所、騒がしい場所や音が聞こえにくい特殊な環境にも対応し、さらにはBluetoothやワイヤレス機器から送信されたメディア再生の音質も最適化できるようになっています。
BluetoothはBluetooth搭載の機器ならほとんどに接続できますし、音楽再生とアプリでのコントロール、本体マイクを利用したハンズフリー通話が可能です。キャリア通話でもスカイプ・ラインなどの音声通話もできるので、仕事で利用される方にも普段使いにも対応できそうです。
テレビコネクターDでのテレビやオーディオ接続することでテレビや映画、音楽の鑑賞もより高音質に楽しむことができます。
この補聴器になってから大きく変わったと感じたところは音質の変化です。
マーベルではまず言葉がよりくっきりとわかりやすくなりました。ビロングの時は顔の前で聞こえる感覚がありましたが、マーベルでは頭全体にはっきりとことばを感じ、周囲の雑音の中から浮き出ている様な感覚です。ビロングは極端なイメージですが、マーベルほうが自然に感じるでしょう。また前方から音が聞こえる感じが薄れたので、左右の方向感覚がわかりやすく感じます。高音域を強調して明瞭度を優先したすっきり音質の印象が強いフォナックですが、ビロングと比較して明瞭な感じは変わらないのですが少し重心が低くなって柔らかさがあり、どっしりとした印象を受けました。
静かな場所では言葉も生活音もまんべんなく入るので、言葉ははっきり聞こえるものの多少騒がしいと感じることもあるので、好みは分かれるかもしれません。
ただ騒がしい場所では身の回りの雑音をしっかり抑えてくれるので会話が聞き取りやすく、他社と比較しても騒音下では聞き取りやすいと感じました。
ビロングと比較しても、オートセンスやコンプレッションの動作が関係あるのか聞き取りやすさの向上していると思いました。
ワイヤレス機器やBluetooth通信をしての通話や音楽再生はオーデオBダイレクトの時に比べると薄っぺらい感じが減ってくっきりと聞きやすい音質になっており、音楽や映画を楽しめる音質なったと感じます。
これはオートセンスによるストリーミング音源のコントロールもされるようになりましたし、ドルビーサウンドを採用してるそうでテレビやスマホからYouTubeを流すとグッと低域を押し出した心地よい音質になったのではないかと思います。
音楽とことばに反応して最適化してくれるのでテレビの番組が変わっても常に快適な聞き心地でしたし、映画も迫力がありいい印象でした。
ただメディア再生時の特徴なのかはわかりませんが、メディア音声は頭の後ろのほうで音が聞こえ、周りの人の言葉は頭の前側に聞こえるような感覚があって、慣れるまでフシギな感覚でした。個人差はあると思いますが、体感してみるのがよいでしょう。
ただし高性能化による電池持ちが悪さが気になるところで、312電池では3~5日くらいで13電池でも10日ほどとのことです。
ということで今回は充電式がもっともおすすめできるとメーカーの方とも意見が一致しました。
充電式の場合は、3時間充電で最大18時間(8時間のワイヤレス使用時間を含み)の利用が可能です。
充電式と電池式の価格差も2万円なり、電池コストや交換の手間を考えてみると充電式のほうがお得だと思います。
また充電式のオーデオM-Rでは、ケースから取り出すと自動で電源のオンオフがされるようになりました。前回のオーデオB-Rではボタン操作でオンオフをしなくてはいけなくて、手先が不器用な方や高齢者にはちょっと敬遠されがちでした。自動であれば問題なく扱えると思いますし、フォナックはまさにすべてが全自動の補聴器になったといえますね。
プレミアムやアドバンスなど高級機の高機能さは納得できますし、お求めになりやすいエッセンシャル価格帯でも、十分な性能を持っているオーデオMはすべての難聴者に向けて作られた補聴器で、老若男女を問わず扱っていただける補聴器と実感しました。
ここまでいろいろご紹介してまいりましたが、マーベルの相談先について紹介していきますね。
マーベルはフォナック取り扱い店で相談してみよう
新製品のマーベルは魅力的な補聴器ですが、フォナックを専門的に取り扱っているお店で相談するとよいでしょう。
今回のマーベルでは圧縮の変更やちょっとした設定なども今までのフォナックの補聴器とは少し異なりますし、補聴器のこともマーベルのこともしっかり理解できているお店のほうが安心です。
もし相談されるならば、知識の豊富な補聴器専門店で相談されるのがよいでしょう。
補聴器専門店か認定補聴器技能者に相談する
補聴器専門店は、補聴器を専門的に扱ってるお店でプロフェッショナルのやっているお店です。スタッフが補聴器の専門的知識を持っているので心置きなく補聴器のことを質問できるでしょう。
またその中でも認定補聴器技能者が在籍しているのであれば、より安心なお店です。
認定補聴器技能者は、耳鼻科との連携ができている装用経験が5年以上のものが持つ資格ですね。
さらに複数のメーカーを取り扱っているおり、競合する補聴器と比較させてもらうことができるところであれば万全の状態で自分に合う補聴器が選べそうですね。
フォナックの新製品を体験するのがおすすめ
フォナックの新しい製品であるオーデオMはフォナックの取扱店で体験することが可能です。
新しい補聴器は、機能的にも音質的にも進化しているのであなたにしっかり合うものなのか・使いこなせるものなのかを知る必要がありますよね。
Bluetooth機能やテレビコネクターなど利用すれば、オーデオMは聞こえの先にある会話や音の楽しみを味わえる補聴器ですが、操作や設定などは少しだけ慣れが必要です。
フォナックであれば補聴器専門店など仕組みを熟知したお店で試聴やレンタルしてみましょう。
新製品は貸出数が限られているので注意しよう
魅力的な製品であるフォナックのマーベルですが、体験する際に注意することがあります。
まずレンタルできる日数はお店により異なることです。店頭試聴に限定しているところや1~2週間くらいまで借りれるところまでさまざまあります。
新製品である関係上、レンタルできるデモ機の数が限られていることがありますので、予約制をとっているお店もあるでしょう。
試聴だけでなくレンタルをして、自分の生活環境で試してみたいという方は必ずお店にお問い合わせしておきましょう。
まとめ
フォナックマーベルのご紹介をいたしましたがいかがでしたか。
マーベルのおすすめできるポイントは
- 精度の高い自動プログラムで手間がかからない
- ひとききぼれする音質
- 携帯電話での通話もラク
- 音楽やテレビも存分に楽しめる
- 利便性の高い充電式
- IP68の高い防水性
以上が私としても印象的でした。
オーデオMシリーズは多くの方がき日常の会話だけでなく、聞こえの先にある音の楽しみが体感できる補聴器だと思います。
騒がしい場所での会話や電話での通話にお困りの方は、オーデオマーベルをお使いいただければ聞こえの改善が期待できるでしょう。