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片耳難聴の場合、片耳補聴器とクロス補聴器のどちらを選ぶべきか。

先天性の片耳感音性難聴を持っている。子どものころのおたふく風邪で片耳難聴になってしまった。
突然で片耳難聴になってしまった。様々な理由で片耳の聞こえが悪い時に、補聴器を使うということを少し考えますね。
片耳難聴で使える補聴器は2種類あります。

  1. 難聴の耳に使用する片耳補聴器
  2. 聴こえる耳で、聴こえない側の音を聞くことができるクロス補聴器

この二つがあります。
片耳難聴でも難聴の度合いによって選択するべき補聴器は変わります。
これから片耳難聴の補聴器について説明してまいります。

片耳難聴になってしまった原因とは

まず片耳難聴になる原因はこのようなものになります。

突発性難聴

片耳が聞こえない人の発症例でいえば突発性難聴が一番多いと言われております。患者数は推定35,000人、2014年は40,000人に急増しています。人口100万人あたりでみると275人が突発性難聴として治療を受けていています。
数年前は50歳~60歳に多い病気でしたが、近年は若い方にも多く、性別や年齢の偏りはありません。
発症してから1週間以内に病院へ行って治療をすれば回復する可能性もあります。
原因はストレス、ウイルス感染、血流障害だと言われていますが、原因不明のことが多いです。突発性難聴は内耳に異常によって発症するので感音性難聴の部類に入ります。

ムンプス難聴(おたふく風邪、流行性耳下腺炎)

ムンプス難聴は、流行性耳下腺炎(おたふく風邪)の原因であるムンプスウイルスによって発症した難聴のことをいいます。
片耳で軽度~重度程度の感音難聴をもたらします。合併症で重度の難聴になると片耳がほとんど聞こえなくなります。
小児での稀な発生ケースでは、両側高度感音難聴の例も報告されています。
昔は1万5000人に1人程度とされておりましたが、近年はもっと多く報告されており約500人に1人とする調査結果があります。
国立感染症研究所は2001年の1年間の全国のムンプス難聴の受療患者数を調べたところ 650人と推計しております。
3~4年周期で流行する病気でもあり、ワクチンの接種で予防できます。

中耳炎

片耳だけ中耳炎を患い、そのまま治療をしないで片耳だけ難聴で聞こえなくなる。
鼓膜の奥の中耳に耳垂れが出て、鼓膜を破ったり、中耳の耳小骨に悪い影響を及ぼすこともあり難聴度も高くなります。治療が不十分ですと、慢性中耳炎になってしまいますので、十分に治療することが必要です。
音の伝わりが悪い病気なので伝音性難聴の部類に入ります。

感音性難聴

感音性難聴は耳の中の内耳神経の有毛細胞が無くなって発症する難聴です。通常は加齢と共に起こる難聴ですが両耳とも一緒に悪くなる方が多いです。しかし中には片耳だけ難聴が進行して悪くなることもあります。まれに年齢に関係なく難聴になることもありますのでご注意ください。

先天性難聴

生まれつき片耳が全く聞こえない方。
原因は様々ありますが、妊娠中に母親が疾患を持った場合や、DNAの異常によって引き起こされるようです。
他にも耳自体の発達、形成ができていない状態もこれに含みます。

事故による後遺症

外傷的な事故の治療や手術で聴力を失ってしまうこともあります。

このような理由があって、片耳の難聴になるのですが、難聴になって日が浅い場合や、伝音性の難聴の場合は、病院での治療や、外科的手術で回復する場合がありますので要診断です。

周りの人が思っている以上に片耳難聴は不便である

片耳難聴は本当に周りに人が思っている以上に不便なんですが、なかなかそれが伝わらないですよね。
あなたはこんなことで困っていませんか?

  • 音の方向感がわからない。
  • 片耳だけですべての音を聞くので音を聞き分けるのが難しい。
  • 時々めまいや耳鳴りがおこる。
  • 騒がしい所になると会話が聞き取れない。
  • 聞き返しが多い。
  • 少し離れたところで話されると内容がわからないことがある
  • 空返事をする。または会話を理解しないで返事をしてしまう。
  • 仕事などで聞き逃しがあってミスをする。
  • 大事な話を聞く時に片耳を集中するので精神的に疲れる。
  • 聞こえない側から声を掛けられて無視をしたと勘違いされる
  • 授業などでの聞き取りも

片耳が普通に聴こえるがために、近い距離での会話は問題なく、一見見して難聴であるとわからないので、こういったことで困っていても理解されなかったり、聴こえていないのに、無視していると勘違いされてしまったり、自分にとって深刻な問題なのに、病院で診察を受けても、片耳健聴なら補聴器を必要としないと言われてしまうのが片耳難聴の特徴です。

