秋葉原補聴器リスニングラボ移転のお知らせ

補聴器をつければすべての音が聞こえるのですか?

QA

Q.補聴器をつければすべての音が聞こえるのですか?

 A.すべてというのは厳しいかもしれません。補聴器にも限界があります。

補聴器はあくまで補装具であり、聴こえの補助を行うことができる器具になります。
要は聴く力を元に戻して声や音を完全に聴かせる聴力補完が行える器具ではありません。ですから苦手とすることがあります。
有効な音であったり距離というのが存在し、これに該当しないものはうまく聴こえないということがあります。

  • 一般的に補聴器の有効範囲は多めに見積もって3メートルが有効な範囲内です。それ以上離れた場所になると聴こえない場合があります。
  • 補聴器の指向性がよく効く範囲は視覚野でとらえると約120度程度が特に有効で、後ろから声をかけられるのは苦手なことが多いです。(360°の音を拾うプログラムがあるものもある)基本的に通常の人間の耳と同じように前からくる音に強くできています
  • 小さい音に対しては弱い傾向にあります。大体人の会話音は65~70dB程度音の大きさになります。そのあたりをよく増幅しているので小さい音には弱いことがあります。調整で補正はできますが、ノイズが増えてしまうことがありますので、注意が必要です。
    ノイズは慣れると大丈夫ですが、それまではうまく折り合いをつけることが必要です。
  • 補聴器の増幅できる帯域は125Hz~8000Hzが一般的です。(12000Hzまで出るものもある)
    特に250~5000Hzの言葉を話すうえで発音にかかわる周波数をよく増幅するようにできています。
    音楽などの音声以外に分けられる音に関しては雑音抑制が働いたり、再生域の関係でうまく聴こえないことがありますので、注意が必要です(音楽に対応している機種もあります)

以上のことが苦手とすることになります。
補聴器は完全に聴かせるものではなく、本人の聴こえの能力を補助して最大限生かすためのものと思っていただけるといいかもしれませんね。
当事者としてはもちろん周りの方にも理解してもらいながら、互いのコミュニケーションをとっていただければいいかと思います。
もちろん苦手とすることも調整したり、補助器具を用意したりすることである程度カバーできますので、困ったことがあれば専門店で相談しましょう。