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難聴の子どもの補聴器はどのようなものを選ぶのがいいの?

生まれて半年の娘が難聴だということが最近になってわかった。
子供の言葉の発育が遅かったため耳鼻科に連れていくと難聴だということがわかった。

かかりつけの病院や、近所の聾学校で補聴器を使うことの勧めを受けたが、思っている以上に高価でどんなものを選べばいいかわからない。そもそも必要なのだろうか。

わが子が難聴であったと分かったとき、いきなり補聴器を進められてもわからないだらけだと思います。

補聴器が必要か否かの結論から言いますと、子供の発育には音が欠かせないため補聴器は必要ですよ。
補聴器自体は、2万程度~片耳だけで50万円までと幅広い価格で商品がありますが、子供が使う補聴器は高価である必要はありません。ですが安価すぎるものも買わないようにしましょう。

実際にはじめに選ぶべき補聴器は片耳10万円~15万程度の耳かけ型補聴器がいいでしょう。

その理由は

  • 小さいうち(0~6歳)は高価なモデルに搭載されている雑音を抑える機能はさして必要ではないため
  • 10万円程度の補聴器から聴力の変化に合わせられる補聴器がある。(成長の変化に合わせられる)
  • 耳かけ型補聴器にする理由は、子供の身体の成長が関係している

以上の理由から片耳10万円~15万円の補聴器をお勧めします。
ではなぜ補聴器が必要か。なぜこの価格の補聴器でいいのかを説明してまいります。

目次

幼少児の難聴について

 難聴は、音を聞いたり、音を区別したりする能力が低下している状態です。耳が遠くなっているということですね。難聴は生まれつきの障害の中でも、よく見られる障害の一つです。毎年1,000人に1~2人の難聴をもった子どもが生まれていると言われています。
生まれた時からある難聴は“先天性難聴”と呼びます。難聴は青少年や大人になってから進行して聞こえが悪くなってしまうことがあります。

 新生児の難聴の判断は、生後1ヶ月以内、できたら出生後の退院前に聴覚のスクリーニング検査を受けることで判断します。新生児聴覚スクリーニングを受けない場合、2~3歳になるまで診断されないことが多いのです。

難聴の原因とは

難聴をもったお子さんの90%は、聴こえが正常なご両親から生まれます。

子供の難聴の原因の1/3(高度の難聴の場合半分以上)は遺伝的な要因であると考えられています。そして、専門家の間では、400個もの遺伝子の突然変異(突然の変化)が難聴の原因となっていると考えられています。
また1/3は、遺伝以外の原因によって起こります。それらには、妊娠中の病気が原因の場合、風疹・サイトメガロウイルス感染・トキソプラズマ・ヘルペス感染・梅毒などが関係し
また出産の際に、早産(妊娠37週未満での出産)・出生後の頭部外傷や、幼小児期の感染症(髄膜炎、麻疹、水痘)・ある種類の薬(ストレプトマイシンという抗生物質など)が原因で起こるものもあります。

そして残りの1/3は原因が全く分からない難聴もあります。

新生児として生まれてすぐに新生児スクリーニングという検査をすると早期のうちに難聴の発見がされますが、スクリーニングをしていない場合は3歳までで言葉の発育が悪かったり、音に対する反応がなかったり、薄かったりして難聴ではと気が付き診察を受けるようですね。

難聴になるとどのような違いがあるか

難聴をもって生まれるとこのようなことが起こります。

生まれてすぐだと

  • 大きな音にびっくりしない
  • 生後3ヶ月を過ぎても呼びかけに反応しない
  • 生後6ヶ月を過ぎても音がする方へ向いたり、音の真似をしようとしたりしない
  • 生後12ヶ月の時点でまだおしゃべりをしない
  • 2歳までに単語をしゃべらない
  • 3歳になっても単語も2語文も話さない
  • 何かを表現をするときに言葉の代わりにジェスチャーを使う

年齢が上がると

  • 周りの子供より言葉の数が少ない
  • 理解しにくい言葉でしゃべったり、非常に大きい(またはか細い)声を出したりする
  • 何度も聞き返す
  • テレビの音を非常に大きくする
  • 学校でぼんやりしていたり、読み書きや計算が苦手だったりする

このようなことがあると難聴である可能性があります。
小さいうちは同じ月例の平均と比べて発育が遅いのかな?という程度ですが、年齢が上がることでかなり差が出てきます。

