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片耳だけに補聴器を着けたい。そんな時に知っておいてほしいこと①

一口に片耳補聴器といっても
両耳難聴だが補聴器がいかんせん高価なこともあって片耳だけつけたい。
片耳は正常で、片耳は難聴なので片耳補聴器を考えている

このように2つのパターンに分かれます。
片耳だけに補聴器を着けたい。そんな時に知っておいてほしいこと①では
両耳難聴だが、片耳だけ補聴器を着けようと考えている人に向けて記事となります。

正直にいってしまうと、両耳難聴での片耳補聴器は、条件限定してあり。というのが結論です。
さてその条件を限定とありますがそれが何か気になりませんか?
いま片耳だけ補聴器を考えている人もこれをみて自分がどうか考えていきましょう。

実は日本人の大半は片耳だけ補聴器をつければ十分と考えている。

日本補聴器工業会によって調べられたデータ(japantrak2015)によれば無作為に選定された補聴器を装着している方414人のうち片耳補聴器の方は242人(約58%)ですが、その中でも両耳に難聴を持ってるが片耳補聴器だけで使用しているという人はその中でも75%と大半を占めています。

この記事を読み進めている皆さん同じように両耳難聴で片耳だけ補聴器を着けるという人が大半なのです。
その中でも大部分を占める理由は、片耳補聴器と両耳補聴器の効果は同じであると考えている、もしくは金銭面の問題です。
いろいろな面をみてしっかり考えてほしいのは炊飯器などの家電を買うわけではなく、自分の身体の代わりになる医療機器を購入するということだからです。
もしかするとこの中の人には片耳補聴器のデメリットに関して説明がない可能性もあります。
実際最近になって、メーカーもそうですし、医学術的にも両耳補聴器の大切さが論ぜられるようになってきました。自分の体のことですか、しっかりいろいろなことを知っていきたいですね。

補聴器を着けるのは個人の意思決定で決める

上のジャパントラックの資料にもあるように購入の理由が本人の意思でない場合があります。
しかし補聴器は個人の意思に決定権があります。
聞こえづらいから補聴器を考えていただけど、補聴器販売員さんや、お医者様がいらないといったから。といって補聴器を着けるタイミングを逃していませんか?
どのように不自由かは個人の感覚ですから、他人がわかるものではありません。
これからの説明をしっかり読んで、あなたの意思で必要か、不必要か考えていきましょう。

片耳補聴器を考えてもいい条件とは。

まず両耳難聴で片耳難聴を考えてもいい条件というのがあります。
この条件を満たしていない場合は正直片耳難聴は避けたほうが無難です。

  1. 両耳難聴だが左右で聴力差が40dB以上ある。

    左右差が大きい場合は、特に重い難聴の補聴器に慣れるまで大きな時間が掛る可能性が高いため片耳補聴器でもよい。
    しかしこれの条件は絶対ではないので、両耳に補聴器をしてもよい。
  2. 両耳難聴だが、片耳が全く聞こえない(スケールアウト)

    この場合は補聴器で音を大きくしても効果がありません。この場合は聴力が残っている耳に補聴器をつけるか、クロス補聴システムを利用したバイクロス補聴器をお勧めします。→バイクロス補聴器について
  3. 片耳の最高語音明瞭度が40%を下回る場合
    語音明瞭度とは、言葉を聞き分ける能力を測定した結果のことです。その人にとってどのくらいの音量があれば、最大で何%の音を聞き分けられるという測定のことを最高語音明瞭度といいます。
    例えば両耳とも90dB(耳元で話されたときくらいの音量)がもっとも声が聞き取れるとしましょう。
    最高明瞭度が80%あるとすれば、通常の会話音の80%は聞き取れるようになるというようになります。この最高語音明瞭度は補聴器の効果がどれだけ出るかという点に大きく左右される点であり、最高明瞭度が40%以下の場合は補聴器の効果が出ずらいとされています。
    しかし個人差は否めないので、両耳補聴器を試してみて、やはり効果が出ないとのことであれば、語音明瞭度の良好な耳にだけ補聴器を着けるのがいいでしょう。

以上のように補聴器を片耳で使いたいという場合はこのような条件がある場合に考えるのがいいでしょう。
補聴器を奨める場合は、聴力測定や語音弁別能の測定の結果で判断していきます。
だいたいの補聴器専門店では両耳の装用をオススメしておりますが、もし片耳だけで結構といわれた場合でもあくまで客観的データに合わせて推奨しているので、両耳で試してみることも大切です。

片耳補聴器にメリット・デメリットってあるの?