片耳の難聴の状態で選ぶものが違う

補聴器を着けて効果のある難聴、ない難聴があります。
それがこのような例です。

まず補聴器の効果が見込める難聴の例です。

健聴時から40dB程度の難聴であれば、訓練次第で両耳ほど変わらない程度まで補聴器の効果が出ます。
実際図のように片耳が0dBの健聴の場合は、補聴器を使用して効果があるのは25dB~40dBで青いゾーンで囲っているところです。
この場合は片耳補聴器を選択し、訓練することがお勧めです。

補聴器の効果が人によってまちまちの難聴の例

このように片耳の難聴の度合いが40dB以上の場合、これは個人の感覚によって異なります。
基本的に40dB以上の難聴の場合、左右の聞こえのギャップが埋められないため、聴こえづらい耳に意識が行き過ぎてしまい、聴こえる耳のきこえを遮ってしまう可能性があります。
しかし人によっては効果が見込めるので青いゾーンで囲っているところに聴力が入っている方は諦めてはいけません。

補聴器の効果がほぼ見込めない難聴の例

片耳の難聴の度合いが70dBを超えてくるとかなり可能性は低くなります。
諦めないで片耳補聴器装用していくことも大切ですが、かなりの長期間の訓練が必要になります。
またスケールアウト(完全に聞こえない)状態の場合は補聴器の効果がありません。
片耳補聴器ではなく、他の選択をすることも手の一つです。

片耳の難聴具合が、聞こえる耳にくらべて、
40dB以内の検査結果の場合は片耳で補聴器を使用することがお勧めです。
40dB以上の検査結果の場合は片耳補聴器を試し、効果が見えない場合はクロス補聴器
と考えていただけるとわかりやすいかもしれません。

片耳補聴器とクロス補聴器の違いは?

片耳補聴器とクロス補聴器という言葉を出させていただきましたが、どちらも片耳難聴のための補聴器の使い方です。

片耳補聴器


文字通り片耳に補聴器を装用する使い方、耳穴型、耳かけ型、箱型等、使用環境と難聴の度合いによって形状を選択する。
片耳健聴の場合は、基本的に健聴耳から難聴耳の聴力が40dB以上離れていると補聴器の効果が出づらいことがあるが、この情報を鵜呑みにせず、試してみる価値はあります。
片耳補聴器の場合、より目立ちづらいものを選びたいかと思います。
上の画像に乗せたような非常にコンパクトなものも聴力によっては選べますよ。
聞こえない耳から音が入ってくる感動が大きいのも特徴

クロス補聴器


健聴耳に補聴器(受信機)を装着し、難聴耳にはクロス送信機を装着する。
難聴耳側の音をクロス受信機が集音して、健聴耳に着けた補聴器に音を送ることができ、聴こえの範囲を拡げることが可能。
基本的に難聴耳側に補聴器の効果が出ないとわかっていても、クロス補聴器ならば健聴側を使って音を聞かせるので、誰でも効果が出る。
完全に聴こえない人でも、聴こえない側の音が聞こえる喜びが大きいのが特徴です。
クロス補聴器が出ているメーカーは限られていて、フォナック(Phonak)、シーメンス・シグニア(Siemens/signia)、ワイデックス(Widex)などが有名どころです。
リスニングラボではフォナックをお勧めしています。
※クロス補聴器に関する記事はほかにもありますので、最後に紹介いたします。

補聴器は難聴側の残っている聴力を生かす補聴器と、補聴器の効果が出なかった場合でも使用できるクロス補聴器。
このように覚えていただけるといいかと思います。

ちなみに片耳は難聴で、反対耳は完全に聴こえないという場合は、バイクロスという使い方もありますので、そういった方もクロス補聴器を検討してもいいかもしれませんよ。

補聴器を着けるかつけないかは、本人次第。

補聴器を着けるかつけないかは本人次第と書かせていただきましたが、実際片耳難聴の場合、補聴器は必要ないよ。と医師に言われることがほとんどです。
これには

  • 片耳が健聴だから必要ない
  • 一般的に補聴器を使っても効果はない聴力だよ

という意味で発言しています。
しかし診断でのお話は、あなたにとって片耳で不自由しないかの答えではありませんし、あなたにとって補聴器が効果が出るか出ないかの答えではありません。
クロス補聴器を知って来店された方の中には、これまで医師にそういわれたからといって片耳の聞こえはあきらめていたという方もよくいらっしゃいます。(実際聴力は残っていて片耳補聴器で効果が出た方。)
もしこのように言われた方でも、片耳難聴ならではの悩みを抱えたり、効果がないといわれた補聴器の効果があったりするので、あなたが補聴器が必要かもしれない。一縷の望みにかけたいなどを思ったときには、補聴器を試してみるのがいいでしょう。

まとめ

片耳難聴で困っている方には解決策はまだ残されています。
諦めないで相談して、すこしでも改善する策を探しましょう。

片耳難聴で、補聴器のことを詳しく聞いてみたい、レンタルして試してみたい。そんなご要望ありましたら、リスニングラボにお任せください。
お忙しい方でも、土日もやっている都内では少ない補聴器専門店です。

メールや、お電話でのお問い合わせから、ご来店でのご相談までなんなりとお申し付けください。

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