補聴器が必要な理由とは

子供の学習は、見る、触る、聞くなどの五感から発育が進んでいきます。
これは一体どんなものなんだろうという学びのもとになる疑問は、五感で感じて行くことで学びます。
ですから聞くということがうまくできないと特に言葉、コミュニケーション能力に影響が出ます。
言葉が聞こえませんから、言葉自体を覚えるのがうまくできませんし、話せるようになっても、意思の疎通がうまくできないことが増えてしまうのです。

補聴器は、音を増幅して、言葉を聞いて言語の能力を発達させるお手伝いをします。
ですから子供に難聴があった時に、医師などに勧められるのです。

難聴児でも幼小の時期に身の回りにある音のシャワーを浴びることで、言葉の真似をして言葉を覚え、様々な音に囲まれてどんな音か知っていくうちに、言葉と音の区別ができるようになっていきます。
言語やコミュニケーションの能力は、生後2~3年のうちに急速に発達します。新生児スクリーニングで難聴が分かった時や、難聴が発覚した段階で、早めの補聴器装用をお勧めいたします。

幼小児の補聴器選び

ここからは難聴の子供の補聴器選びのコツ、お勧めの補聴器を紹介してまいります。
片耳2万円程度~50万円まで幅広い補聴器の中から適正な選び方をお教えします。

子供用の補聴器で耳あな型補聴器より耳かけ型がオススメ。

子供用で補聴器を購入される時に、実は耳あな型補聴器っていうのはオススメしないんですよね。
理由としては、

  • 身体の成長がある程度収まるまでは耳の中の変化が大きい
  • 小さいため電池の使用時間が短い、なくしてしまう可能性が高い

この二つのことが関連します。
頭蓋骨の成長が収まるのは14歳程度とされており、また身体の成長が著しい年齢の場合は、耳の中の変化が大きいこともあって、耳あな型はお勧めできません
耳あな型を選ぶと成長に合わせて耳あなに合わせることをを定期的に行わなければなりません。
この耳あなに合わせ直す作業は保証がきかないので、有料の作業になります。作業量によって料金が変わるのですが、数千円~数万円と値段がピンキリになります。

耳あな型補聴器を選ぶ例外があるとすればスポーツを活発にするケースのときですね。
汗をかきやすいので耳あな型のほうが汗による故障を避けることができます。
しかし汗がかかりづらいとはいえ、運動のあとなどでこまめなメンテナンスは必要ですから気を付けましょう。

耳かけ補聴器のほうが、機能面で優れる

耳あな型補聴器と耳かけ型補聴器は聴こえさせる能力に違いはありませんが、ほかの機能面で違いが出てきます。

  • 外部機器への接続が容易である
  • 電池容量が比較的多い

という点ですね。
難聴の子供には難聴支援用のワイヤレスマイクなどと接続して補聴器を利用することが多いのですが、耳穴型は本体の容積の関係でこの機能がつけられない場合もあります。
耳かけ型の場合はこういった時に拡張性があるのがいいところです。
電池の容量も比較的多いので、扱いやすく電池のサイズも大きくなるので、手先が不器用な子でも交換しやすいのが特徴です。

基本的には耳かけ型補聴器を選択してもらうのがいいでしょう。
子供用補聴器としているものは耳かけ型が基本になるようになっています。

初めての子供用の補聴器は片耳10~15万円のものを選ぶ。その理由

幼小児の補聴器選びは最初に書いたように10~15万円のものを購入ましょう。

その理由は

  1. 小さいうちは高価なモデルに搭載されている雑音を抑える機能はさして必要ではないため
  2. 10万円程度の補聴器から聴力の変化に合わせられる補聴器がある。(成長の変化に合わせられる)
  3. 子供の生活に合わせると2~4年で新しいものに交換する可能性があるから

としておりました。

小さいうち(0~6歳)は高価なモデルに搭載される雑音を抑える機能が必要ない

小さいうちは補聴器で小さな音から、大きな音まで補聴器で聞こえるように増幅してあらゆる音を聞かせるということが大切になります。
雑音を抑える雑音抑制という機能は、声の成分を優先して聴こえさせるために身の回りにある音を聴こえづらくします。いろいろな音を覚えて音の区別を体に覚えさせる段階の幼小児の期間は必要がありません。
子供専用補聴器またはジュニアモード搭載の補聴器の場合は年齢を指定すると自動的に雑音抑制が切れるようになっています。
年齢が上がると逆に話を集中して聞きたい場面が増えますので、しっかりと雑音抑制が効くようなモデルを選ぶ必要があります。