両耳難聴で、片耳に補聴器を着けることであるメリット・デメリットというのは客観的に見てあります。
まずメリットについて説明します。

デメリット
  1. 言葉の理解率が下がる。
    実は会話というのは左右の耳で聞いてこそより効果が出ます。
    右側から話しかけられていても、実際が右耳が85%の音を聞き、残りの15%とはというと左耳が聞いています。これはおもな情報を話しかけられた側が聞き、頭を回ってきた音を反対耳が聞いているということなのですが、これで情報を重複して聞いて頭の中で処理して補完しています。
    片耳補聴器ではいくら言葉の検査をして明瞭度が100%あっても、実際話している環境では85%しか聞き取れません。これでは損した気分になりますね。
  2. 聞こえる範囲が半分になる。
    両耳難聴で片耳補聴器をすることは、普通に考えて片耳を塞いで生活をするのと変わりません。
    補聴器を着けていない側からの音は、補聴器を着けている耳を向けないと聴こえません。
    これが思っている以上に不自由だったります。
  3. 雑音下での会話に弱くなりやすい
    雑音の中で声を聞き分けることができるのは、両耳で音を聞いて雑音と、音声を脳の中で聞き分けているからですこれを両耳スケルチといいます。片耳補聴器にしてしまうと、優先的に大きな音を聞いていしまう脳の性質上、片耳の情報だけが多くなってしまうので、この両耳スケルチがうまく働きません。
    調整によっては、静音下では聞き取りが良好でも、雑音下では、補聴器から聴こえてくる雑音も大きく感じられてしまい、会話がうまくいかないということも増えてしまうことも考えられます。

デメリットはこのようなものがあります。
聞こえの面に直結したデメリットが目立ちますね。

メリット
  1. 払うコストが減る。
    まず「コストが減る」これにつきます。
    片耳補聴器であるがゆえに電池代も一台分だけ。補聴器も一台分だけ。
    本体だけでは十万~数十万円違います。電池は年間約5千円~1万円ほどの違いがあります。

2つ目はというとありません。
これは正直な感想で安く済むということしかメリットはありません。

デメリットを見てわかるように両耳で一対となる耳という器官に対して一つの補聴器では、効果が半減してしまうのがわかりますね。
両耳難聴である場合、できる限り両耳で補聴器を着けていただくことをおすすめします。

左右の耳で違う補聴器を使うのはどうですか?

左右の耳で違う補聴器を着けたいという方もご相談いただくことがあります。
こういった場合、大抵他店で補聴器を購入していたりするんですが、今持っている補聴器を片耳に使い、コストを抑える面でとてもいい案です。
実際の聞こえの面でも、あんまり違和感がないというのも本音です。
メーカーそれぞれで音に特徴があり、左右同じ聴力でも、左右でそれぞれよく聞こえる部分がちがうようになるのですが、それによって極端に疲れやすかったりとかはないようです。
脳の中でうまく処理されているので、左右の音質の違いに違和感を感じなければ大丈夫です。(左右違うメーカーを使っている方は過去に結構いました。)

ただ不便な点もあって

  • メーカーが異なる場合、調整が一度で終わらない
    これは調整ソフトが異なるため、メーカーが異なる場合は二度手間になります。
    販売店が異なると二店舗を往復するような事態になりかねません。
  • 左右のボリューム調整や、プログラムの変更ががバラバラになってしまう。
    最近の補聴器は本体に備え付けられたボリュームで片方の補聴器の音量を上げると反対側も上がる、プログラムボタンで任意のプログラムを切り替えると、両方とも切り替わるというような左右の通信技術を利用した便利な機能があります。
    メーカーが異なるとそもそも使えませんし、同じメーカーでもシリーズが異なる場合、これがうまく作用しないことがありますので、不便な感じが強くなります。

主観的には問題ありませんが、客観的に見て不便さを感じるような気もします。
補聴器として使っていく上では問題ありませんので、もし片方だけでも…など考えている人は、片方だけ新しくしても大丈夫ですよ。

まとめ

両耳難聴で、補聴器をつけるならできる限り両耳に、そして同じメーカーがベストです。
もちろん本人の意思決定や、使用する条件によっては両耳難聴でも片耳補聴器を選択するというのも正解です。
これまで記事を読んでみて、実際どうなのかと懐疑的に思ってしまうのも人間の性です。
果たして…と考えるのであれば、補聴器をレンタルして片耳だけ着けて、両耳着けたときの差や、静かなところ、騒がしいところなど、いろいろな環境で試してみましょう。いくら人から聞いたり、文を読んで知っていても、体験すると考え方が一変することはありますから。

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