メニエール病について、原因であったり、治療法に関してこのページで説明してまいります。
メニエール病は、難聴と耳鳴り、めまいという発作症状が反復して起こる内耳の病気です。
この病気の診断は非常に難しいものがあります。近しい自覚症状があれば、必ず専門の医療機関や耳鼻咽喉科で診断を受けることをお勧めします。
※当店は補聴器専門店であり、診断、治療をはじめとする医療行為は行いません。疑わしい症状があれば、必ず耳鼻咽喉科であったり、専門の医療機関での受診をお願い致します。
メニエール病とは
若い女性がストレスで発症するというイメージがあるメニエール病ですが、年齢問わず症状がある方は増えている傾向にあり、誰でもなる可能性が在ります。
厚生労働省の調べでは、発症年齢は30歳代後半から40歳代前半の女性に多く、厳密な診断基準に沿った有病率は主な個別調査で人口10万人当たり15〜18人程度であるとされています。
メニエール病はこのような特徴があります。
メニエール病の症状の特徴
- 激しい回転性のめまい
- 低音障害型の難聴
- 耳鳴り
- 耳閉感
以上の4つの症状があり、
低い音を中心に聴こえづらくなる低音障害型の難聴を引き起こすため、水の中に入ったような感じで耳が詰まっている感じ(耳閉感)も伴います。
そして激しい回転性のめまい、耳鳴りが起こります。この特徴的なめまいは「視界がはっきりとぐるぐる回る」というような立っていられないほどの強力なもので、数十分間続きます。
症状は発作的
これらの症状が同時に重なり、さらに「反復性がある」内耳の疾患です。
この4つの症状はほかの内耳の疾患でも起こる可能性があり、重なったのは一度だけということがであれば、メニエール病とは言えないこともあります。
症状が一旦治まってもその一連の症状を数日から数ヶ月の間隔で繰り返すようであれば疑いがあります。
メニエール病の付随症状について
前著した発作の症状に付随して起こる症状があります。
- 吐き気
- 嘔吐
- 冷や汗
- 顔面蒼白
- 動悸
- 異常な寒気・暑さなどの温感異常
- 聴覚補充現象(リクルートメント現象)
典型的なメニエール病の発作では、主症状の回転性のめまい、難聴に加えて、強い吐き気や嘔吐が伴い、顔面が蒼白になる。
動悸がおこり、気温が異常に寒く感じたり、暑く感じたりすることもある。大きな音や突発的な音に過敏になる聴覚補充現象もみられ、周りの騒音が非常に不快になることもある。
これまでは初期発作時の症状であるが、めまい発作を繰り返すうちにめまい発作時以外にも耳鳴りや難聴・聴覚補充現象が起きるようになります。
さらに進行するとめまい発作時以外にも耳鳴り・難聴や聴覚補充現象および平衡機能の乱れが常態化するようになるそうです。
発作時は安静に。
めまい発作の発生時は、強烈なめまいや吐き気によって、まともに立つことさえ困難であり、頭を動かすと症状が悪化するため横になり安静にすることが第一ですね。
症状は数時間から半日ということですので、発作症状が非常に強い場合は、病院にて点滴をうち安静にするようにします。
メニエール病の原因
メニエール病の原因は内リンパ水腫であるとされます。
内耳にある内リンパに水腫(水ぶくれ)ができることで、前庭(平衡感覚を司る器官)と蝸牛(きこえを司る器官)の感覚細胞が障害されることで、回転性の激しいめまいと共に、難聴・耳鳴り・耳閉感を伴う症状を繰り返します。
基本的に水腫ができるのは片耳であり(一側性)ですが、症状の移行で両耳になる確率は20%~30%ほどであるといわれています。
ここからはすこし難しいので飛ばして読んでもいいですよ!
内耳はカリウムを多く含む内リンパ液が満たされた膜迷路と呼ばれる部分と、骨迷路と膜迷路の間にあるナトリウムを多く含む外リンパで分かれています。
メニエール病の原因である内リンパ水腫は、内圧上昇により内リンパと外リンパを隔てている膜が膨張し、しまいには破裂します。カリウムに富んだ内リンパとナトリウムに富んだ外リンパが混ざることで、平衡や聴覚をつかさどっている感覚細胞が化学的刺激を受ける、または物理的な刺激を受けることなどが、激しいめまいや聞こえの症状として感じられます。
内リンパと外リンパを隔てる膜は、短時間で塞がりますが、再度内リンパ液が貯まるとまた膨張・破裂を繰り返し、めまいや聞こえの症状も繰り返します。徐々に膜の細胞が劣化していくため、徐々にめまいや難聴が常にある状態になります。
※難聴の症状は、内リンパ水腫によりリンパ腔内圧が上昇し、聴覚細胞が圧迫されることによるという説も考えられています。
メニエール病の治療に関して
基本的な治療は投薬治療
基本は投薬治療であり、様々な薬を利用するが、強い浸透圧による脱水力で内リンパ水腫を軽減させる利尿剤(イソソルビド:イソバイド)を一番最初に選択することが多いようですね。
他にも内耳の血液循環改善薬や、炎症を抑える為にステロイド剤や精神安定剤、ビタミンB12製剤も使われることがある。聞えの症状がなかなか改善されないときにはステロイド剤が多く使われます
めまい発作時
めまい発作時には吐き気を伴うことが多いために内服薬の投与は困難になるため、炭酸水素ナトリウム注射液やグリセロール、トラベルミン、制吐剤などの点滴をうけます。
また、入院治療にてステロイドの点滴静注が行われることもあります。
難治や重症の時には手術することもあるそうです。
ほかにも様々な要因が考えられますが、投薬治療だけでは完治するとはいえません。
※治療法について書いていますが、弊社は医療機関ではありませんので、治療診断を含む医療行為は行っていません。該当症状があれば、医療機関にて診断して早期発見、正しい方法で早期治療することが肝心です。治療に関しては症状によって異なりますので、医師の指示に従ってください。
メニエール病はストレスが関与している
メニエール病には強いストレスによって症状が引き起こされているとも考えられています。
精神的なストレスはもちろん、疲労や睡眠不足などの肉体的ストレスも大きく関与しているとされており、投薬治療などと併せて、生活環境、生活状況の改善や、職場環境の改善指導なども併せて行います。
薬によって症状を抑えることができるという安心感はありますが、根本的な原因と考えられているストレスの見直し、生活習慣を正して改善していくことが大切になりますね。
まとめ
メニエール病は回転性の激しいめまい、耳鳴り、難聴を伴う内耳の病気で、原因はストレスによって発生した内リンパの水腫(水ぶくれ)です。
病状を改善するには、投薬によって症状を抑えながら、生活改善、職場改善をしてストレスの状態を見直していく必要があります。
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