安すぎる補聴器は選ばず。10万円程度からある音の調整ができる補聴器を選ぶ

10万円前後の補聴器から聴力に合わせた調整ができる補聴器があります。(福祉補聴器を除く)
小さいうちは聴力が日によって変化しやすく安定するまで何回も音を直さなければいけません。
10万円以下の補聴器では、聴力の変化に合わせることができない、いわゆる音が固定された補聴器ほとんどなのです。補聴器の音に合わせなくてはいけないため、人によって音が合わず使えない、使えたと思っていたけど、聴力が変わって使えなくなってしまうなどが考えられます。

10万円前後のものは病院の聴力検査、補聴器専門店での聴力測定などで聴こえやすいように合わせていくことができます。個人個人千差万別の聴力に合わせることができるということですね。

このような理由があって10万円~15万円程度の補聴器を推奨しています。

子供用補聴器でオススメの機種 Phonak Sky V

子供用補聴器でオススメの機種はPhonak Sky Vシリーズです。
Phonak Sky Vの特徴は

  • グラスファイバー配合の丈夫な筐体
  • たくさん遊んでも大丈夫な最高水準の防塵防水性能IP68
  • 電池誤飲防止のためのチャイルドロック付き電池パック
  • 外側から見て電池の残量がわかるLEDランプ
  • 最大112通りのカラーの組み合わせ。個性的でかわいい補聴器にできます。
  • 障害者総合支援法だけでなく、中等度難聴支援助成制度にも対応している
  • 標準耳かけと小型耳かけのRIC型で選べる
  • Rogerとの連携で、聞きとれる距離の改善ができる

Phonakではたくさん遊んでたくさん学ぶ子供には生活の環境に合わせた子供専用補聴器を作っています。
強度が高く、最高基準の防水防塵規格に合格した筐体が、走り回ったり水遊びや、砂遊びなどたっくさん遊んでも壊れづらい子供の生活条件に合わせた仕様になっているのがまず特徴ですね。
誤飲防止のチャイルドロック付きの電池ロッカー、電池の残量もLEDで確認できて、まだ話せないうまく意思の疎通が取れないお子様にも安心して使えます。

これから自分の体の代わりになって長い付き合いになる補聴器にも愛着がわくように、カラーもたくさんありますので、好きな組み合わせにしてあげてください。
アルパインホワイトはかっこよくもかわいくもできるのでオススメですよ!

Rogerと組み合わせることで、離れたところからでも声をかけることができます。
成長したときには先生に渡して授業中の話を直接補聴器に飛ばして聞くことができるので、周りの音に邪魔されず授業での集中力が違います。

Rogerの詳しいことについてはこちらから→ロジャーについて

なおSKY Vシリーズの値段はこのようになっております。
V90(プレミアムクラス) 片耳¥391,000‐
V70(アドバンスドクラス)片耳¥272,000-
V50(スタンダードクラス)片耳¥195,500-
V30(エッセンシャルクラス)身体障害者総合支援法 / 軽中等度難聴児助成事業対応

となっております。
一番下位機種のV30は障害者総合支援法または、軽中等度難聴児助成にてもらえる補聴器に指定されています。
区市町村の指定のお医者さんから給付の許可がもらえると補聴器の交付がされる補聴器になります。(要は国からのお金が出てただでもらえる!)
給付の方法に関してはこちらから→補聴器の交付について
軽中等度難聴支援については区市町村ごとで条件が異なる場合があるので、詳しくはお住いの自治体にお問い合わせください。

なおSky V30を交付なしで購入する場合は、リスニングラボのお問い合わせメールをいただくか、お近くの補聴器専門店にてお問い合わせください。

まとめ

難聴をもつ子供にとって、補聴器は第二の耳といっても過言ではありません。
すくすくと成長していくことを邪魔させないためにも、
しっかり吟味して、好みに合う成長に合わせられる機種選びをしてあげてください。

子供専用補聴器のこと、難聴児をサポートする機器のことはリスニングラボにお任せください。
お気軽にお問い合わせくださいね。

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